平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

全裸監督~前科7犯、懲役370年、村西とおる、全裸で時代を駆けめぐる!

2021年08月11日 | その他ドラマ
 村西とおる(山田孝之)は1980年~90年代を駆け抜けた。

・ビニ本、裏本
・AV~サファイア映像・ダイヤモンド映像
・ヤクザ、警察
・前科7犯
・ハワイでAVを無許可撮影して懲役370年
・黒木香(森田望智)
・AVの名作「SMっぽいの好き」
・AV女優が男性アイドルとエッチしたのを聞いて、再現AVを制作
・AVの顔射を考案
・日本ナイス党で衆議院選挙に出馬
・衛星放送(CS)でAVを放送~空からエロが降って来る
・しかし上手くいかず、子飼いのAV女優をストリップ劇場に登場させて日銭を稼ぐ
・経理担当の横領
・借金50億
・衛星放送に肩入れしすぎて会社倒産
 ……………………………………

 いやあ、凄まじい生き様だ。
 密度の濃い人生だ。
 僕のような小市民には絶対に出来ない生き方。

 僕は、作品中にもあった黒木香さんが出演している『朝まで生テレビ』をリアタイで見ていた。
 保守派の論客が黒木さんを「AV女優ごときが偉そうに語るな」と罵倒したことに対し、
 映画監督の大島渚が「バカ野郎! 彼女は体を張って生きてるんだ!」と激怒したシーンを今でも覚えている。
 昔の『朝生』は面白かった。

 作品を貫いているのは『過剰』
・過剰なエロ
・過剰なバカバカしさ~笛をくわえて、ピーピーピーですからね。
・過剰なAVの量産
・飛び交う札束の山
・過剰な暴力
・天国と地獄
 やはり、あの頃の日本は元気があった。
 それを体現していたのが村西とおるだった。

 しかし、バブルが崩壊した頃から日本は元気がなくなっていく。
 それは村西とおるの没落ともリンクする。
 劇中、暴力団対策法が出来た時、ふたりの刑事はこんなやりとりをする。
「つまらねえ世の中になったな」
「そういう時代なんだよ」

 現在『全裸監督』が制作されて、多くの注目が集まっているのは、こうした時代背景があるのだろう。
 過剰なエネルギーの時代への郷愁。
 今、ハワイで無許可AV撮影をして懲役370年をくらう日本人がいたら、総バッシングでとんでもないことになりそう。
 でも今、過剰なエネルギーはどこに行ってしまったのだろう?
 あまりにも制約が多すぎて、すり減って霧散してしまったのか?
 深い所に潜行しているのか?

・エロのエネルギー
・カネのエネルギー
・バカを平気でやれる過剰な人間
 これらは社会を動かす原動力である。
 慎ましく法令遵守し、ときどきちょっと破り、適度な「中抜き」をしているようでは、社会は元気にならない。

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おかえりモネ 第11週・12週~恋バナが始まって、すーちゃん、大喜び! マリアンナ様は自分のために生きている宣言!

2021年08月07日 | その他ドラマ
 自分のために生きるのか?
 他人のために生きるのか?
 百音(清原果耶)は迷う。

 神野マリアンナ莉子(今田美桜)は言う。
「人の役に立ちたいとかって、結局自分のためなんじゃん?
 永浦さんを否定してるとかじゃないよ。
 ただ私は、自分が人に認められたいとか、有名になりたいとか、
 そういう欲求の方がシンプルだし、ウソがない気がするだけ」

 マリアンナ様ーっ♪

 パラリンピック選手の鮫島祐希(菅原小春)は言う。
 走るのは「100%自分のため」。
 それに付け加えて、
「ただな、私が走るにはいろんな人の手を借りなあかんやろ。
 そやから借りた分、めっちゃ感謝するしちゃんと返したいとは思ってる。
 でな、こう、私が100%自分のために頑張ってることがな、
 巡り巡ってどっかの誰かをちょこっとだけでも元気づけてたら、
 それはそれで幸せやなあって思うんよ」

 このふたりは「自分のため」に生きている。
 それが結果的に誰かの役に立ったり、元気になったりすればいいと考えている。
 まず百音のように、まず「他人のため」と考えてしまうのは、どこかウソっぽく、偽善の匂いがする。
 朝岡さん(西島秀俊)だって、スポーツ気象を自分の苦い体験、個人的な理由で始めようと思った。

 現在がんばっている東京オリンピックのアスリートの方もなあ……。
 インタビューで、よく「誰かに元気と勇気を与えたい」とか発言するんだけど、
 どうして「自分のためにがんばってる」「自分が楽しいからやっている」って言えないのかな?
 その方がずっと正直だ。
 今回の「モネ」のエピソードは、そんなアスリート達に対する脚本・安達奈緒子さんのメッセージのように思える。
 少なくともプロ選手は、マリアンナ様のように「自分の名誉のため、お金のため、将来のため」にがんばっているし、彼らもそういう意識だろう。
 ……………………………………………

 恋バナが始まった!

 百音の下宿先は、菅波先生(坂口健太郎)の病院のすぐそば。
 アニメじゃない方の昭和のドラマ『君の名は』のようにすれ違いの後、再会!
 そう言えば朝ドラ『君の名は』のヒロインは、百音の母親役の鈴木京香さんがやってたな。

 百音は自分が送った長文のメールの、菅波先生の返事がそっけなくて恥ずかしく思ったり、
 相談したいのにそれをためらったり、
 本人は気づいていない恋愛モード。

 一方、それに気づいたのが、すーちゃん(恒松祐里)♪
「わかったよ! ふ~ん、そうだったのか~。あとでゆっくり話を聞くからね~♪」
 百音の恋愛感情に気づいたのは鋭いが、
 百音が東京に来たのは、菅波先生を追いかけて来たと勘違いしている。笑

 こういう恋愛話、好きだなあ。
 登米の森林組合の人達も期待しているし、どんどん盛り上がってほしい。

 一方、亮ちん(永瀬廉)をめぐっては軋轢も。
 亮は「親父が船に乗った」という報告を百音にメールした。
 未知(蒔田彩珠)は、亮が心を開いているのは百音なのだ、と気づいてしまう。
 百音、こういうとこ、鈍すぎ。
 未知の気持ちがわかっているのだから、ここは黙っているのが正解だったのに。
 ………………………………………

 今回の東京編のセットはいいですね。
 朝ドラの東京編では毎回、ヒロインがどんな家に住むかで趣向が凝らされるが、今回は銭湯の二階。
 その銭湯は営業縮小&多角営業で、一部を改造して共有スペースのあるアパートにしている。
 この空間設計が意表を突いてて面白い。
 百音たちはこの銭湯の共有スペースでワイワイやって、
 コインランドリーに洗濯に来る菅波先生にもアクセス出来るという仕掛け。
 菅波先生は性格上、積極的に百音の所に行くタイプではないし、下宿を銭湯にしたのは実に上手い。

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おかえりモネ 第10週~今田美桜キター! 「全裸監督」出演の森田望智、恒松祐里も出演して、すごいキャスティング!

2021年07月26日 | その他ドラマ
 先週から「おかえりモネ」東京編が始まった!

 い、い、今田美桜キター!
 百音(清原果耶)が働くウェザー・エキスパート社の先輩で、
 気象予報士でお天気キャスターも務める神野マリアンナ莉子役!

 いやあ、もうこれで朝の楽しみが出来た♪
 僕が今田美桜さんに注目したのは『3年A組~今から皆さんは人質です』
 その後、『半沢直樹』『親バカ青春白書』を経て、すっかりファンになった♪
 で、今回は出れば必ず注目されブレイクする朝ドラ出演。
 例えば、吉岡里帆、市川由衣、森七菜、清野菜名、橋本愛、有村架純、松本穂乃香──
 今田さん、女優として着実にステップアップしているな。

 ネットニュースにも書いてあったが、
 確かに今田さんが出ると、画面が映える。華やかになる。
 百音は完全に「田舎の子」だから、その対照キャラとしても面白い。
 百音の清原果耶さんと絡んでぶつかって、どのような相乗効果を見せるのか。
 清原さんは芝居が達者な方だから、主役を食うくらいのぶつかる芝居をしてほしい。
 ………………………………

 他の若手女優さんに注目すれば、
 同じエキスパート社の先輩気象予報士・野坂碧役の森田望智さん。
 あれ、どこかで見たことがある女優さんだな、と思っていたら、
『全裸監督』の黒木香役で出ていた方ではないですか!
 まあ、当然なんだけど、黒木香とぜんぜん違う。
 やはり役者さんはバケるなあ。
 あの『全裸監督』に黒木香として出ていたのだから、役者さんとして怖いものなしだろうし。
 もっとも『モネ』では今の所、かなり抑えた演技をしている。
 今の役柄だと、別に 森田望智さんが演じなくてもいい気がするが。

 同じ『全裸監督』出演では、スーちゃんこと、野村明日美 役の恒松祐里さんもそう。
『全裸監督』では、AV女優で、後に村西とおる(山田孝之)と結婚する乃木真梨子役で出ていたが、
 やはりバケるなあ。
 僕の場合、恒松祐里さんと言えば『女子高生の無駄遣い』のヲタ役なんだけど。

 百音の妹、みーちゃんこと永浦未知役の 蒔田彩珠さんもいい演技をしてるなあ。
 時として、主役の清原果耶さんを食って、霞ませる演技をしてくる。
 まあ、映画『万引き家族』
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(『ドラゴン桜』の南紗良主演!)に出演して、
『朝が来る』で新人女優賞を総ナメした実力派だから当然なんだけど。
 おそらく次の次くらいの朝ドラヒロイン候補だろう。

 というわけで、『おかえりモネ』はいい若手女優さんをたくさん出演させている。
 スタッフさん、実力本位の見事すぎるキャスティング!

 朝からこれらの女優さんの芝居を見られるなんて、何という贅沢!

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おかえりモネ 第9週~山の神様、いや海の神様でも空の神様でもいい。どうかあの子に! よい未来を

2021年07月17日 | その他ドラマ
 百音(清原果耶)が気象予報の仕事をしたい理由。

・気象予報で未来がわかり、危険に遭いそうな人を救えるから。

 その根底には、3・11の時のような無力感を味わいたくないという思いがある。
 3・11とこんなふうに真っ正面から向き合ったヒロインはなかなかいない。
「あまちゃん」でも目の前の現実に茫然としているだけだった。

 ふたつめの理由は──
・百音が「海の人」であり、「山の人」であり、海と山を繋ぐ「空の人」にもなりたかったから。

 海と山と空──こんなふうに世界と自分をとらえたヒロインはほとんどいない。
 これは「詩」ですね。
 同時に、詩の世界を気象学という手段でとらえた「科学」でもある。
 これが本作『おかえりモネ』の特異性である。

 百音って、海や山や空に棲息する妖精のよう。
 ………………………

 サヤカさん(夏木マリ)はひとりに。
 300年のヒバの木が伐られ、百音は東京に旅立っていった。
 もともとひとりで生きてきた、と言い切ったサヤカさんだが、
 このふたつの喪失は大きなものだっただろう。
 しかし──
 伐ったヒバの根もとからヒバの新芽が!
 サヤカさんはひとりではなかった!
 見上げれば、空には百音が言ったとおり、七色の彩雲が!

 これも「詩」ですよね。
 自然には意思があるのかもしれない。
 自然には神様がいるのかもしれない。
 少なくともサヤカさんはそれを実感したのだろう。
 だから祈る。
「山の神様!
 いや、海の神様でも空の神様でもいい。
 どうかあの子に!
 よい未来を」

 実に詩情あふれるドラマでした。
 ところで、
 いきなり散文的になるんですけど、
 大吉さんも朝ドラ受けで指摘していましたけど、
 百音って東京での就職決まったのか?笑
 東京に着いたのはいいが、そう言えば就職先決まってなかった、みたいなボケな展開になったらスゴイのだが。
 
コメント (2)
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おかえりモネ 第8週~過去にとらわれる父と未来に向かう若者たち。百音は縄跳び!笑

2021年07月10日 | その他ドラマ
 新次(浅野忠信)は過去にとらわれている。
 3・11の津波で妻・美波(坂井真紀)を亡くしたことにとらわれ、船もなくして前に進めない。
 新次の拠り所は携帯に残された美波のメッセージだ。
 そして以前は酒におぼれていた。

 そんな父親の新次を見て、亮(永瀬廉)は百音(清原果耶)たちに言う。

「俺らは親たちとは違うからさ。俺は……おやじとは違うから。
 過去に縛られたまんまで何になるよ。
 こっから先の未来まで壊されてたまるかっつうの!」

 そう若者は過去にとらわれず、未来に生きるのだ。
 この若者たちと新次の違いが今週のテーマになっている。

 もっとも新次もこのままではいけないと思いつつあるようだ。
 新次は漁に出る亮の乗る船を見送りに行った。
 新次はカジキ100匹を釣り上げた亮を褒めて、
 今回も「がんばれ」「しっかりやれ」と言いたかったのかな?
 美波を奪った海に対しても「海に恨みはねえがら」。
 新次が海に戻る日は近い。
 ………………………………

 今週のもうひとつの見所は、縄跳びをする朝ドラヒロインだ。笑
 何か新鮮!

 この縄跳びの縄は菅波先生(坂口健太郎)からもらったもの。
 何でも3分間縄跳びをすると、記憶力を増進するホルモンが出て気象予報士の受験に有効らしい。
 菅波先生、そこかいっ!
 菅波先生はさらに百音に電話をかけて来て、
「論文を調べたのですが、縄跳びは3分より5分の方がより多くホルモンが出るようです」笑
 菅波先生、そこかいっ!
 一方、百音も登米に帰って来ると、
「5分以上やった方がもっとホルモンが出ますか?」笑
 何だ、このやりとり!?

 でも、こういうやりとりが成立してしまうのは、ふたりの相性がいいからかもしれない。

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おかえりモネ 第7週~百音、空の世界に行ってみたいと思う!

2021年07月02日 | その他ドラマ
 サヤカ(夏木マリ)は『山の人』である。
 山が、居場所であり、仕事であり、人生でもある。

 樹齢300年のヒバの木はサヤカさん、そのもの。
 サヤカさんはこのヒバの木とともに生きてきた。
 何かがあれば話しかける存在でもあった。

 では、百音(清原果耶)はどうだろう?
 百音は『海』を捨てて、登米の『山』に逃げて来た。
 登米には仕事があり、やさしい仲間がおり、生きがいもある。
 何とか見つけた居場所でもある。
 でも、まだ何かが足りないようだ。

 そんな百音に『空』という世界があらわれた。
 空は山と海をつなぐものである。
 百音は『空』のことに興味を持った。
 海や山がそうであるように、空にもさまざまな表情があることを知った。
 気象予報士の勉強をして、もっと知りたくなった。

 百音はよく空を見上げる。
 百音にとって空は、サヤカさんのヒバの木のような存在?
 百音は『空の世界』に活動の場を拡げそうである。

 これが若さなんですよね。
 サヤカさんは、それがちょっとうらやましそうだ。

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おかえりモネ 第6週~田中さんの人生の苦み、失われた青春への憧れ

2021年06月25日 | その他ドラマ
 結局、田中さん(塚本晋也)の奥さんは来なかった。
 かなわなかった願望。
 虚しく終わった期待。
 新しく発注した大きな机と椅子はムダになってしまった……。

 これが「人生の苦み」なんですよね。
 わかるよ~。
 年を重ねると、わかってくる心情。

 でも机と椅子は本当にムダになってしまったのだろうか?
 奥さんの代わりにやって来た人たちがいた。
 百音(清原果耶)の父・耕治 (内野聖陽)と母・亜哉子( 鈴木京香)だ。

 田中さんは気づいたはずだ。
 奥さんや娘は離れていってしまったが、
 その代わりに訪ねて来てくれる耕治や亜哉子がいる。
 ぽっかりと空いた心の穴を埋めてくれる存在がいる。
 それだけで俺の人生十分じゃないか。
 机と椅子をつくった意味があるのではないか。
 それに、この「人生の苦み」こそ、田中さんが好きだったジャズの世界だ。

 人生には、悲しみもあれば、喜びもある。
 年をとると、悲しみの方が多くなって、喜びはささやかなものになるが、
 そのささやかな喜びを噛みしめていこう。

 ラストは、百音と菅波先生( 坂口健太郎)の写真。
 ふたりの人生は始まったばかりだ。
 耕治 と亜哉子のような情熱的な恋愛が始めることを暗示して次週へ。
 でも、百音と菅波先生の場合は情熱的になりそうもないな。笑

 田中さんはどんな思いで百音と菅波先生の写真を撮ったのだろう?
 若き日の耕治 と亜哉子を重ね合わせていたのか?
 自分の青春時代を思い出していたのか?
 あるいは、もはや取り戻せない青春への憧れ。
 喜びと悲しみが入り交じった複雑な感情だなあ。


※追記
 耕治 のジャズは真っ直ぐで明るかったのか。
 亜哉子はそれが好きだった。

「人生の苦み」を表現する音楽もいいけど、「まっすぐで明るい音楽」も好きだな♪

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おかえりモネ 第5週~人見知りで気が利かなくてオタクな菅原先生!

2021年06月18日 | その他ドラマ
 菅波先生(坂口健太郎)、オタクだな。笑
 帰りのバスで聞かれてもいないのに、いきなりサメの生命力のことを話し出した。
 オタクにはこういう傾向がある。

 人見知り具合も絶妙。
 おそらく菅波先生ってフツーの会話ができない人。
 他者とのコミュニケーションは「サメの話」「天気の話」といった知識を媒介にして成立する。

 気が利かないのもなあ。
 百音(清原果耶)が牡蠣の箱を抱えて重そうにしていたのに気がつかない。笑
 亮ちん(永瀬廉)は何も言わずに持ってあげたのに。

 でも好きだなこういう人。

 百音には関心があるようだ。
 満月の夜、超大型台風が来た時に生まれたことを百音から聞くと、
 しっかり調べて百音の誕生日を言い当てた。笑
 オタクだからかもしれないが、
 特に関心がなければ、フツーは「ああ、そう」で終わるはず。

 というわけで始まった百音と菅波先生の「気象の勉強会」。
 今は「先生と生徒」だが、これでふたりの距離は縮まりそう。
 本人たちはまったく気づいていないが、いつ恋愛モードに変化するのか?
 菅波先生は心に壁をつくってるし、
 百音は仕事に一生懸命で、光と熱のミクロの世界を見ているようだし、
 まったく、恋愛に疎いふたり!
 目の前には素敵な人がいるのにねえ……。

 脚本・安達奈緒子さんによる菅波先生の人物描写は細部に神経が行き届いていて実に巧みだ。
 まさに神は細部に宿る。

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おかえりモネ 第4週~「自然のドラマ」×「人間のドラマ」 何て素敵な作品だろう!

2021年06月13日 | その他ドラマ
 登米の山の栄養は北上川を下って石巻の海へ行き、
 石巻の種牡蠣は百音(清原果耶)の故郷・気仙沼・亀島の牡蠣になる。

 登米→石巻→気仙沼・亀島
 山の栄養→種牡蠣→牡蠣

 すべては繋がっていたんですね。
 何という素敵な物語!
 こんなふうに「自然のドラマ」と「人間のドラマ」を重ね合わせた作品は今までなかっただろう。
 山も川も海も美しい!
 そんな中で生きる百音!

 金曜日の放送のラスト。
 お盆休みを終えて登米に帰る百音に母(鈴木京香)が「牡蠣」を抱えて走って来て、持っていくように言う。
 おおっ、山の栄養の終着点である牡蠣がふたたび山に戻ったよ。
 これまた繋がりの物語だ!
 いやあ、素敵だ!

 百音は気象予報士になる決意をした。
「あたしが天気の予測が出来たら、おじいちゃんの漁の仕事に役立つかな?」
「あたしが天気の予測が出来たら、みーちゃんの研究に役立つかな?」

 3・11で自分の無力を感じ、何かしなければと悩んでいた百音がやっと道を見つけた。
 気象予報士を目指すことは、山と川と海と空のことを学ぶことでもある。
 たくさんの人を繋ぐことでもある。

 いやあ、もうこのドラマ、素敵すぎるだろう!

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おかえりモネ 第3週~百音が3・11を乗り越えていく物語

2021年06月05日 | その他ドラマ
「色気だだ漏れ」
 ひさしぶりに亮(永瀬廉)に会った明日美(恒松祐里)はこう言って胸をときめかせる。
 これを聞いた百音(清原果耶)の妹・未知(蒔田彩珠)は寝たふりをしながら、コクコクと同意。笑
 一方、百音は亮のどこが「色気だだ漏れ」なのか、理解できない……笑

 百音は典型的な『朝ドラヒロイン』ですね。
 恋愛ごとに極めて鈍い。
 ともかく恋愛ごとからかけ離れている。

 一方、亮はおそらく百音のことが好きなんだろうけど、
 百音の近くには気象予報士の朝岡(西島秀俊)や診療所の医師・菅波(坂口健太郎)というふたりの大人の男性がいる。
 で、亮のことを好きなのが明日美と未知!

 ぐはっ!
 客観的に見ると、何というドロドロの恋愛関係なんだ!
 でも、ドロドロにならないのは百音が透明感のある朝ドラヒロインだから。
 …………………………

 3・11が描かれた。

 音楽学校の試験が不合格で、父・耕治(内野聖陽)とジャズ喫茶に行って、
 演奏を聴こうとした時、時計が2:46分になって……。

 翌日の放送では、車の渋滞と震災を告げるラジオの放送で始まり、
 百音と耕治 は故郷の亀島と気仙沼が見える高台に行って、気仙沼の街が燃えていて……。

 上手い描写だと思う。
 2:46~翌朝の故郷の様子を見に行くまでが具体的に描かれなくて、
 視聴者にいろいろなことを想像させる。
 この間、百音はどのような思いで過ごしたのだろう?

 2:46~の時間は、視聴者にもそれぞれの時間があって、あの時のことを思い出させる。

 3・11は僕たちの心に深い影を落としていると思うよ。
 僕も津波の映像とかを見ると、思わず目を背けてしまうもの……。
 3・11以降、日本の社会がおかしくなっている気もするし。

 僕たちはまだ3・11を清算し切れていなくて、何らかの形で乗り越えなくてはいけないのだと思う。
 そうしなければ前に進めない。
 それは百音も同じで、この作品は百音が3・11を乗り越えていく物語でもある。

 だとすると、百音と共に3・11を考え、乗り越えていけたらいいな。
 それは素晴らしいドラマ体験になると思う。

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