https://news.yahoo.co.jp/articles/8ed4cd764db37c30d68a054d343c857bbdf44a96 9/5(月) 11:01JBpress(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐる問題に対応する政府の「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」は、今月5日から30日までを「相談集中強化期間」として、フリーダイヤルの合同電話相談窓口を開設する。先週末の2日に、会議を主宰する葉梨康弘法務大臣が記者会見で明らかにした。
これで国を挙げて、統一教会のいわゆる霊感商法などの不法行為の相談や被害者救済にあたることになった。
■ 「被害者救済」集中期間のさ中に国葬
ところが、この電話相談窓口を設けた「相談集中強化期間」も大詰めを迎える27日には、日本武道館で安倍晋三元首相の「国葬」が行われる。
その安倍氏は、ちょうど1年前の昨年の9月、統一教会の創始者である文鮮明の妻で、現在の教団の総裁である韓鶴子が主宰する関連団体「天宙平和連合」にビデオメッセージを送って、こう明言していた。
「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」
国を挙げて集中的に国民の被害救済に取り組んでいる期間中に、その加害者団体の首領を称賛する首相経験者を「国葬」にする。こんなに頓珍漢な話もない。しかも、どちらにも国民の税金が使われる。日本国民を食い物にする日本の敵に味方して、宣伝にも使われたはずの人物に、国費を注ぎ込んで葬式を出す意味もわからなければ、その被害の尻ぬぐいを背負わされる。理不尽とはこのことだ。
こんな愚かで歪んだ状況を招いたのは岸田文雄首相であることはいうまでもないが、ところが本人はそのことに気付いてさえいないようだ。
■ これで「しがらみを捨て、関係を絶つこと」が可能なのか
岸田首相は、新型コロナウイルスに感染した療養明けの8月31日の記者会見で、まず統一教会に触れ、閣僚を含めた自民党国会議員との関係に疑念をもたれていることを「自民党総裁として率直におわびを申し上げます」とした上で、こう述べている。
「国民の皆様の疑念、懸念を重く受け止め、自民党総裁として茂木幹事長に対し、先週来、3点指示をいたしました。
第1に、党として説明責任を果たすため、所属国会議員を対象に当該団体との関係性を点検した結果を取りまとめて、それを公表すること。
第2に、所属国会議員は、過去を真摯に反省し、しがらみを捨て、当該団体との関係を絶つこと。これを党の基本方針として、関係を絶つよう所属国会議員に徹底すること。
第3に、今後、社会的に問題が指摘される団体と関係を持つことがないよう、党におけるコンプライアンスチェック体制を強化すること。
自民党として説明責任を果たし、国民の皆様の信頼を回復できるよう、厳正な対応を取ってまいります」
その第1にあげた党所属国会議員と統一教会との関係性の点検は、先週末2日までにまとめて公表するはずが、間に合わなかった。国会議員に提出を求めた調査票の回答にあいまいな記述が多く、確認作業が必要なためだとう。国会議員が、「過去を真摯に反省」していないことの証左だ。それで、「しがらみを捨て、関係を絶つこと」ができるのか、疑わしい。
■ 安倍氏と教団の関係検証について「死人に口なし」との態度
岸田首相は会見で、統一教会についてそう述べたあと、舌の根も乾かぬうちに、安倍氏の「国葬」についての言及をはじめた。
「民主主義の根幹たる国政選挙を6回にわたり勝ち抜き、国民の信任を得て、憲政史上最長の8年8カ月にわたり重責を務められたこと。第2に、東日本大震災からの復興や、日本経済の再生、日米関係を基軸とした戦略的な外交を主導し、平和秩序に貢献するなど、様々な分野で歴史に残る業績を残されたこと。第3に、諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定、公共施設のライトアップを始め、各国で様々な形で国全体を巻き込んでの敬意と弔意が示されていること。第4に、民主主義の根幹である選挙活動中の非業の死であり、こうした暴力には屈しないという国としての毅然たる姿勢を示すこと。国葬儀を執り行うとの判断に至った理由をこのように説明してきました」
「もとより、今回の国葬儀の開催は、国民に弔意を強制するものではありませんが、様々な御意見とともに、説明が不十分との御批判を頂いております。国葬儀の実施を判断した総理大臣として、そういった御意見、御批判を真摯に受け止め、正面からお答えする責任があります。政権の初心に帰って、丁寧な説明に全力を尽くしてまいります」
岸田首相のいうように「憲政史上最長の8年8カ月にわたり重責を務められたこと」すなわち政権を維持したことは、確かに「記録」ではあるが、いま問われているのはその実態だ。安倍氏が首相を務めた8年8カ月の間に、統一教会との関係が深まっていったとする様々な事情が指摘されている。私も知っている(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71279)。疑念の根本はそこにある。
だが、岸田首相はこの時点で統一教会と「国葬」は切り離して説明している。
そこに記者からの質問が飛ぶ。統一教会との関係を絶つというのなら、安倍氏との関係を検証する、見直す考えはないのか、と。
それに対する岸田首相の返答は、以下の言葉に尽きた。
「御指摘の点については、安倍(元)総理がどのような関係を持っておられたのか、このことについては、御本人が亡くなられた今、十分に把握するということについては、限界があるのではないかと思っています」
つまり、その考えはない、ということだ。少なくとも、私にはそう聞こえた。もっと言えば「死人に口なし」と言っているようなものだ。
■ 教団との関係、最も深かったのは安倍氏ではなかったのか
「国葬」に反対する主張としては、「国葬」の法的根拠が曖昧であったり、基準が定かでなかったり、予算についてもおよそ2億5000万円を予備費から支出することを閣議決定したばかりだが、ここに警備費や外国要人をおもてなしする接遇費が入っておらず予算規模が把握でいなこと、そもそも「国葬」を内閣府設置法に定める「国の儀式」にして閣議決定だけで推し進め、国会審議が尽くせていないことなどがあげられる。真面目なメディアはそちらを強調して、岸田首相もそのあたりのことを「丁寧な説明に全力を尽くして」いくつもりのようだ。
だが、世論調査を見ても明らかなように、当初は安倍氏の「国葬」に「賛成」が多かったものが、その後「反対」の声が大きくなっていったのは、安倍氏と統一教会の関係が表沙汰になったからだ。
安倍氏を襲った山上徹也容疑者(41)は、母親が統一教会にのめり込み、多額の献金をして家庭が崩壊。教団への恨みが、韓鶴子総裁を称賛する安倍氏のビデオを観たことによって、安倍氏への殺意に置き換わっていったとされる。そのことから、はじめのうちは“どこ吹く風”とばかりに教団との関係性を疎んじていた自民党も、世論の厳しい風当たりに、ここへ来て豹変せざるをえなくなった。それが前述の岸田首相の会見での“お詫び”に表れている。
「御本人が亡くなられた」から話を聞けないのではなく、もうすでに安倍氏が統一教会の首魁を表敬するビデオが白日の下に晒されている。自民党との関係を点検するのであれば、これほどわかりやすく明確な証拠はない。長期政権を担った立場や重責からしても、もっとも糾弾されるべきは安倍氏のはずだ。
■ 表向きは「関係清算」でも実はしっかり「統一教会隠し」
自民党がいま実施していることは、現役の国会議員と統一教会の関係を確認して、清算することだ。そこには、秘書や事務所関係者は含まれない。まして、過去を総ざらいしないことには、政治に統一教会の影響がどこまで及んでいたか、未解明のままだ。たとえば、教団の名称変更について、当時の文部科学大臣政務官だった山本朋広衆議院議員の関与は検証されていない。それは、以前にも書いた。山本氏は韓鶴子総裁を「マザームーン」と讃えた人物だ。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71575)
問題の本質は、統一教会によって政治や政策が歪められたことの有無の検証にあるはずだ。日本の首相経験者が、日本国民を苦しめ、財産や魂までも略取する加害者団体のボスを称賛するようなことがあっていいはずがない。その被害者救済をいまごろになって国がやるとは、尻ぬぐいにもほどがある。
いま「国葬」について説明が求められているのは、その人物が「国葬」にふさわしいのかどうかだ。手続き論ではない。
安倍氏と統一教会の関係を「死人に口なし」で葬り去り、そこを無視して「国葬」に踏み切るのであれば、それこそ政府、自民党による最大の統一教会隠しである。
感想;
多くの犠牲者を出している団体に積極的に協力して来られた安倍元首相は、売国行為そのものではないでしょうか?
そういう人を国葬することはおかしいです。
日本に貢献せず、日本を犠牲強いてきたのですから。
岸田首相の判断ミスは明らかなように思います。
国葬を決めた時、旧統一教会の問題が根深い大きな問題だったことまで想像できなかったのでしょう。
判断ミスの岸田首相、これからも判断ミスが続きそうです。
その犠牲者は国民です。
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐる問題に対応する政府の「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」は、今月5日から30日までを「相談集中強化期間」として、フリーダイヤルの合同電話相談窓口を開設する。先週末の2日に、会議を主宰する葉梨康弘法務大臣が記者会見で明らかにした。
これで国を挙げて、統一教会のいわゆる霊感商法などの不法行為の相談や被害者救済にあたることになった。
■ 「被害者救済」集中期間のさ中に国葬
ところが、この電話相談窓口を設けた「相談集中強化期間」も大詰めを迎える27日には、日本武道館で安倍晋三元首相の「国葬」が行われる。
その安倍氏は、ちょうど1年前の昨年の9月、統一教会の創始者である文鮮明の妻で、現在の教団の総裁である韓鶴子が主宰する関連団体「天宙平和連合」にビデオメッセージを送って、こう明言していた。
「韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」
国を挙げて集中的に国民の被害救済に取り組んでいる期間中に、その加害者団体の首領を称賛する首相経験者を「国葬」にする。こんなに頓珍漢な話もない。しかも、どちらにも国民の税金が使われる。日本国民を食い物にする日本の敵に味方して、宣伝にも使われたはずの人物に、国費を注ぎ込んで葬式を出す意味もわからなければ、その被害の尻ぬぐいを背負わされる。理不尽とはこのことだ。
こんな愚かで歪んだ状況を招いたのは岸田文雄首相であることはいうまでもないが、ところが本人はそのことに気付いてさえいないようだ。
■ これで「しがらみを捨て、関係を絶つこと」が可能なのか
岸田首相は、新型コロナウイルスに感染した療養明けの8月31日の記者会見で、まず統一教会に触れ、閣僚を含めた自民党国会議員との関係に疑念をもたれていることを「自民党総裁として率直におわびを申し上げます」とした上で、こう述べている。
「国民の皆様の疑念、懸念を重く受け止め、自民党総裁として茂木幹事長に対し、先週来、3点指示をいたしました。
第1に、党として説明責任を果たすため、所属国会議員を対象に当該団体との関係性を点検した結果を取りまとめて、それを公表すること。
第2に、所属国会議員は、過去を真摯に反省し、しがらみを捨て、当該団体との関係を絶つこと。これを党の基本方針として、関係を絶つよう所属国会議員に徹底すること。
第3に、今後、社会的に問題が指摘される団体と関係を持つことがないよう、党におけるコンプライアンスチェック体制を強化すること。
自民党として説明責任を果たし、国民の皆様の信頼を回復できるよう、厳正な対応を取ってまいります」
その第1にあげた党所属国会議員と統一教会との関係性の点検は、先週末2日までにまとめて公表するはずが、間に合わなかった。国会議員に提出を求めた調査票の回答にあいまいな記述が多く、確認作業が必要なためだとう。国会議員が、「過去を真摯に反省」していないことの証左だ。それで、「しがらみを捨て、関係を絶つこと」ができるのか、疑わしい。
■ 安倍氏と教団の関係検証について「死人に口なし」との態度
岸田首相は会見で、統一教会についてそう述べたあと、舌の根も乾かぬうちに、安倍氏の「国葬」についての言及をはじめた。
「民主主義の根幹たる国政選挙を6回にわたり勝ち抜き、国民の信任を得て、憲政史上最長の8年8カ月にわたり重責を務められたこと。第2に、東日本大震災からの復興や、日本経済の再生、日米関係を基軸とした戦略的な外交を主導し、平和秩序に貢献するなど、様々な分野で歴史に残る業績を残されたこと。第3に、諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定、公共施設のライトアップを始め、各国で様々な形で国全体を巻き込んでの敬意と弔意が示されていること。第4に、民主主義の根幹である選挙活動中の非業の死であり、こうした暴力には屈しないという国としての毅然たる姿勢を示すこと。国葬儀を執り行うとの判断に至った理由をこのように説明してきました」
「もとより、今回の国葬儀の開催は、国民に弔意を強制するものではありませんが、様々な御意見とともに、説明が不十分との御批判を頂いております。国葬儀の実施を判断した総理大臣として、そういった御意見、御批判を真摯に受け止め、正面からお答えする責任があります。政権の初心に帰って、丁寧な説明に全力を尽くしてまいります」
岸田首相のいうように「憲政史上最長の8年8カ月にわたり重責を務められたこと」すなわち政権を維持したことは、確かに「記録」ではあるが、いま問われているのはその実態だ。安倍氏が首相を務めた8年8カ月の間に、統一教会との関係が深まっていったとする様々な事情が指摘されている。私も知っている(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71279)。疑念の根本はそこにある。
だが、岸田首相はこの時点で統一教会と「国葬」は切り離して説明している。
そこに記者からの質問が飛ぶ。統一教会との関係を絶つというのなら、安倍氏との関係を検証する、見直す考えはないのか、と。
それに対する岸田首相の返答は、以下の言葉に尽きた。
「御指摘の点については、安倍(元)総理がどのような関係を持っておられたのか、このことについては、御本人が亡くなられた今、十分に把握するということについては、限界があるのではないかと思っています」
つまり、その考えはない、ということだ。少なくとも、私にはそう聞こえた。もっと言えば「死人に口なし」と言っているようなものだ。
■ 教団との関係、最も深かったのは安倍氏ではなかったのか
「国葬」に反対する主張としては、「国葬」の法的根拠が曖昧であったり、基準が定かでなかったり、予算についてもおよそ2億5000万円を予備費から支出することを閣議決定したばかりだが、ここに警備費や外国要人をおもてなしする接遇費が入っておらず予算規模が把握でいなこと、そもそも「国葬」を内閣府設置法に定める「国の儀式」にして閣議決定だけで推し進め、国会審議が尽くせていないことなどがあげられる。真面目なメディアはそちらを強調して、岸田首相もそのあたりのことを「丁寧な説明に全力を尽くして」いくつもりのようだ。
だが、世論調査を見ても明らかなように、当初は安倍氏の「国葬」に「賛成」が多かったものが、その後「反対」の声が大きくなっていったのは、安倍氏と統一教会の関係が表沙汰になったからだ。
安倍氏を襲った山上徹也容疑者(41)は、母親が統一教会にのめり込み、多額の献金をして家庭が崩壊。教団への恨みが、韓鶴子総裁を称賛する安倍氏のビデオを観たことによって、安倍氏への殺意に置き換わっていったとされる。そのことから、はじめのうちは“どこ吹く風”とばかりに教団との関係性を疎んじていた自民党も、世論の厳しい風当たりに、ここへ来て豹変せざるをえなくなった。それが前述の岸田首相の会見での“お詫び”に表れている。
「御本人が亡くなられた」から話を聞けないのではなく、もうすでに安倍氏が統一教会の首魁を表敬するビデオが白日の下に晒されている。自民党との関係を点検するのであれば、これほどわかりやすく明確な証拠はない。長期政権を担った立場や重責からしても、もっとも糾弾されるべきは安倍氏のはずだ。
■ 表向きは「関係清算」でも実はしっかり「統一教会隠し」
自民党がいま実施していることは、現役の国会議員と統一教会の関係を確認して、清算することだ。そこには、秘書や事務所関係者は含まれない。まして、過去を総ざらいしないことには、政治に統一教会の影響がどこまで及んでいたか、未解明のままだ。たとえば、教団の名称変更について、当時の文部科学大臣政務官だった山本朋広衆議院議員の関与は検証されていない。それは、以前にも書いた。山本氏は韓鶴子総裁を「マザームーン」と讃えた人物だ。(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71575)
問題の本質は、統一教会によって政治や政策が歪められたことの有無の検証にあるはずだ。日本の首相経験者が、日本国民を苦しめ、財産や魂までも略取する加害者団体のボスを称賛するようなことがあっていいはずがない。その被害者救済をいまごろになって国がやるとは、尻ぬぐいにもほどがある。
いま「国葬」について説明が求められているのは、その人物が「国葬」にふさわしいのかどうかだ。手続き論ではない。
安倍氏と統一教会の関係を「死人に口なし」で葬り去り、そこを無視して「国葬」に踏み切るのであれば、それこそ政府、自民党による最大の統一教会隠しである。
感想;
多くの犠牲者を出している団体に積極的に協力して来られた安倍元首相は、売国行為そのものではないでしょうか?
そういう人を国葬することはおかしいです。
日本に貢献せず、日本を犠牲強いてきたのですから。
岸田首相の判断ミスは明らかなように思います。
国葬を決めた時、旧統一教会の問題が根深い大きな問題だったことまで想像できなかったのでしょう。
判断ミスの岸田首相、これからも判断ミスが続きそうです。
その犠牲者は国民です。