・破壊的カルトの反社会性の特徴
1)虚偽と欺瞞の組織
2)入会・脱会の自由剝奪
3)組織のトップとメンバーとの間の支配。隷属的関係
4)公共の利益と福祉に反する活動
・多くの破壊的カルトが、新メンバーを勧誘する際に、「表」と「裏」のある組織の二重構造や反社会的特徴に気づかせにくくしたり、その「悪事」と見える行動を、メンバーには特有の論理でもって正当化し、納得させているという理由である。
・人民寺院事件 メンバー900人以上が集団殺人自殺(1978年11月18日)
・ブランチ・ダビディアン事件 94人焼身自殺(1993年4月19日)
・「洗脳」の三過程
1)解凍の過程 個人のそれまでいだいてきた信念やアイデンティティを攻撃して崩壊させる。
2)変革の過程 新たな信念やアイデンティティに関する情報を注入し形成させる。
3)再凍結の過程 新たに形成させた信念やアイデンティティを強化・発達させ、定着させる。
・パトリシア・キャンベル・ハースト事件 誘拐、洗脳、犯罪(1974年4月23日)
・「洗脳」とは、長時間、個人を拘禁状態において拷問したり、薬物を投与したりして、個人の精神構造を、強制的に生理的に変化させるものであった。・・・
通常、多くの破壊的カルトが用いるマインド・コントロールの技術はもっと洗練されていて、物理的にはっきりとした身体的拘束を用いていないことが多い。・・・
それだけに、マインド・コントロールは、実は強力な影響力を発揮するものであっても、本人のみならず、周囲の人びとにも気づかれずに行使されていることが多いのである。
・意思決定過程の概念図
ビリーフ(記憶構造)
↓トップ・ダウン情報
意思決定の作業場
↑ボトム・アップ情報
五感(目・耳・鼻・口・皮膚)
これらをコントロールする。
人間の意志決定は、成功するとは限らないけれど、うまくゆけば、楽に早くできるかもしれないという方法をとることが多い。また実際にうまくゆくことも多い。
・辺報性 「相互に報い合う」
私たちは、お金、品物、愛情、奉仕、情報、名誉といった六資源に価値をおき、与えられた何かの資源に対して、等価になるように交換可能な資源を与えるという。
・コミットメントと一貫性
「ロー・ボール」
最初、だれでも承諾してくれそうな小さな要求をだして、それを承諾させてから、徐々に、だんだんと新しい要求を加えていって、そのたびに要求を承諾させて、最終的に計画通りの要求をだして、それに対する承諾をえようというものある。
・好意性
個人に好意を示してくれる相手に対して好意的な行動を示してしまう、というルールがある。
・希少性
ある対象に対して自由に選択の余地がない状況になると、自由度の広い状況のときよりも、魅力が高くなるという。
・権威性
人は権威者がいるとき、その人に行動の責任をあずけて、命令に自動的に服従しやすくなる。
・「ザ・ウェーブ」(実際の起きたことを映画化/簡単にナチス化するマインドコントロール)
・社会的隔離
勧誘者は被勧誘者を合宿に参加させ、その間、外部との連絡を認めないという方法を用いる集団もある。
・情報報管理
1)閉鎖集団
2)自由の拘束
3)プライミング情報
4)ゆがんだ情報処理
・感情の管理
1)外的回避
外部のある集団が自分たちを迫害し、攻撃し、組織をつぶそうとしたりしていると考えるようにさせられている。
2)離脱の恐怖
集団の外部ににいると何か不幸や危険なことが生じるといった恐怖感、いましか機会がないという切迫感、自分の力ではどうすることもできないという無力感を与えることがある。
3)カルトのアイデンティティ
個人はカルトに入ることによって社会的アイデンティティを獲得する。
・行動の管理
1)賞と罰
2)自己知覚
組織によって与えられた役割を一生懸命に演じていくうちに、自己の態度がその役割にそって変化する。
3)厳しい行動の連続とエスカレーション
メンバーは時間的、金銭的、対人的な拘束を受けている上に、過度の肉体疲労、切迫感の状況に置かれている。
・破壊的カルトは以下のようなストレス状況をつくる。
1)単調な生活
2)異性感情の抑制
破壊的活路のメンバーは、異性への思慕や性的欲求などを極端に抑制することを求められることが多い。ただし、一部の幹部や集団のトップには例外的に許されている場合が多い。
3)肉体疲労
メンバーに激しい活動を強いていることが多い。
4)切迫感
どんなに厳しい活動であっても、いまこそ集団での活動に邁進していかなくてはならない状況にあることを強調されている。
・破壊的カルトからの離脱のパターン
1)自力発見のケース
自らが何らかのきっかけを得て、組織の虚偽や実態に気づき、マインド・コントロールされていたことにも気づく結果となった場合に生じる。
2)幻滅のケース
組織の一部の活動に、期待はずれなものを認知したときに生じる。
3)追放のケース
組織の入内な規範を破ってしまったために、あるいは、身体的な異常をきたして、組織での活動を続けていけなくなったために、本人の意思とはうらはらに組織から出されてしまう場合がある。
4)逃亡のケース
組織の規範や活動の厳しさに耐えられず、離れるケース、あるいは、組織の規範を破ったため、組織からの制裁を恐れて離れるケース。
5)外部介入のケース
家族を中心にした外部の人びとによって、組織の虚偽や実態についての情報を呈示されて、気づくケース。
6)強制離散のケース
外部の力、特に法的な執行力によって、強制的に離散させるケース。
・脱会カウンセリングの重要なポイント
1)生理的充足
十分な静養をとらせることが重要である。
2)介入する理由-反社会性の指摘
どの点がなぜ問題であるのかを指摘する。
3)動機づけの形成
彼らの意思やおこなう行動に対して、なぜ他者が介入しようとしているのか、なぜ介入しなければならないと思っているのかを、彼ら自身に疑問を抱かせ、考えさせなければならない。
4)敵意と恐怖心の除去
メンバーをやめることは不幸の原因となり、悲惨な生活を余儀なくされるなどと信じ込まされている場合がある。元メンバーが、破壊的カルトから離脱して、現在、何事もなく暮らしているというだけでも、彼らが信じていたこととは矛盾している事実を突きつけることになる。
5)マインド・コントロールの説明
マインド・コントロールについて理解させる。
6)思想の矛盾や問題点
(カルトの思想を)精査しながら読めば、明らかに事実と矛盾する誤りやトリックによる欺瞞がみいだされる
7)過去の記憶
脱会カウンセラーのハッサンは、彼らに破壊的カルトのメンバーになる前のの行動や意思を思い出させることの有効性を主張している。
8)元のメンバーの体験
同じあるいは類似の破壊的カルトで活動した経験のある人の体験談は、それと自己の活動を比較し、その類似性から共感を生み出すことにつながる。
・脱会者の苦悩
1)情緒的混乱
(1)心的な空虚感、無気力感、消耗感
(2)情緒不安定
(3)自責
(4)後悔
(5)現実逃避
(6)自信の喪失
(7)孤独感
(8)拒否感
(9)今後の生活への不安
2)思考的混乱
(1)意思決定の困難
(2)柔軟性の欠如
(3)言葉のトラブル 破壊的カルトの内部では、新しい言葉をつくり出して、用いている。
(4)残余思考 「フローティング」
(5)条件反射 体が反射的に反応してしまうことがある。
3)仲間への懸念
4)家族とのトラブル
(1)無配慮・対立
(2)「ガラス張り」の苦悩
つい家族は見張ってしまう。
5)対人トラブル
(1)人間不信・引きこもり
(2)関係修復の困難
(3)「浦島太郎」状態
・マインド・コントロールは、私たちの社会において、私たち自身が気づきにくいところで実践される。破壊的カルトは、私たち自身やその周囲にいる大切な人々を、私たちが守り発展させようと努力している社会とは「異なる社会」へと、マインド・コントロールによって知らぬ間に連れ去ってしまう。そして、その連れ去った私たちの大切な人々を先兵にして、破壊的カルトは、私たちの大切な社会の秩序を脅かすのである。
感想;
マインド・コントロールはカルト宗教の誘いだけでなく、様々なところに使われているのです。
振り込め詐欺も、マインドコントロールと言えるでしょう。
オレオレ詐欺など含む特殊詐欺の昨年度の被害総額361億円です。
旧統一教会の日本での献金から毎年韓国に300億円送られていたそうです。
それだけでなく、日本の農家になかなか嫁が来ない現状ですが、日本女性が韓国の貧農に集団結婚で嫁いでいます。
韓国に暮らす在留日本人女性はおよそ2万5000人(平成29年)のほとんどが旧統一教会員と言われています。
韓国では旧統一教会に入れば、日本人の女性と結婚できるとの目的で貧農の男性が入会するそうです。
まさにマインドコントロールの怖さです。
自分が被害者になっていてもおかしくないのです。
宗教も信じるに値する宗教を信じたいです。
1)「愛が偽りに終わるとき」 山崎浩子著
統一教会に入ったこと、脱退したこと
2)「我らの不快な隣人-統一教会から救出されたある女性信者の悲劇-」 米本和弘著書
脱洗脳が上手く行き時と行かない時、韓国で暮らす女性それぞれの人生
3)「Nの肖像 - 統一教会で過ごした日々の記憶-」 仲正 昌樹
統一教会に入会し、ドイツにも派遣され、韓国での集団結婚式にも出たが疑問に思い脱退した金沢大学の教授
統一教会に入ったこと、脱退したこと
2)「我らの不快な隣人-統一教会から救出されたある女性信者の悲劇-」 米本和弘著書
脱洗脳が上手く行き時と行かない時、韓国で暮らす女性それぞれの人生
3)「Nの肖像 - 統一教会で過ごした日々の記憶-」 仲正 昌樹
統一教会に入会し、ドイツにも派遣され、韓国での集団結婚式にも出たが疑問に思い脱退した金沢大学の教授
TVの通販、「30分以内に半額、さらに特典あり、今だけ」と、今購入しないとせっかくのチャンス失いますよとかき立てます。
ところが翌日のTVでも同じことを言っています。
消費者庁が取り締まらないのが不思議です。
恋愛でも、マインド・コントロールの手法を使っている人がいるように思いました。
自然体で使っている人もいますが、意図的に使っている人もいるようです。
そして好きにさせてから、「実は結婚しているんだ。でも妻とは別れる」と。
この犠牲者がベッキーでした。
中には、「二人が結婚してそのために事業をやりたい。自分も100万円出す。あなたも100万円だしてもらえないか」と言って彼女からお金を出させます。
最初から事業やることはなく、100万円を奪うためです。
英会話の教材売るには、教材の素晴らしさを言うより、「英会話できたら、何をしたいのか?」と夢を語らせ、その夢実現のためにこの教材はこんな点で素晴らしいのですと。
自分の人生、おかしな勧誘によって人生を台なしにするのを防ぐためにもマインドコントロールについて知り、「あれ? なんかおかしいぞ!」と気づくだけでも大きいです。
それと人に相談することでしょう。
逆にマインド・コントロールの手法を知ったうえで、コントロールされたかのように装えるくらいにしたたかに生きたいものです。
世の中、あの手この手で騙す人がいます。
プロ中のプロです。
騙されないためには騙しの例を知ることではないでしょうか。
それより一番は、あなた/私の大切な時間とお金を奪おうとする場合、”怪しい”と思う心の余裕を持ちたいです。