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県民投票を封じる「抜け穴」を自民議員が伝授? 沖縄で広がる混乱 ”忖度? それとも?”

2019-01-17 14:30:00 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190117-00010000-bfj-soci&p=1時事通信1/17(木)

沖縄県で2月24日に実施される、米海兵隊普天間基地の辺野古移設をめぐる県民投票。普天間基地がある宜野湾市をはじめ、実施をしない自治体が相次いでいる。参加できなくなる有権者が、3割を超える可能性もあるという。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

首長の一存で投票ができなくなることへの反発は広がり、全県下での実施を求めるネット署名などの動きも出ている。いったい、何が起きているのか。

現段階で不参加を表明しているのは、宜野湾、沖縄、宮古島、石垣、うるまの5市。有権者は計36万人、沖縄県全体の約32%となる。

このままでは「県民投票」といえど有権者が7割を切ることになり、さらに沖縄市に住民票のある玉城デニー知事自身も、投票できないことになってしまう。

そもそもこの県民投票は、9万2848筆の署名が提出されたことを受け、条例が制定されて実施が決まった。ただし、その投票結果に法的拘束力はない。

「賛成」「反対」の二者択一の選択肢の変更があれば応じるとしている市もあるが、玉城知事は現状のままの実施する構えを崩していない。

条例制定時、県政野党の自民党と公明党が選択肢に「やむを得ない」「どちらとも言えない」を加えた4択案を出していたが、否決されているという経緯もある。

不参加を再表明する宜野湾市の松川正則市長
県民投票をめぐる「抜け穴」
不参加を表明している5人の市長は、いずれも安倍政権に近い保守系だ。とはいえ、なぜ県条例で定められた県民投票の実施を拒否できるのか。

実は、「抜け穴」があった。

そもそも投開票事務の一部は市町村が実施するが、その経費は県が全額負担することになっている。問題は、市町村議会が、県から交付された経費の予算計上を否決した場合だ。

その場合、首長は地方自治法に基づき、議会に「再議」を求めることになる。この再議においても議会が否決をした場合、同法177条2項にある通り、首長が予算計上「できる」とされている。

《議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる》

県民投票を拒否する自治体は、この「できる」という言葉を主張の「裁量」と捉え、不実施の意向を示しているのだ。これが、「抜け穴」だ。

県側の見解は違う。「できる」という言葉は「権利等を与えられていると同時にその権利等を一定の場合には行使する義務をも負う、という意味も含む」「市町村の長に裁量権を付与したものではない」としている。

自民議員が抜け穴を「指南」?
こうした「抜け穴」を指南する文書が、弁護士の資格を持つ自民党の宮崎政久衆議院議員(比例九州)によって作成されていたと、琉球新報などが報じた。

それによると、「県民投票条例への対応について」「県民投票条例への対応に関する地方自治法の解釈」などという文書が、保守系市町村議員らの勉強会で配布されたという。

前者には、「予算案を否決することに全力を尽くすべきである」などと記され、後者の資料には、地方自治法177条の法的解釈も記されていたという。琉球新報は以下のように指摘している。

《市町村議員が議会での予算案を巡る反対討論や反対の意見書で指摘した内容は、宮崎氏の主張と一致している。現在、投票事務を拒否している市長らの見解とも重なっている》

一方、宮崎議員は1月16日に会見を開き、勉強会は「県民投票への反対を説いてまわるように開催したものではない」とし、さらに政府や自民党本部の関与はないとも説明した。

また、Facebookでは以下のようにコメントしている。

《議員の皆さんから要望があり県民投票条例に関する勉強会が開催されたことは事実であり、その際に話の内容が法令に関連する点もあることから、参加された方の理解のためレジュメを作成しました》

《私が一定の見解を強制できるものでないことは改めて申すまでもありません。勉強会の際にも、私ができるのは勉強会という場で意見交換をするところまでであり、その後のご判断は、各議員で自由に行ってくださいともお伝えしております》

change.org
ネット署名も始まった
県民投票に関する無作為の世論調査では、「賛成」と回答した人が74%を占めた。不参加表明した5市でも、いずれも過半数を超えている。

そうした人たちの投票の機会を奪って良いのかーー。実際、反発の声も広がっている。

沖縄県弁護士会は1月11日付で、「投票資格者の政治的意思を表明する権利をないがしろにし、直接民主主義の意義を没却する、由々しき事態」とする会長声明を発表。

「たまたま居住している地域によって投票できる者とできない者が生じることは、法の下の平等の見地からも、極めて不合理」として、不参加を表明した首長を批判している。

また、ネット上では、「すべての沖縄県民が等しく参加できるように、沖縄県内の全市町村で実施されることを求めます」とする署名も始まり、すでに1万筆が集まっている。主催者は、以下のように訴えている。

《このままでは住んでいる場所によって、投票権を行使できる人とできない人とが生まれることになります》

《実施が決まった県民投票の機会を首長と議会が奪うことは、住民の意思を反映させることを拒むようなもので、日本に暮らす国民として看過するわけにはいきません》

宜野湾市を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしたり、沖縄市に行政不服審査を求めたりする動きも出ている。

さらに1月15日には、県民投票の実施を求めて署名活動を行った「辺野古県民投票の会」の代表の元山仁士郎さんが、宜野湾市役所前でハンガーストライキを始めた。今後も、こうした動きは拡大しそうだ。

感想
何のための勉強会だったのでしょうか?
「議員の皆さんからの要望」とのこと、その要望は何のためだったのでしょうか?

県民投票を阻止するための要望ではないでしょうか?
その阻止を願っているのは誰なのでしょうか?
自民党と公明党?
つまり安倍首相と山口代表の意向なのでしょうか?
もっとどうどうとして胸を張って自分たちの政策が正しいと思われるなら、県民投票に反対にまわった自党の議員に「反対するな!」と言えないのでしょうか?
そこには、多くの沖縄県民が反対していることを知っており、それが明確になるのを恐れておられるのではないでしょうか?

県民投票は県民の意思として認められました。
それを阻止することは県民の意思をまた無視する行為になります。

直木賞受賞作品「宝島」
そこには沖縄県民の悲哀と沖縄の問題が日本全体の問題になっていない苦しさが記述されていました。
著者の真藤氏も「沖縄問題考える一助になれば」とコメントされています。


勤労統計不正、追加給付800億円 事務費に数百億円 ”企業なら関係者&責任者処罰問題”

2019-01-17 08:50:08 | 社会
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190117-00000501-san-hlth 産経新聞1/17(木)
 賃金や労働時間の動向を把握する厚生労働省の「毎月勤労統計」の調査が不適切だった問題で、失業保険などの過少支給により延べ約1973万人に約537・5億円の追加給付を行う際に、システムの改修や人件費など事務経費が数百億円かかることが16日、分かった。追加給付費の総額は約800億円に膨らむ。システムの改修には数カ月かかり、実際の追加給付は来年度になる見通し。

 厚労省によると、追加給付は個人約537・5億円のほかに、企業に対し雇用調整助成金などの過少支給があり約30億円を計上。事務経費には人件費や相談窓口の委託料、郵送料が含まれる。

 書類の保管期限が過ぎて約1千万人の住所は不明だが、住所が特定できる人には個別に手紙を出して給付を知らせる。しかし追加給付の金額を確定させるためにはシステムの改修が必要で、現時点で手紙を出せる人はいないという。

 事務経費は平成31年度予算案を組み替えて対応するが、雇用・労災保険の特別会計から捻出する方向でも検討。ただ、これらの財源となる保険料は、企業と労働者が支払っており、国のミスに対し、事実上、民間側の負担になることに批判が集まる可能性がある。

 菅義偉官房長官は16日の記者会見で、この問題をめぐり「総務相が承認した内容とは異なる方法で調査を実施していた点は、統計法の規定に則していなかったのではないかと考えられる」と述べ、厚労省側に違法性の疑いがあるとの認識を示した。

感想
企業なら社長の責任も問われそうです。
ところが、税金のせいか、関係者はその認識が乏しいように思います。

日本電産会長(創業者) 永守重信氏
「病は気からと言うが、企業もおかしくなるのは社員の心や経営者の心情からだ。まず心を治さないと会社はよくならない。企業再建で感じるのは社員の心が病んでいることだ。社員の心が病むのは経営者に問題があるからだ。
経営者に問題があると、社員の士気はどんどん落ち、品質やサービスの質が低下する。経営者への不満と不安の繰り返しで業績はさらに落ちて行く。

経営者に問題があるから、不正やルール違反が生じるのでしょう。
そのことを経営者が認識されないと、また起きます。


「雑草は踏まれても諦めない 逆境を生き抜くための成功戦略」稲垣栄洋著 ”雑草から生き方を学ぶ!”

2019-01-17 01:11:44 | 本の紹介
・イネ科植物は乾燥した草原地帯で発達してきた。草原では馬や牛、山羊などの装飾動物の仲間がそれを餌としていた。そのためイネ科植物は常に地上部を食べられ、つみ取られる環境にあったのである。植物の生長点は茎の先端にあって新しい細胞を作りながら上へ上へ伸びていく。しかし、それでは茎の先端を食べられると成長が止まってしまう。イネ科の食部は成長点をできるだけ低くすることを考えた。つまり一番低い株本に成長点て持ち、そこから葉を上へ上へと押し上げる戦略を発達させたのである。

・オオバコの学名にあたるプランタゴは「足の裏で運ぶ」という意味である。じつはオオバコの種子は水に濡れるとゼリー状の粘着液を出し、靴や動物の足にくっつきやすくなる仕組みを持っているんである。そして人や動物の足によって運ばれて分布を広げていく。こうして踏まれることによって種子を散布するオオバコは、再び踏まれやすい場所に芽生え、自らの分布を広げているのである。

・植物の3つの戦略タイプ
 ・Cタイプ(競合型);他の植物との競争に強く、打ち勝って成功する
 ・Rタイプ(攪乱耐性型);環境の変化に強い
 ・Sタイプ(ストレス耐性型);苛酷な環境下に生育する

・植物にとって公平な競争が起こらない環境は2種類ある
 ・生存が困難な極限状態
 ・一寸先もわからない予測不能な状況

・雑草を完全になくす方法が1つだけある⇒「雑草をとらないこと」
 雑草を取らないと「遷移」と呼ばれる現象が起きる。大型の植物や木々が生い茂ると生存できなくなってしまう。

・要求されるのは、けんかの強さよりも、次々と襲いかかる困難に対応するサバイバル能力なのである。抜かれたり、踏まれたりという生存にとって過酷と思われる環境こそが彼らの活躍の場なのだ。苛酷な環境を乗り越えることができれば、そこには大きいチャンスが待っている。

・農家もお手上げ! タイヌビエの模倣戦略
 一件してイネとタイヌビエを区別することは難しい。それくらい似ているのである(擬態)。農家の人がヒエの存在に気がついた時は、もう遅い。田んぼには、タイヌビエの種子がびっしりとまかれているのである。

・中江丑吉(思想家)
 「人間はそれぞれ守るべき原則をひとつかふたつ持てばそれでいい。他のことはさっさと妥協してしまえ」

・家畜の餌に混じって各地に運ばれた雑草の種子が、全国の畑で同時に発生したのである。「帰化雑草」外国から輸入される穀物の中に混じっているが、消化されないので家畜の糞は堆肥となって畑にまかれる。

・雑草たちの生活サイクルは一年草、越年草という分類に当てはまるほど一定ではない。ヒメムカシヨモギは一般的に秋に芽生えて、密につけた葉を地べたに広げる「ロゼット」と呼ばれる状態で越冬する。

・わざとちぎれて分布を広げる
可愛らしいタンポポも強い再生力を持つことで知られる雑草である。タンポポの根を掘り上げて切り刻んでも、その根の断片1つ1つがすべて根を出し、芽を出し、やがて植物体に再生する。切り刻まれたことで増殖するのである。

・茎の先端が折れて成長が止まった時、予備軍として控えていた脇芽に成長が託される。

・地下6メートルも値を伸ばすセイヨウヒルガオ

・原爆が投下され、数十年は草一本も生えないだろうと言われた広島の町で、真っ先に緑を取り戻したのはスギナだったという(スギナは1メートル以上も地下深くまで地下茎を伸ばす)。

・アスファルトを突き破る力(「集中力」と「持続力」)

・管理から逃げ出して雑草化-エスケープ雑草
園芸植物の生き方と雑草の生き方、あなたはどちらの生き方に魅力を感じるだろうか。
 ・ぬるま湯に浸ったような毎日が嫌いでない人は園芸植物タイプだろう。
 ・今や道ばたの雑草の代表選手のようなハルジオンも、もとは園芸用の植物として日本に取り入れたものだ。マツヨイグサやベンンケイソウも園芸植物出身とは思えないような堂々たる雑草ぶりである。

・図鑑でホトケノザと紹介されているのはシソ科の別の植物で、七草のほとけのざは春先に小さな黄色い花を咲かせるコオニタビラゴというキク科の雑草を指している。

・ロゼット(ナズナ、ハハコグサ、コオニタビラコの3種はロゼットで冬を越す雑草)の下にエネルギーを蓄える。
 植物は寒いところで育つと、葉が凍らないように糖分などを蓄える。厳しい寒さを乗り越えたナズナの葉を、葉の見てくれは悪くても、甘くなる。寒さを経験しているだけ味があるということなのである。

・寒中に咲いて客(虫)を独占
 動いている昆虫は少なくても、咲いている花も少ないので客を独占することができるのである。

・左型と右型のあるミズアオイの花
 右型の花に昆虫が来ると、右側に雄しべがあるので昆虫の右側に花粉がつく。この昆虫が飛び立って左型の花に行くと今度は右側に雌しべがあるので、雌しべに花粉がつく。そして左型の雄しべは左側にあるので花粉は昆虫の左側につき、この昆虫がが再び右型を訪れると今度は左型の花粉が右型の雌しべにつく。つまり、右型の花粉が左型の雌しべに、左型の花粉が右型の雌しべにつくように仕組まれているのだ。これこそが多様性(ダイバーシティ)を生むために他ならない。同じものどうしの組み合わせは似たようなものしか生まない。異能集団であり続けるために、異なるタイプとうしが組むのである。

・なぜアイルランドで飢餓が起ったのか? ジャガイモの話
 1845年、アイルランドではジャガイモの疫病が突如として大流行し、記録的な気がとなった。200万人もの人間が餓死し、国外へ脱出する人が後を絶たなかった。この時、新大陸へ移住した人々が、後のアメリカの繁栄を支えることになったという歴史を動かした大事件である。この飢餓の原因ははっきりしている。アイルランドで栽培されていたジャガイモは1種だけだったのである。そのため、1つの病気にいっせいに罹患することになった。人間が人為的に選抜した作物という集団では時としてこのようなことが問題になる。いくら優秀であっても個性のない金太郎アメの集団では、想定外の事態に陥った時、極端なもろさを露呈してしまうのである。雑草はこのばらばらであることを重視している。

・ノンビリ屋の種子をわざと作るカラスムギ
 快適な条件であっても眠ったままのひねくれ者や、後からゆっくり芽をだすノンビリ屋がいるから、先発隊にもしものことがあっても、次々に他の種子が芽を出し続けて補完することができるのである。これが「不斉一発生」と呼ばれる仕組みである。だから人間からすれば、草取りを完全にやったつもりでも、雑草の芽は後から後からだらだらと出てきて嫌われる。イネ科雑草のカラスムギやタイヌビエでは穂の位置によって種子の大きさが違い、それぞれ休眠の程度も違う。穂の根元にできた種子は早く大きく発芽するのに対し、穂の先にできた種子は小さく休眠が深いのである。ひっつき虫の別名で知られるオナモミは1つの果実の中に、休眠性の異なる2うの種子が対になて入っている。1つの種子は休眠が浅くすぐに目を出すのに対し、もう1つの種子は休眠が深く、なかなか芽を出さないようになっていて役割を分担している。いずれも発芽をばらばらにするためのシステムである。

・雑草は自力と他力を使い分ける
 自分の花粉で自分が受精する自家受粉を回避しなければならない。オオバコは1つの穂の中に雌花と雄花を持っているが、雌花のほうが先に咲き雄花は時期が遅れて咲くようになっている。「雌性先熟」と呼ばれるシステムである。もちろん「雄性先熟」もある。あるいは「自家不和合性」と呼ばれるシステムもある。これは自分の雌しべには自分の花粉がついて場合、化学物質などを分泌させて自分の来ア分の発芽や成長を阻害するのである。このような複雑なしくみを発達させながら、植物は自殖を回避し他殖を優先させている。しかし、他殖にも欠点もある。その1つは、相手がいないと交配することができないということである。もう1つの欠点は、コストがかかるということである。昆虫に花粉を運んでもらう花であれば昆虫を寄せるために花びらをつけたり、花を大きく見せたりしなければならない。また、昆虫の餌となる蜜も必要にである。このように他殖では余分なコストがかかってくる。しかも、それだけのコストを払っても交配できない可能性もあるのである。そのため、雑草では自分の雌しべに自分の花粉をつけて受精する自殖を発達させている。自殖ができるということは、雑草の持つ大きな利点の1つである。

・個人主義と村社会-都会と田舎のタンポポ
 タンポポの在来種と外来種とを見分けるポイントは、花の下側にある総包外片である。外来種は総包外片が反り返るが、在来種は総包外片が反り返らない。
 環境が破壊され在来種が生存できなくなった場所に、外来種は侵入して分布を広げているのである。勢力が強いところではセイヨウタンポポはなかなか侵入できない。これがタンポポの分布が都市と郊外に分かれる要因である。
 セイヨウタンポポは花粉が雌しべにつくことなしに種子をつけることができる。つまり、パートナーがいなくても一個体で種子を作ることができるのである。「単為生殖」と呼ばれる繁殖方法である。だからコンクリートに隙間に堕ちた種子が花を咲かせれば、一個体でも子孫を残すことができるのだ。言ってみれば都市部の外来タンポポは個人主義、農村部の在来タンポポは集団主義なのである。

・自殖の種子は手元に、他殖の種子は新しい土地へ

・セイヨウタンポポ-遺伝子を乗っ取る盗賊集団
 セイヨウタンポポの花粉が在来タンポポにつくと、交配して雑種の種子を作ってしまうのである。郊外で外来タンポポが増えているのは、在来タンポポの遺伝子をうまく取り入れながら子孫を増やしていたからなのである。一方的遺伝子を奪っているのでセイヨウタンポポは「盗賊種」と呼ばれている。可愛らしい花とは裏腹に、タンポポ界では手段を選らばぬ仁義なき戦いが繰り広げられているのである。

・根を下ろした場所で一生を全うする
 植物は固着性のために周辺環境への適応力を発達させたのである。
 植物は自らの成長に必要なエネルギーを、土の中の養分と水と空気からすべて作ってしまう。

・1平方メートルあたり7万5千粒の種子が待機
 雑草の生活戦略は「休眠」からスタートする。雑草が生産した膨大な種子のうち、大部分は発芽せずにこうして土の中に貯蓄されシードバンクを構成する。植物の種子の発芽に必要な条件は、空気と水と温度の3つである。しかし、雑草の種子はこの3つの条件を満たしても芽をださないことが多い。雑草の種子は芽を出すために、もっとも大切なことがあることを知っているからなのだ。その大切なものは、タイミングである。このタイミングによって雑草の成功が決まると言っても過言ではない。雑草の発芽にとって重要なことは、そこに他の植物が繁茂していないことにある。ギャップの存在をおしえてくれるシグナルが光である。1粒の雑草の種子が日の当たらない暗い土の中にいる。じっと発芽のタイミングを見計らっていながら準備を整えている。そして、チャンスが訪れる時を息を殺して待っている。突然、天地がひっくり返るような劇的な変化が起こり、目の前に光が射し込んでくる。まさに時は来たりである。「今だ!」とばかりに1粒の種子は発芽を開始し、他のどの種子よりも早く地上に芽をだすことに成功する。

・冬の寒さを経験しない雑草に春は来ない
もし、雑草の種子が温度だけを感じて芽を出してしまったらどうだろう。秋にだって暖かい日もある。温度だけで判断をすれば、種子は、春がきたものと勘違いして芽を出してしまう。そして、冬の寒さを知らずに芽を出した雑草は春を迎えることができない。だから種子は見せかけの暖かさにぬか喜びすることなく、じっと冬の寒さを感じているのである。

・走り出したら猛スピード
 成長の基礎を築く「発芽」「出芽」「定着」3つの段階
ナポレオン1世の言葉
「時間をかけてじっくり考えよ。しかし、行動に移すときがきたら、何も考えずに飛び込んでいけ」

・タンポポは一夜城をつくる
 花茎を早く成長させるために
 ・葉をできるだけ持たない
 ・茎の中が空洞になっている(素早く茎を伸ばすために)

・大輪よりも小さい花をたくさん-タンポポの機能美
 タンポポは1つの花にように見えるがそうではない。じつはごく小さな花がたくさん集まって1つの花のように見せている。よく見るとちゃんと花びらと雄しべ雌しべを持っている。

・オオノイヌフグリが咲き出すのは、春の足音が聞こえだす早春、昆虫たちも長い冬を終えてやっと活動を始める頃である。4枚の花びらにも、やはり中央へ向かってガイドラインが引かれている。それを頼りに小さな昆虫が訪れるのである。すると花の中は昆虫にとって実に居心地の良い条件が整えられている。パラボナアンテナのように開かれた花びらが、太陽の光を巧みに集めて花の中の温度を暖かくしているのである。昆虫たちはその暖かさで行動的になり活発に花の中で動き回るのである。

・しかし、昆虫だけに頼らない-ツユクサの自立作戦
 ツユクサの花は、昆虫の訪れを待って花を咲かせているが、ついに昆虫が訪れない場合は、しぼむ直前に雄しべが内側に曲がって自分の雌しべに花粉をつける。「自動自家受粉」と呼ばれている。

・分布を広げる唯一のチャンス
 雑草の種子の広め方はD1からD4という4つの方法に分類されている。
 D1タイプ;風にのせる方法である。タンポポの綿毛のように風に乗る仕組みを持っているものの他にも、種子のサイズを小さく軽くして風に乗りやすくしているものも多い。
 D2タイプ;人や動物によって運ばれる方法である。オナモミやセンダングサのように鍵状の刺を持っていたり、オオバコのようにねばねばする液体をつけていたり。
 D3タイプ;はじけて飛ばす方法である。カタバミやタネツケバナなどは実がはじけて種子を飛ばす。
 D4タイプ;何のしかけもなく重力落下する方法であるが、はっきりとこのタイプに分類される雑草は少ない。実際には、軽くて水に浮きやすく、雨水に流されて散布されていたり、種子が小さいので風で散布されたりしているものが多い。

・スミレは昆虫の力を借りる
 スミレの種子には「エライオソーム」というゼリー状の物質が付着している。これがアリの餌になるのである。アリはエライオソームを餌とするために種子を自分の巣に持ち帰る。このアリの行動によって種子は遠くへ運ばれる。エライオソームを食べ終わると、そこには種子だけが残る。その種子はアリには食べられないゴミに過ぎない。巣の中にあっても邪魔なので、アリはその種子を巣の外へ持ち出して捨ててしまうのだ。その上、アリのごみ捨て場所には、植物の食べかすなどが捨てられているから、水分も栄養分も豊富に保たれているといオマケつきである。スミレの種子はこうして見事に移動しながら繁栄しているのである。

・雑草学者として著名なベーカーは、この雑草性を「理想的な雑草の特徴」として次の12の項目にまとめている。
1.種子に休眠性を持ち、発芽に必要な環境要求が多要因で複雑である。
2.発芽が不斉一で埋土種子の寿命が長い。
3.栄養成長が早く、速やかに開花に到ることができる。
4.生育可能な限り、長期に渡って種子生産する。
5.自家和合性であるが、絶対的な自植生やアポミクティックでない。
6.他家受粉の場合、風媒かあるいは虫媒であっても昆虫を特定しない。
7.好適条件下においては種子を多産する。
8.不良環境下でもいくらかの種子を生産することができる。
9.近距離、遠距離への巧妙な種子散布機構を持つ。
10.多年生である場合、切断された栄養器官からの強勢な繁殖力と再生力を持つ。
11.多年生である場合、人間の撹乱より深い土中に休眠芽をもつ。
12.種間競争を有利にするための特有の仕組みを持つ。

・雑草とは人間が雑草扱いしてはじめて雑草となるのである。

感想
雑草とは、人が名づけているだけ。
それぞれの植物は必死に生き残るために工夫して来たのだということを知りました。
多くのことを教えてくれたように思います。

https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/b99d6c91bfad9f908fc9b91647e20570
「雑草はなぜそこに生えているのか-弱さからの戦略」稲垣栄洋著 ”ナンバー1になるにはオンリー1”