・なによりも面接担当者が知りたいのは、「その候補者がどれほど考えることが好きか」、そして「どんな考え方をする人なのか」という点です。考えることが好きな人なら、どんな課題についても熱心に考えようとするでしょう。「考えることが楽しくて楽しくて」という人でないと、毎日何時間も考える仕事に就くのは不可能です。
・もうひとつ理解されていないのは、「ケース面接に答えを出すことは、重要ではない」ということです。ケース問題は、応募者の思考方法を具体的に知るための会話の材料として使われているだけで、それ自体に正しい答えを出すことが重要なわけではありません。そもそも大半の面接者は、応募者とのやりとりの中でケースの設定を随時変更しており、正しい答えなど存在しないのです。
・コンサルティング業務の根幹は、企業経営者向けのサービス業です。企業を率いる経営者の方から相談を受け、その解決を支援するのが仕事です。それは、
①経営課題の相談を受ける
②問題の解決方法を見つける
③問題を解決する
・思考力
思考スキル 後から学べるもの/面接時になくても、学ぶ力があるとわかればよい
+
思考意欲
+ ⇒高い思考力を持つために不可欠な適正/面接時に確認する必要がある
思考体力
・実はマッキンゼーでは、バランスが崩れていてもよいので、何かの点において突出して高い能力をもっている人が高く評価されます。ある一点において卓越したレベルにある人を「スパイク型人材」と称し、採用時も入社後も「彼・彼女のスパイクは何か」という視点で人材を評価しているのです。
・マッキンゼーが求める資質
①リーダーシップがあること
②地頭がいいこと
③英語ができること
このうち、日本の“優秀な人”がもっているのは②だけであり、残りのふたつは絶望的に欠けています。
・マッキンゼーが求めている人材をひとことで表現すれば、それは「将来、グローバルリーダーとして活躍できる人」と言うべきでしょう。
・ことわざ「船頭多くして船山に登る」の船頭は、リーダーでもなんでもなく、単なる頑固でわがままな人です。このことわざは、「自分の意見を通すことだけでにこだわる人が多ければ、組織としての成果は出せない」という、当たり前のことを示しているにすぎません。
本来のリーダーとは、それとは180度異なり、「チームの使命を達成するために、必要なことをやる人」です。プロジェクトリーダーである自分の意見より、すっと若いメンバーの意見が正しいと考えれば、すぐに自分の意見を捨て、その若者の意見をチームの結論として採用するのがリーダーです。
・全員がリーダーという意識をもつチーム
・全メンバーがチーム全体の業務量と内容を理解し、どう分担すべきかについて話し合い、個々の担当を決定する。
(1人のリーダーと複数のフォロアーのチーム
プロジェクトリーダーが、各メンバーの力量や希望を勘案しながら、担当分野を割り当てる)
・面接を担当するコンサルタントは、面接の一時間の中でさえ、候補者がどの程度、成長するかを見極めようとしています。
・リーダーがなすべき4つのタスク
①目標を掲げる
②先頭を走る
③決める
④伝える(コミュニケーション)
・マッキンゼー流リーダーシップの学び方
①バリューを出す「何らかの成果(付加価値)を生む」
②ポジションをとる「あなたの意見は何か」
「あなたが意志決定者だとしたら、どう決断するか」
③自分の仕事のリーダーは自分
④ホワイトボードの前に立つ
議論のリーダーシップをとるには、会議の参加者が発する意見を全体像の中で捉え、論点を整理して議論緒ポイントを明確にしたり、膠着した議論を前に進めるために視点を転換したりと、さまざまなスキルが求められます。
・リーダーシップというものが、
①すべての人が日常的に使えるスキルであること
②訓練を積めば、誰でも学べるスキルであること
を理解することです。
・リーダーシップで人生のコントロールを握る
①問題が解決できる
②成長が実感できる
③自分の世界観が実現できる
④世界が広がる
・変わっていくキャリア意識
リーダーシップを身につけることで問題が解決できるようになると、他者からの感謝を受け、評価される機会も増えてきます。すると次第に、仕方なくリーダー役を引き受けるのではなく、積極的に周りの問題を解決したいという気持ちが出てきます。こういった気持ちの変化は、個人のキャリアの選択にも影響を与え始めます。
マッキンゼーは人の出入りが多い組織です。外部からは「能力のない人がクビになるから」と思われていますが、自ら別の道を歩むことを決断し、卒業を決める人も多数にのぼります。最初から「マッキンゼーでは数年だけ働き、その後は別のことをやろう」と考えているわけではなりません。そうではなく、働いているうちにキャリア形成に関する意識が変化し、新たに自分が進むべき道が見えてくるのです。
感想;
兵庫県の姫路西高校卒業して一橋大学法学部、日興証券、カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクール修了、MBA(経営学修士)取得後、1993年にマッキンゼー・アンド・カンパニー日本法人でコンサルタントとして勤務されてます。MBAは会社を辞めて自費で留学されています。
自分の人生を自分で切り拓いていかれたようです。
そしてコンサルよりも採用を専門にしてこられたようです。
兵庫県は私立の灘高校が進学校として有名ですが、公立高校だと、神戸高校、姫路西高校、加古川東高校が進学校でした(50数年前)。神戸高校には成績の良い人は私立に進学していましたので、当時兵庫県の公立高校では姫路西高校が東大に一番多く入っていました。なので、かなり優秀な方だったように思います。
マッキンゼーがどのような人材を採用しているかがよく分かりました。
一番重視しているのはリーダーシップがとれる人か、考えることが好きな人かのようです。
指示が多いと問題だとのことわざです。「頑固でわがまま」ではないのです。
こういうことがあると、全体にも影響するのでとても残念です。
出版社(ダイヤモンド社)の担当者も気付かなかったのでしょうか。
それを差し引いてもとても参考になりました。
またマッキンゼーにはコンサルタントだけでなく、このような業務をされている方がおられたということも新鮮でした。
自分はリーダーなどできないと思っているとそのような機会があると断ってしまいます。
最初から誰もリーダーとしての能力などないのです。引き受けて失敗する。
そこから学ぶことで、リーダーシップが養われていくのだと思います。
肩書が人を創ることもあるのです。
失敗を恐れて何もチャレンジしないと広がって行かないし、成長もないのでしょう。
ボランティア活動で委員長や責任者を引き受けました。
その時の判断は、
①依頼される
②他にやる人がいない
③私がやるのがよい
④多くの人が賛同してくれる
でした。
やることで多くの学びを得ました。
ボランティア活動で体験したことが仕事でも生かされました。
仕事で得た能力がボランティア活動でも生かされました。
よく「忙しいからボランティア活動はまだできない。退職など時間ができたらやってみたい」と言う人がいますが、きっとできないでしょう。
時間の有無ではなく「やりたい気持ちがあるかないか」です。
気持ちがあれば時間は何とかなっていくというのが、やってみた実感です。
そして多くのことを学ぶことができました。
何より良かったのが、仲間と同じ目的を目指してやっていくことがとても楽しかったのです。仲間に感謝です。