・あらゆるカウンセリングに共通する基本技法、それは、一言で言えば、
リレーション(こころとこころのつながり、気持ちと気持ちのつながり)を作っていく
言い換えるなら
「私は、この人と気持ちがつながっているなぁ」
「この人には、安心して話ができるなぁ」
「この人とは、気持ちが一つになって、同じこころの世界を味わえているなぁ」
「この人は、私の気持ちを、こころのひだまで、ていねいにわかってくるようとしているなぁ」
・リレーションを作るには-カウンセリングの基礎的な三つの技法
①「うなずき・あいづち」
②「伝え返し」(リフレクション)
③「こころのつぶやき」(感情の自己開示)
・カウンセリング
①治療・解決的なカウンセリング
②予防的カウンセリング
③成長支援的カウンセリング
・傾聴における三つの基本姿勢
①余計なことを言わない
②解決しようとするな。わかろうとせよ
③善悪を問わない。価値評価をしない
・傾聴で、「ただ、わかってもらえる」と、人は、自分の「こころの声」を聴いていく
・カウンセリングの基本形-三つの段階を踏む
①関係形成期(ラポール形成/心と心のつながりをつくる段階)
②事故探索期(自分を深く見つめる段階)
③行動計画期(アクション・ステップ/これからどうすればいいか、実際の行動を計画する段階)
・6種類のカウンセリング・プロセス
1)まず見立てを行う
2)カウンセリングの六つの種類
①自分を見つめるカウンセリング(自己探索的/内省的カウンセリング)
②つらさをしのぐカウンセリング
③現実を受け入れ(あきらめ)ていくカウンセリング
④目標達成志向のカウンセリング(人生の目標や願望の実現、問題の解決、症状や痛みの除去/緩和など、クライアントが掲げた目的の達成を直接目指すカウンセリング)
⑤つなぐカウンセリング
⑥コンサルテーション(作戦会議、たとえばカウンセラーのクラス担任の教師が、問題を抱えている生徒にどう抱えばいいか具体的な方法を話し合う)
・面接の前に-カウンセリングの「五つの枠」を整えておく
1)「時間の枠」
2)「空間の枠」
3)「ルールの枠」
4)「料金の枠」
5)「こころの枠」
①カウンセラーの安定感-「こころの揺れ幅」が小さいこと。低く安定した重心を保つこと
②カウンセラーのとらわれのなさ-「自由なこことの動き」を保証する
・インテーク面接
1)インテーク面接とは
①クライアントの問題はどのような問題で、病態水準はどのようであるのかを見定め、
②その相談機関で受け入れ可能であるかどうか、
③ほかの相談機関や医療機関に紹介(リファー)するのなら、どのような相談機関や医療機関がよいか、
④どのような方針のカウンセリングが必要か、
⑤誰が担当するのがいいか、 を決めていくための面接です。
2)「一人職場」では、インテークは90~120分くらいは必要
3)インテーク担当はベテランが受け持つほうが良い
4)受け持っているクライアントが多い場合、どうするか
5)30分早く来てもらい、申込用紙に記入してもらう
6)主訴について
7)家族構成
8)見立てと今後の方針
9)インフォームド・コンセント
・カウンセラーが、自分自身の内側に響かせながら、伝え返しをしていく(クライアント中心療法、フォーカシング)
・「あなたの内側にある」「何か」といった言葉を使って、クライアントの意識が内側に向くように誘う(フォーカシング)
・内側に響かせてみるように促す(リソネイトしてもらう/フォーカシング)
・「深い傾聴」(クライエント中心療法/フォーカシング)
・インターラクティヴ・リスニング&フォーカシング(二重の共感の時)
・「より深いこころのつぶやき技法」(フォーカシング/ハコミセラピー)
・クライアントの「夢」を聴く(ユング心理学/プロセスワーク/夢フォーカシング)
・クライアントに自分の「動作」に意識を向けてもらう(プロセルワーク/ゲシャルト療法)
・エンプティ・チェア(プロセルワーク/ゲシャルト療法)
・転移-逆転移(精神分析)
・「シンクロニシティ(共時性)」「コンステレーション(布置)」という視点からクライアントの語るストーリーを見ていく(ユング心理学/プロセスワーク)
・中期における注意点
1)「カウンセリングを週に2回に増やしてほしい」、もしくは「月に1回に減らしてほしい」など、面接頻度の変更を求められた場合、どうするか
2)「本当にこんなこと続けていて意味があるでしょうか」とクライアントがたずねてきた場合、どうするか
・認知行動療法
後期の課題達成のために役に立つのは、何といっても、行動療法、認知行動療法でしょう。これらの療法は、「内面世界」を扱うのはあまり得意でないけれども、外界(現実世界)での具体的な課題達成のための技術を豊富に持っています。
・(カウンセリングの)終結の目安
①「主訴」が解消した(例;不登校だった子どもが学校に行けるようになった)
②「主訴」は解消していないけれど、本人から見ても、カウンセラーから見ても「なんとか自分でやっていける」ような感じになった(例;相変わらず学校には行けていないが、前は「こんな自分は生きていく価値もない」と自分を責めて、抑うつ状態になっていたが、今は毎日安定した気持ちで充実した時間を過ごしている)
③精神状況(例;他の人のことが気になって仕方がない)や身体症状(例;めまいがする。胸のあたりに突き刺されるような痛みがある)が消失した。
④目標行動がとれるようになった(例;人前で震えず話せるようになった。異性とリラックスして話ができるようになった)。
・終結について、こんな考え方もあります。
カウンセリング
を受け続けていると、クライアントは自分のなかに「うちなる治療者像(うちなるカウンセラー像)を持つようになるので、実在するカウンセラーと会う必要はなくなるのだ、と。
・カウンセリングの
体系と学び方
A カウンセラーの自己(こころ)⇒教育分析やワークショップなどでの体験学習
B カウンセリングの理論と哲学⇒講義・読書
C カウンセリング技法のトレーニング
D カウンセリングの実践⇒事例検討+スーパービジョン
感想;
誰かに話をする。それだけでも自分の考えていることをまとめることになります。
話していると自分で解決方法に気付いたり、ヒントが浮かんだりします。
そしてダイヤローグでの気付きもあります。
内なる心にカウンセラーを住まわせると、そのカウンセラーとの対話ができます。
自己距離化にもなるかもしれません。
自分のことを冷静に、客観的に見てみるのです。
クリスチャンは、自分の心にイエス・キリストを住まわせて、大切な時に必ず尋ねることをしている方もおられます。
祈りの行為もその一つだと思います。
そうすると聖句の言葉が浮かび、そして選択する道が示されるかもしれません。
セルフカウンセリングは自己管理であり、自分により良い選択肢をするお手伝いをしてくれるのではないでしょうか。
本は精読しなくても、何か一つでも役立つことがあればそれだけでも本を読む、本から学ぶ価値があるように思います。