平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おかえりモネ 第2週~ふたりの素敵な大人の男性に見守られている百音!

2021年05月28日 | その他ドラマ
 豪雨・雷雨の中、林間学校の小学生を抱え、山林の中で孤立する百音(清原果耶)。
 携帯に電話をもらった気象予報士の朝岡(西島秀俊)は
「頭低くして、しゃがんで、避難姿勢は取れてますか?」
「木のそばは側激雷があるので、そのままそこにいるのは危険です」
 と励まし、パソコンで雨雲レーダーや天気図を確認し、
 雷雲から外れる一瞬のタイミングで、避難小屋へ向かうように指示を出す。

 おおっ、気象予報士がこんなふうにカッコ良く描かれたのは初めてだろう。
 何しろテレビの気象予報士と言えば、石原良純さんだったり(←失礼)、体操を教えてくれる人だったから。

 百音、年齢が離れすぎてるけど、朝岡さんのこと好きになってしまうよね。
 危機に遭った時に助けてくれた人は、しっかり心に刻まれる。
 頼もしい大人の男性って感じ。
 それでいて石ノ森章太郎記念館で、009のマフラーをつけたり、Tシャツを着たりするお茶目な面もある。

 さて今回、もうひとり百音を助けた大人の男性がいた。
 診療所の医師・菅波(坂口健太郎)だ。
 菅波は雨に濡れた子供が低体温症になることを予測し、百音に電話でアドバイス。
 カッケー!
 またもや百音を助けてくれる頼もしい男性が登場だ。
 しかも管波さんは徹底的にクール。
 誰にも心を開かない。

 こうして頼もしい大人の男性に囲まれている百音。
 やさしい王子様とクールな王子様。
 少女漫画のようなドラマ展開でもあるなあ。
 ………………………………………

 しかも、このふたりの男性は百音に的確なアドバイスをする。

 菅波は──
「感謝の言葉を真に受けないで下さい」
「プロになって下さい」
「甘えてますよ」
 と厳しい言葉。
 確かに管波が言っているように、百音は何もしていないんですよね。
 気象予報士の朝岡は気象を予測し、菅波は子供の体調の異変を予測した。
 だが、百音は彼らの指示に従っただけ。
 森林組合で山林ツアーをやるのなら、多少の気象や医学の知識を持っているべきだろう。
 つまり百音は山林ツアーガイドとしてプロになっていない。
 菅波さんの言葉は厳しいけど、的確だなあ。

 そして朝岡は百音に──
「あなたは海のこと、山のことを知っている。
 海と山をつないでいるのは空と水です。
 今度は空と水のことを勉強して下さい」

 くーっ、朝岡さんもいいこと言うねー!

 ふたりの素敵な男性に見守られて百音はどんな女性に成長していくのだろう?


 
 ※クロード・モネの絵。今回のラスト、百音もこんな感じで空を見ていた。

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おかえりモネ~クロード・モネの絵画のような繊細な作品

2021年05月22日 | その他ドラマ
「私の地元、気仙沼の海にも冬になっと、けあらしっていう霧が出るんです。
 私…そのけあらしを見るのが…小さい時がらとても好きで。
 海がら昇る朝日もとても好きで。
 でも、あの日…。
 私…何もできなかった」

 なるほど~
 百音(清原果耶)が島を出た理由は、3・11を思い出すからなのか。
 あの日、気仙沼は真っ赤な炎に包まれたからなあ……。

 一方、百音がやって来た登米には澄んだ青い空があった。
 見上げれば「虹」があり、「彩雲」があった。
 百音はずいぶん救われたことだろう。

 だが、現在の百音はまだ無力だ。
 まったく世の中の役に立てていない。
 菅波光太朗 (坂口健太郎)は医者として誰かの役に立っている。
 妹の未知 (蒔田彩珠)は勉強して日本の水産業の発展に寄与したいと思っている。
 樹齢300年のヒバの木は能舞台の材木になる。
 しかし、今の百音には何もない、
 自分が何が出来るのか、を追い求めている。
 まあ、サヤカさん(夏木マリ)に言わせれば、全然役に立たなくてもいいんですけどね。
 人間は生きて泣いて笑って死んでいく。ただそれだけ。
 これがサヤカの人生哲学だが、若い百音にはまだそれが理解できない。

 繊細な作品ですね。
 視聴者は行間を読むことを求められる。
 シーンは一見バラバラで、ああなればこうなるというふうに論理立てて構成されていない。
 だから通常の朝ドラのように、ラジオを聞く感覚で見ているだけでは、深く味わうことはできない。
「おちょやん」のような濃い人間がぶつかり合うコテコテとは180度違う。

 おそらくヒロインが清原果耶さんだから、こういうシナリオになったのだろう。
 清原さんはこういう繊細な演技が出来る人。
 ワハハハッ! とラフター・ヨガで腹を抱えて笑いながら、同時に見せる繊細な表情。
 この繊細さが魅力的な女優さん。

 ところで今作はクロード・モネの絵画のような作品だ。
 時折、モネの絵のような風景が登場する。

 

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今ここにある危機とぼくの好感度について~正論がスルーされる社会。これに好感度青年は何を思うか?

2021年05月01日 | その他ドラマ
 神崎真(松坂桃李)は何も言わないことを是として生きてきたテレビアナウンサーである。
「何か言えば叩かれる」「自分の好感度が下がる」
 彼はそう考えて世の中を渡って来た。
 そんな神崎が国立大学の広報に転職し、出会った現実とは──

 正論が無視される現実だった。

 地球温暖化と被災地復興を大学の授業料値上げの理由にする大学理事に対して、
 教授の室田(高橋和也)は正論を吐く。

「もういい加減、こういうインチキはやめません?
 地球温暖化と被災地復興はウチの授業料値上げと関係なくないですか?
 これだけ格差が拡がって奨学金返済に苦しむ若者が多いというのに
 何でウチみたいな国立大が授業料を上げるんすか?
 教育者ならこの状況を重く受けとめ、
 日本の大学教育が本来どうあるべきか考えるべきではありませんか?」

 この正論に対して、大学執行部は何も言わずこう考えている。

「座禅中の修行僧のように半目になるんだ。
 ここにいる人間は皆、会議が早く終わることを望んでいて、
 本質を語り合うことではないと考えていると信じ続けるんだ。
 そのうち室田は力尽きて座る」

 そして室田教授は座り、採決となり授業料UPが決定する……。

 何だか国会を見ているようだな。笑
 国会でも本質的な議論がなされず、首相や閣僚は官僚の書いた作文を読み、時にゴマかし、
 やがて時間が経って採決がなされる……。
 ……………

 論文のデータ不正を内部告発した木嶋みのり(鈴木杏)は言う。

「わたしは日本の科学研究にあるべき姿を取り戻したいだけだよ。
 資金、資金、資金って、お金のことばかり必死になって、研究はいびつに歪んでしまった。
 もう絶対このままじゃダメだって、みんな思ってるのに止められない。
 研究の世界はわたしの相手をしてくれた。
 だから研究の喜びを取り戻したい!
 ただ、それだけだよ!」

 さあ、これらの正論に、好感度だけを気にする、何も考えない男・神崎はどう反応するのか?

 神崎の上司・石田(渡辺いっけい)は言う。

「正論なんて、何の腹の足しにもならねえ。
 そんなものは捨てちまえ」

 でもなあ。
 捨ててしまって、本質が議論されず問題が放置されたら、
 問題はどんどん深刻になっていくと思うんだけどなあ。

 作品は、大学を舞台に描いているけど、これは現代日本社会の縮図。
 2021年に生きるぼくたちは今こそ逃げずに本質を語り合うべきではないだろうか?

『今ここにある危機とぼくの好感度について』は毎週土曜日よる9時より放送中(全5回)。
 本日(5/1)は第2話が放送される。

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朝ドラ『エール』~和装&眼鏡! 森七菜さんはやっぱり可愛い!

2020年09月18日 | その他ドラマ
 再開した朝ドラ『エール』。
 エピソードは、梅(森七菜)の恋愛話でした!(≧∀≦)

 

 和装!
 眼鏡!
 これらが森七菜さんの可愛らしさを引き立たせている!

「あさが来た」の吉岡里帆さんのように、朝ドラの和装&眼鏡女子はブレイクするんだけど、森七菜さんも例外ではない。
 というか、森さんはすでにいろいろなドラマ・映画で活躍しているけど。

 森七菜さん演じる梅は、音(二階堂ふみ)の妹で、文学少女。
 作家志望で、今回文学新人賞を受賞した。
 しかし、憧れていた出版界は作家の嫉妬、出版社の商売が渦巻き、梅が憧れていたような世界ではなかった。
 そんな戸惑い、居場所を見失いつつあった梅の前に現れたのが、同じように居場所を見出せないでいた田ノ上五郎(岡部大)!

 

 何とプリンス佐藤久志(山崎育三郞)をフッて、五郎ちゃんを選んじゃった!

 梅はおとなしそうな少女だが、実は芯が強い。
 作家をめざして一直線だし、三姉妹の中で一番しっかりしている。
 ウジウジしている五郎ちゃんに対しても、
「私は好き!」
「あなたは私のことが好き!?」
 五郎が「好きです」と返事をすると、
「豊橋に帰るわよ!」
 と、一気に結婚まで決めてしまった!

 いいですね。
 こういう女性。
 僕も梅みたいな女性にこんなふうに迫られたら結婚してしまいますわ(*´∀`)

 つーか、裕一(窪田正孝)、鈍すぎ!
 幼い娘の華(田中乃愛)でさえ、ふたりの関係に気づいてたのに。

 というわけで、
 森七菜さんと梅ちゃんの魅力を知りたい方は、本日午後(12:45)の再放送か、明日(9/19)の総集編放送を御覧下さい!

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愛の不時着 第3・4話~ジョンヒョクって王子様だよな。ヒロインが困った時に助けに来る

2020年09月03日 | その他ドラマ
「愛の不時着」
 今回は男性主人公 リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)の話をしましょう。

 リ・ジョンヒョク
・北朝鮮将校~前哨地帯中隊長・大尉
・北朝鮮の有力者の息子
 しかし、それを公にして権力を振りかざすことはない。
・将来を嘱望されたピアニスト~スイス留学の経験あり。
・生真面目、自己表現が下手
・イケメン

「イケメン」「権力者の息子」「天才ピアニスト」
 という点で、「王子様」要素十分だなあ。

 実際、王子様として北朝鮮に不時着したヒロイン ユン・セリ(ソン・イェジン)を助ける。

・保衛部や村の人間にセリが潜伏していることがバレた時は、
「僕の婚約者です」とウソを言ってかばう。
・セリが山で不用意に無線を使って保衛部がやって来た時は、
 セリを抱きかかえ、パラグライダーで逃げる。
・南朝鮮に漁船で逃げるセリが臨検の船に捕まった時は、
 キスをして恋人同士を装う。
 セリに言わせれば、それは「キス」でなく「チュー」(=お子ちゃまのキス)らしいのだが(笑)
・セリが市場で道に迷って地方に暮れている時は、アロマキャンドルをかざして探しに来る。
 アロマキャンドルはセリがずっと欲していたもの。
・物資が十分でない北朝鮮で、「インスタントでない本格的なコーヒーを飲みたい」というセリのためにコーヒー豆を煎ってコーヒーを淹れてくれる。

 これだよなあ、韓流ドラマは。
 こういう王子様要素をあざとく前面に押し出して来る。
 物静かで自己表現が下手な王子様だが、さりげない優しさを見せたり、いざという時に全力でヒロインを助けに来る。
 こういう正統派の王子様は日本のドラマにはいないよな。
 敢えて言えば「花より男子」くらい。

 一方、ヒロインのセリ。
 彼女は相変わらずタフでたくましい。
 南朝鮮に帰るためには、ジョンヒョクを出世させて権力を持たせること(~セリはジョンヒョクが権力者の息子であることを知らない)だと考えた彼女は村で一番偉い大佐の妻に取り入る。
 大佐の妻の誕生パーティで、
「美しい人の隣にはいたくありません」
「同じ年だと思っていましたわ」
「もしかして私より年下ですか?」
 と、おべっかを使う(笑)
 結果、セリは大佐の妻に気に入られて、村で存在感のある女性に!

「物静かな王子様」と「たくましいプリンセス」

 王子様とプリンセスは、物語の基本なんですね。
 これをいろいろアレンジして、時代や状況設定を変えると「愛の不時着」になる。

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愛の不時着 第1話・2話~地雷原を走るヒロイン登場!(笑)そのたくましさは世界を変えていく!

2020年08月30日 | その他ドラマ
「愛の不時着」1話・2話を見た。

 ヒロインのユン・セリ(ソン・イェジン)がたくましい!
・走って地雷原を突破w
 地雷を踏みそうになるが、なぜか踏まないw
・方向音痴で南に逃げたつもりが北に行ってしまうw
・逃走中、北朝鮮の兵たちのそばを入り抜けるが、兵たちはなぜか気がつかないw
 まあ、これは北朝鮮の兵たちがおバカで、
 「冬ソナ」を見て涙していたり、母親の手紙を読んで涙していたりしているせいなんだけど。
・北朝鮮の兵たちに見つかっても彼らの弱みを握ってて仕切り始めるw
 「あなた、勤務中、お酒を飲んでたわよね?」
 「冬ソナ見てたわよね?」
 「あたしが保衛部に捕まったら全部バラすけど、いいの?」
・北朝鮮の兵たちとすぐに仲良くなれるw
 「冬のソナタの続きはこうなるのよ」
・南に帰るためなら、どんなウソもつくw
 「あたし、すぐ記憶喪失になるから、ここで見たこと忘れるわ。だから南に帰して」
・肉が食べたい、シャンプーが欲しいとわがままw

 何だ、「愛の不時着」なんてタイトルだから深刻な話かと思っていたが、ギャグではないか。
 地雷原を走り出した時は笑いました!

 しかし、このたくましさは素晴らしいな。
 普通、北朝鮮に不時着してスパイ容疑にかけられたら悲嘆に暮れるもの。
 しかし、セリは違う。
 したたかに状況を自分に有利なように変えてしまう。
 自ら仕切って、まわりを味方にしてしまう。
 基本、図々しくてイヤなやつなんですけどね。
 でも逆境におけるこの姿勢は見習いたいもの。

 世界は変えられる。

 おそらく今後、セリは北朝鮮将校のリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)や兵士たちを変えていくのだろう。
 セリ自身も彼らとの関わりの中で変わっていく。

 変わった先に見える景色はどのようなものなのだろう?

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エール 第10週 ~ふたりの共通の夢ができた! 僕のつくった曲で、君が大きな大きな舞台で歌う!

2020年06月06日 | その他ドラマ
 音(二階堂ふみ)が椿姫を降板し、音楽学校を退学。
 妻、学生、椿姫、そして母親──
 いくらパワフルな音でもこれらをすべてかなえることはできなかった。

 まあ、生きるというのは何かを諦め、捨てることでもあるしなあ。
 ただ、良い意味で強欲で、エネルギーの塊のような人は捨てずに、すべてをかなえてしまう。

 挫折した音に裕一(窪田正孝)はこんな言葉をかけた。

「その夢、僕に預けてくれないか。
 君がもう一度夢と向き合える日が来るまで僕が大事に育てるから」

「その代わり君にもいつか僕の夢をかなえてほしい。
 僕のつくった曲で、君が大きな大きな舞台で歌う!
 音は何ひとつあきらめる必要ないから!
 そのために僕がいるから!」

 裕一が初めて音を支えて言葉を与えましたね。
 今までは音がダメダメな裕一を叱咤し、励まし、与えてばかりいた。

 同時にこれはふたりが本当の夫婦になった瞬間でもある。
『裕一がつくった曲で音が大きな舞台で歌う』
 ふたりに共通の夢が出来た。
 共通の夢をもって共に歩める関係は素晴らしい。
 裕一と音は共通の夢の実現のために邁進していくことだろう。
 ………

 さて、YouTubeではこんな音源がUPされていた。
 古い音源が残ってるんですね。

「月の砂山」 内山金子(古関金子)
 ※音さんのモデルになった方の歌声です!

「船頭可愛や」 音丸
 ※下駄屋の娘です!

「古関裕而集」《船頭可愛いや》 三浦 環
 ※双浦環先生(柴咲コウ)のモデルになった方の「船頭可愛いや」


※追記
 小山田先生(志村けん)は裕一を潰そうとしていたのか?
 裕一は才能はあるが、流行歌レーベルでは才能を発揮できず潰れる。
 小山田先生はそれを狙っていた?
 それとも裕一に試練を与えて育てようとしていた?

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エール 第9週 ~歌に魂を込めよ! 音、カフェの女給さんになる! コンッ!

2020年05月30日 | その他ドラマ
 表現は必ずしもテクニックや技量だけではない。

 音(二階堂ふみ) VS千鶴子 (小南満佑子)

 テクニックや技量で劣る音がやろうとしたことは、
『歌に魂を込めること』だった。

 魂を込めること=ヒロイン椿姫の気持ちを理解することだ。
 そのために音はカフェの女給として働き始める。
「音枝です! コン!」(笑)

 さすが音ちゃん!
 抜群の行動力!
 とんでもない発想力!

 結果、鉄男(中村蒼)のために身を引いた希穂子(入山法子)を見て、音は『椿姫』を理解する。
 魂を込めて歌うことができた。

 それにしても希穂子役の入山法子さん、何て美人!
 ネットでも話題になったようだが、竹久夢二が描いた典型的な日本美人だ。

 音は『強欲』でもある。
「人妻」「音楽学校の学生」「カフェの女給」と、ひとり三役。
 人生を3倍生きている。
 千鶴子に「あなたは強欲よ」と言われて、音は悩むが、姉の吟(松井玲奈)は笑って、
「それが音の良さじゃない」

 おおっ、『強欲』というマイナスの価値観がプラスに転じた!
 強欲であることは「人間らしい」ってことなんですよね。
 現世に生きるということは、欲望を持つこと。
 欲が生きる原動力。
 欲が強ければ強いほど、その人のエネルギーは凄まじい。
 音はまさにそれ。

 大抵の物語の主人公も『強欲』。
 たとえばシェークスピアの登場人物たち。
 強欲だからこそ、いろいろな所に頭をぶつけ、周囲と摩擦が生じ、ドラマが生まれる。
 だから表現者が強欲であることはマイナスではない。

「人妻」「音楽学校の学生」「カフェの女給」とさまざまな経験をしている音は幅が広い。
 妻、学生、女給の気持ちを知っているから歌詞をより深く理解できる。
 自分が見聞きして体験するあらゆるものを自分に取り込んで、芸の肥やしにしていくのが表現者だ。

 今回は「芸能論」「歌手論」「役者論」でしたね。
 千鶴子の歌はどんな歌だったんだろう?
 魂の入った歌だったのか?
 人の心を打つのは下手でも魂の込められた表現なんですよね。
 裕一(窪田正孝)も歌詞に共感しないと曲を作れない。
 
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エール 第8週 ~裕一、『紺碧の空』で音楽づくりの極意をつかむ! 音楽とは誰かを励まし、応援するもの!

2020年05月23日 | その他ドラマ
 今回はタイトルを回収しましたね。
『エール』→「応援」「励まし」
 厳密に言うと、これは日本独自の和訳で、本当は「大声で叫ぶ」といった意味のようですけど。
 cheerの方が「応援」「励まし」の意味にふさわしいようです。

 それはともかく、
 裕一は『音楽は人を元気にし、励まし、応援するものであること』に気づいたようです。
 それまでの裕一の曲は、自分の才能をひけらかし、自分のオリジナリティにこだわり、自分の世界に埋没するものでした。
 そこにあるのは、ただひたすら「自分」。
 ここに「他人」が入り込む余地はない。

 それまでにも、いろいろな人がメッセージを送っていたんですけどね。
 たとえば、木枯(野田洋次郎)。
 彼は裕一をカフェに連れて行き、「大衆」がどのようなものかを教えようとした。
 大衆がどんなことに喜び、笑い、悲しむかを観察することで、大衆が求める音楽がつくれることを示した。
 しかし、裕一は気づかない。

 久志(山崎育三郎)も、裕一に早稲田の応援歌を作曲させることで、他人のための音楽をつくる意味を伝えようとした。
 しかし、裕一は西洋音楽や自分のオリジナリティにこだわり過ぎて、「誰かのための音楽」に気づかなかった。

 喫茶店の店主(野間口徹)も自分のつくるコーヒーを例に出して、コーヒーを愉しむお客さんのことを示唆していた。

 不器用だなあ、裕一。
 とは言え、自分のオリジナリティにこだわることは重要なんだけど。
 ゴッホ、宮沢賢治──彼らの絵や童話は生前ほとんど売れなかった。
 でも、彼らのオリジナリティは死後評価され、世界が彼らの前にひれ伏した。
 一方、器用なのが、たとえば秋元康。
 オリジナリティなどほとんどなく、曲に流行の言葉とありきたりなテーマと思いついたモチーフを適当につけて機械のように曲を量産している。
 とはいえ、そういう秋元さんのアイドル曲を僕は喜んで買ってるんですけど(笑)

 まあ、大切なのは「自分のオリジナリティ」と「大衆が求めているもの」の適度なブレンドなんでしょうね。

 誰のために曲を書くか?
 裕一にとって
『紺碧の空』は団長・田中隆(三浦貴大)のためだった。
 豊橋の演奏会で音(二階堂ふみ)が歌った曲は、音たち家族のためだった。
 こういう時に裕一は力を発揮する。
「団長や音や家族を喜ばせたい」から曲を書く。
 それはやがて「大衆を喜ばせたいから曲を書く」に拡がっていくんでしょうね。

 裕一、ようやく曲作りの極意をつかんだようです。

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エール 第7週 ~今までにない朝ドラヒロイン! 音は裕一の有能マネージャーで、自分で道を切り拓く!

2020年05月16日 | その他ドラマ
 プリンス・佐藤久志(山崎育三郎)登場!

 頭脳明晰、眉目秀麗、神が与えた美しい声!
 音楽学校の女生徒がこんなふうに褒めているのを聞いて、
「それはちょっと褒めすぎじゃないかな?」(笑)

 音(二階堂ふみ)がため息をついていると、
「ため息は似合わないな。僕でよければ相談に乗るよ」(笑)

 音がオーディションに遅刻して来ると、
「あの時計はちょっとせっかちのようですね」(笑)

 絵に描いたような「王子様」っぷり!
 僕の知り合いに、山崎育三郞さんのおっかけをしている女性がいるんだけど、さぞ狂喜していることだろう。
 つーか、御手洗先生(古川雄大)といい、この作品、「少女漫画」要素、多すぎ!(笑)
 …………

 音さんも絶好調!
 カフェに行った裕一(窪田正孝)のワイシャツに口紅がついているのを発見して、
「何でなんてことないだろおぉぉぉーーーっ!?」
「お・ん・な!」
「あんたに布団なんかないわ!」

 そして翌朝──『ご飯の量、少ない攻撃!』(笑)

 結婚すると、女性は変わるよね……。
 恋愛時代のカノジョ感はたちまちなくなる……。
 もっとも裕一も『納豆攻撃』で反撃したが(笑)
 まあ、これが結婚生活の楽しさでもある。
 夫婦はこうして関係を紡いでいくのだろう。
 ……………

 音は裕一の有能マネージャーでもある。
 曲が採用されずに落ち込む裕一に「裕一さんなら大丈夫!」と励まし、
 契約書に印税前払い金の請求要件があるかを確認し、
 年俸が半額なると聞けば、廿日市さん(古田新太)に直談判に行く!

 過去、朝ドラヒロインには『ゲゲゲの女房』『まっさん』『まんぷく』など、夫を献身的に支える女性はいたが、音さんのように精力的に動く女性はいなかった。
 道を切り拓くのは夫であり、妻はそのフォローをするのが大半だった。
 でも、音さんは逆。
 彼女が道を切り拓いていく。

『歌手』という自分の人生を歩んでいるのも、音の特徴。
 今回も音楽学校の記念祭の『椿姫』のオーディションにチャレンジした。

 この作品の制作陣は『新しいヒロイン像』を狙ってるな。

 このように、音さんは多方面で戦っていて、ともかく忙しい。
 とんでもなくエネルギッシュで、たくましい女性!
 だから、二階堂ふみさんのあの力強い演技になる。
 でも、しっかり強弱をつけていて、音が暑苦しい人物になっていない。
 二階堂ふみさんはほんと上手い役者さんだなあ。

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