最近は仕事がパソコン(PC)主体に変わって来ています。連絡も電話よりメールになっています。先日のTVで、個人の机も、書類のキャビネも無い職場が紹介されていました。もちろんペーパーレスでした。
前にいた会社で20年ほど前のことでした。まだ、誰も会議中にPCを持って来ている人がいませんでした。当時いろいろな会議の事務局をしていました。ノートにメモを取って、それをPCに入力し議事録にするのに、ほぼ会議に費やした時間と同じだけかかりました。それで、自腹でノートPCを買い会議中にPCを持ち込み、ノートにメモする代わりにPCに直接入力するようにしました。それで業務の効率がかなりはかれました。
その後、10数年前から事務局でなくても会議中にPCを持ち込みメールの確認をするようにしました。会社のPCもノートタイプに変わっていました。当時は会議や打ち合わせが業務時間の6~7割で、受信するメールが100通/1日に達しており、会議中にPCでメールをチェックしないとタイムリーに返信が出来なくなってきていました。組織長をしていましたが、品質に関する情報や問い合わせ、品質問題が起きた時の指示を仰ぐことなどがあり、タイムリーな返信が求められるようになっていました。
会議中にPCを持ち込んでメールをしていると、上司(執行役)から注意を受けました。「会議中にPCを持ち込んで仕事をしないように」。品質保証の責任者として仕事をするには会議中にPCで仕事をしないとその日にやるべき仕事が終わらないこと、タイムリーに対応しないと相手先の業務が滞ることもあることを説明しました。理解していただけませんでしたが。
3人上司が変わりましたが、それぞれの上司から、会議中にPCを持ち込まないように注意されました。中には親切心で、周りの人が私のことを会議中にPCで仕事をしていると悪い印象を持っているからと言われました。また、会議中にPCメールしているのは、**さんと私だけだと言われました。**さんは米国人で医者の方でした。その方は特別視されていました。でも私はダメだと言われました。ただ、ますます会議も増え、メールも増え150通/1日になっており、業務に責任を持ってするためには、会議中にPCでメールをを確認することは必要ですと伝えました。
ホンダかソニーか忘れましたが、その会社の執行役が雑誌にエッセイを載せていました。「会議中にPCを持ち込んで仕事をしない人はよっぽど暇な人だ。会議は自分が関係しているのは一部で、後は聞いていればよいだけの場合が多い。会議中にPCで仕事をしない人は時間を無駄にしている」と述べてありました。
時間は経過し、今や会議中にPCメールで仕事をしている人が多くなっています。それを問題だと言う人も少なくなっています。ビル・ゲイツは「メールを確認し、返事がない時は了承したと理解して貰って仕事を進めてよい」としているとの記事を10数年前に見ました。やはり新しい産業を推進している人は新しいツールの活用も違うものだと思いました。
メールのレスポンスがとても遅い人がいます。そんな人には社内メールであれば受信確認付(相手が見るとわかる)で送っていました。特に上司で遅い人がいると部下は大変です。仕事がはかどりません。部下がスムーズに仕事ができることが上司の大切な仕事の一つなのですが。出張に行くときもPCを持って行きました。時間が空いている時はカフェで、場合によってはカラオケ店(電源が使える)でPCメールをしました。当時はバッテリーが1時間半しか持ちませんでした。多い時はメールも200通/1日に達していました。
野茂選手が初めて米国に行くときは多くの批判を受けました。今はどうでしょうか?何事も初めての人には風当たりが強いのでしょう。周りの目(特に評価権を持っている上司)を気にするか、責任を持って仕事をするか、会社の中では迷うことでもあります。
会社を退職し、後任の組織長に半年ぶりに会った時、「(私が)会議中にPCメールしていた理由がよくわかりました。会議中にPCメールをしないと仕事が終わらないし、タイムリーに?スポンスもできません」と言ってくれました。その時に周りに理解されなくても、必要だと思ったことは信じて行うことだと改めて思いました。周りの評価を気にして周りに合わせていると、そこには自分がありません。
新渡戸稲造の愛していた古歌
「見る人の 心ごころに 任せおき 高嶺に澄める 秋の夜の月」
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