平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

素朴な疑問~「台湾有事」と言うけれど、日本はこれに介入するのか?

2022年12月17日 | 事件・出来事
 あれよあれよと「防衛費倍増」と「敵基地能力保持」が決められちゃったよ。
 しかも「閣議決定」で。
 首相の岸田文雄は「わが国の安全保障政策の大転換」と表現したが、
 だったら閣議決定はダメだろう?
 これを公約に掲げて選挙で信を問えよ。
 この前の選挙で「防衛費倍増」とか言ってたか?
 やり方が「国葬」の時と同じだな……。
 閣議決定で何でも決めてしまう。
 しかも臨時国会が終わったと同時に。やり方が姑息なんだよ。
 来年の通常国会で審議されるのかね?
 ………………………………………………

 軍拡を推進する勢力は「他国が攻めて来ることへの抑止力」と言うが、本当に攻めて来るのか?

 ロシア?
 ウクライナ侵攻で余力はありません。
 攻めて来るとしたら北海道だが、シベリアを越えて軍隊を動かさなければなりません。

 北朝鮮?
 攻めるとしたら、歴史的な経緯からいって韓国だろう?
 海を渡って攻めて来るリスクを犯すバカはいない。
 仮に半島有事で日本の米軍基地にミサイルを撃ち込んで来るかもしれないが、
 国力のない北朝鮮がアメリカ・韓国・日本に戦争を仕掛けて来るとは思えないんだよね。

 中国?
 これも歴史的な経緯から言えば、攻めるのは台湾だろう?
 そのどさくさに紛れて、尖閣や先島諸島は占拠されるかもしれないけれど。
 だったら島の防衛に予算を全力で投入すべき。

 故・安倍晋三氏は「台湾有事は日本の有事」と勇ましいことを言ったが、
「台湾有事」で日本はこれに介入するのかね?
 ウクライナ侵攻が示すように、EUやアメリカがやっているのは「武器供与」だけだ。
 第三次世界大戦になってしまうから「軍事介入」はできないのだ。
「台湾有事」でもそれは同じ。
 日本が軍事介入などできるわけがない。
 隣国の友人として両者の間の仲介をするのがベストではないか?
 それに対中国強硬派の台湾の蔡英文総統は、先日、選挙で負けて辞任したぞ。
 台湾は中国融和路線に向かうかもしれない。

 というわけで、今回言いたいのは、
『中国・ロシア・北朝鮮が攻めて来るぞ→よし、軍拡だ!』
 という単純思考はやめてほしいということだ。

 別に中国・ロシア・北朝鮮の脅威を完全に否定するわけではないが、
 その可能性は何%なのか?
 当然、政府や防衛省はプロだからそういう分析をしているだろうが、
 大ざっぱでなく、もっと現状を踏まえた安全保障の議論をやってほしい。

 まあ、毎回書いているように、
 食糧自給率37%、エネルギー自給率12%の国が戦争しても勝てないんですけどね。
 だから勇ましいことを言うのはやめましょう。

 ネトウヨさんは「日本が占領されたらどうするんだ?」と言うが、
 ひとつの国を占領統治するって、とんでもないコストが掛かるんだぞ。
 それは中東を見れば明らか。
 ロシアはクリミアを併合したが、それは親ロシア派が多かったから。
 台湾も親中国派が実権を握って、多少のゴタゴタはあるかもしれないが、
 案外簡単に中国といっしょになるかもしれない。
 結果、台湾有事に備えて軍拡した日本がバカを見るかも?


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6 コメント

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ミッターマイヤー提督の言葉 (2020-08-15 21:07:49)
2022-12-17 21:26:41
久しぶりに思い出しました

旧アニメの銀英伝で、銀河帝国の貴族たちがラインハルトに反乱を起こしたときだったと思います。ミッターマイヤー提督は、門閥貴族たちの艦隊行動の先手先手を打って、次々に彼らを撃滅するのですが、こういった趣旨のことを言っています(言葉は正確ではありませんが)。
「われわれがいつまでも同じ場所にいるはずがないだろう。貴族の連中は、平民というヤツを、自分たちに殴られるのを、黙って待っていると思い込んでいる。だから度しがたいのだ」

この台詞は、今回の「敵基地攻撃能力整備」にも十分当てはまるでしょう。
「強大な仮想敵国が日本を攻撃するかもしれないから、こちらも黙って見ているわけにはいかない。なら、先手を打って相手を攻撃するのも正当防衛のうちだ。そのための能力を今から整えるのだ!」
というハチャメチャ理論ですが、ただ、相手も似たようなことは考えるでしょうから、こちらが敵基地攻撃能力を整備する前に、あちら側から、正当防衛として「先制攻撃」を仕掛けてくる可能性が増すわけです。
仮想敵国だって「日本に殴られるのを黙って待っている」はずもないんで、そういう危険性が全く語られないことが、非常に気味悪いです。
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国民の信意を問わない卑怯な輩 (半沢)
2022-12-17 23:41:57
コウジさん今晩は
記事の作成お疲れ様です

此れはもう専守防衛から逸脱し戦争する国へと変換する物で絶対に許され
ないです。全く違憲です。 また抑止力と言うより近隣諸国を挑発する事に
なり非常に危険です。本当に全面戦争になる虞が絶大にあります。こんな
暴挙は有り得ない‥
断固として反対!
返信する
殴ったら殴り返される (コウジ)
2022-12-18 10:19:18
2020-08-15 21:07:49さん

いつもありがとうございます。
『銀英伝』は政治を考える上で、実に参考になる小説ですよね。

おっしゃるとおり、殴ったら殴り返される。
しかも何10倍にもなって。
結果、日本は廃墟になる気がします。

まあ、僕は「敵基地攻撃能力が一定の抑止力になること」は否定しません。
トマホークの射程は2500キロ。
北京や平壌を十分に狙える射程です。
先方の指導者たちは一応、日本を攻撃するか否か考えるでしょう。
ただ、先程も書いたように日本が使えば、何十倍になって返しされる。
あるいはブログ本文でも書いたように、日本に攻めて来る可能性はどれくらいあるの? という疑問もある。

俯瞰してみれば、アメリカの対中政策の中に組み込まれているということでしょうね。
アメリカだけでは担えないから日本も攻撃の力を持て、と米国に言われている。
これに利権が発生している。

税金か? 国債か? という自民党の内紛も実はシナリオのあるやらせで、本質的な議論から目を逸らす目くらましかもしれません。
返信する
憲法9条の効用 (コウジ)
2022-12-18 10:34:28
半沢さん

いつもありがとうございます。

>全く違憲です。
そうなんですよね。
国葬もそうですが、岸田内閣のすごい所は、憲法や法的根拠なしに物事を進めることなんですよね。
安倍晋三氏の新安保法制の時は国会や世間で喧々諤々やりましたが、岸田内閣ではそれがない。
岸田文雄自身が無自覚だから、もっと怖い。
今回、閣議決定された安保3文書、国会で議論されることはあるのでしょうか?
ぜひ法律、憲法論議をやってほしいものです。

それと以前は「憲法九条があるからアメリカさんの戦争には参加できないんですよ」という言い訳ができたのですが、今はそれが通用しない様子。
きっかけは安倍晋三氏の新安保法制ですが、今後はもっと壊れていくと思います。

少子化や経済が縮小しているこの国で軍拡しても、衰退が加速するだけなんですけどね。
「憲法九条があるからアメリカさんの戦争には参加できないんですよ」というのは結構いい言い訳にできたんですけどね。
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世襲的な人たちの認識と実際 (2020-08-15 21:07:49)
2022-12-18 21:17:21
今の日本社会のトップにいるのは、政治家にしても財界人にしても、やはり世襲の人がメインという感じです。

戦後のソニーの盛田さんやホンダの本田さんのような、リアル社会に生きて、自分の技量でのし上がるような風雲児はいつの間にかいなくなって、学校の成績がいい優等生や、世襲的な人たちばかりになっているような感じです。

そういう優等生や世襲的な人たちって、やはりお坊ちゃんお嬢さんなので、自分を中心に考えます。
なので日本防衛のプランを作るにあたっても、相手がどう動くかを考えず、仮想敵国が「日本に黙って攻撃される」まで「ボンヤリ待っている」ことを前提にしていると思います。

ミッターマイヤー提督の言葉は、けっこう名言です。日本の仮想敵国は、まず「銀英伝社会の平民」ではないでしょうから。
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世襲の弊害 (コウジ)
2022-12-19 09:57:21
2020-08-15 21:07:49さん

>優等生や世襲的な人たち
おっしゃるとおり、『リアル社会に生きて、自分の技量でのし上がるような風雲児』ではないので、自分で道を切り拓くことはしないんですよね。
常に誰かの敷いた線路の上を走ってる感じ。
その線路のメインはアメリカ。
安倍晋三氏はプーチンに「北方領土を返したたアメリカの基地を置かないのか?」と問われて答えられなかった。
そして、「同じ未来を歩いて行こう」と恥ずかしいポエム。

ODAでお金を配れば日本の味方になってくれるって発想も甘いですよね。
それはそれこれはこれで、発展途上国は様子見しそう。

そんな中、2020-08-15 21:07:49の問題提起は重要ですね。
有事の際、彼らはどんな判断をするのでしょう?
たとえば世襲の岸田首相は右往左往して最終的に間違った判断をしそう……。
国民は無意識にこれを理解しているから、低支持率なんですよね。
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