平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

深圳で日本人男児が刺されて亡くなったことに対する極論・暴論・フェイクニュース……

2024年09月22日 | 事件・出来事
 広東省・深圳で日本人学校に通う男の子が刺されて亡くなった事件。
 心からのご冥福と、ご遺族にお悔やみ申し上げます。

 さて……。
 この事件に対する一部の人々の反応が異常だ。

 登山家の野口健氏。
「またしても日本人の子どこが狙われてしまった。シナの大使を国外追放すべき」
「最も弱い子供を狙うとは。これが連中の本性なのだろうし、それを押さえつける事が出来ない中国政府。もはや邦人を速やかに中国から引き上げさせた方がいい」


 どうして、こういう極論に行くのかな?
 犯人の動機や素性はまだあきらかにされていないが、ひとりの頭のおかしい犯罪者の問題だろう。
 それなのに──
「シナの大使を国外追放すべき」
「これが連中の本性」
「邦人を速やかに中国から引き上げさせた方がいい」

 そして、ネットではこの野口氏の意見に賛同する声が多数。
 はあ……どうして日本人はこんなにバカになってしまったのだろう?
 まあ、言っているのは一部の人なんですけどね。
 彼らが多数派になったり、彼らに持ち上げられる政治家が首相にでもなれば、中国と戦争を始めるのかな?
 くわばら、くわばら。
 やるなら、あんたらだけでやってくれ!
 それと野口健さん、あなた、以前遭難した時、中国の救助隊に助けられなかったっけ?

 あと言っておくべきは「大きな主語」を使うな!
「ひとりの中国人犯罪者」→「中国人」。
 主語が大きくなり過ぎている。

 中国人には悪いやつもいれば善良な人もいる。
 日本人にも悪いやつもいれば善良な人もいる。
 こんな当たり前のことを言わなくてはならない時代が来るなんて。
 …………………………………………

 フェイクニュースも飛び交っている。

①今回の事件は個人の問題ではない。中国政府が反日教育をしているからこうなった。

 だが、中国の学校に通っている人に拠ると、
「愛国教育、歴史教育はあるけど反日感情を植え付けるようないわゆる反日教育はない」
「学校では大日本帝国時代の日本と今の日本は違うと教えている」

②現場には1000を超える献花が集まったが、すぐに取りのけた。これが中国人だ。

 だが、Xのコミュニティノートに拠ると、
「広東の気候が暑いことを考慮し、学校側は花束をエアコンのある献花室に置いています。
 慰問の花束や気持ちは、順次遺族に伝えられています。
 これまでのところ、領事館の公式アカウントの追悼記事には、3,000件を超える慰問のメッセージが寄せられています。
 領事館は届いてる哀悼と慰問の気持ちを必ず遺族にお伝えいたします」

 飛び交うフェイクニュースに踊らされる人たち。
 これは関東大震災の時に朝鮮の人が井戸に毒を入れた、というデマが飛び交ったのと同じだね。
 彼らは少しも進歩していない。過去から何も学んでいない。


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8 コメント

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ネトウヨ思考多数 (半沢)
2024-09-23 02:21:26
コウジさん深夜にコメントすみません
野口健とはネトウヨと同じなんですね
あるYouTuberも反日教育してるから
と言ってました
ま、深く知らない人はそうかも?
韓国でもあり得るとも言ってましたが
そうならないで欲しいですね
返信する
反日教育って何なんでしょうね? (コウジ)
2024-09-23 07:54:27
半沢さん

いつもありがとうございます。

彼らの言う「反日教育」って何なんでしょうね?

いまだに「日本小鬼」と教えているのでしょうか?
あるいは統一教会のように「日本はサタンの国」と教えているのでしょうか?

だとしたら抗議すべきですが、おそらく中韓は戦前の歴史を普通に教えているだけだと思います。
たとえば、
・朝鮮は日本に併合された。
・柳条湖事件は日本の謀略だった。
みたいな当たり前のことを。
返信する
訂正 (コウジ)
2024-09-23 08:28:22
訂正
日本小鬼→日本鬼子
返信する
幻の西側諸国 (2020-08-15 21:49)
2024-09-24 06:47:51
6月にも蘇州で同じような事件がありましたが、そのときは日本人学校の中国人スタッフが亡くなりました。本当に身を挺して子どもをかばったようです。
ところが日本のネット愛国の人たちは、この中国人スタッフの犠牲に対してかなり冷淡で、そのことにも驚きました。

また、深圳のこの事件の直後、中国は日本産水産物の輸入制限を即座に解禁しました。今まであれこれと理由をつけていたのに、それらをすべて撤廃したわけです。
この豹変はかなり異例のことで、このたびの事件と関連していると考えるべきでしょう。
まあ、個人的にはALPSの原理にブラックボックス的なところがあり、ちょっと納得ができないので「処理水」の安全性には懐疑的なんですけどね。

コウジさんがおっしゃるように、大きな主語はいけません。
わたしがよくないと思うのは「血液型」と「県民性」です。
ABO血液型はたった4つしかありませんし、県もふたつ以上の藩が合併してひとつの県になっているパターンが多くて、あてになりません。それに、おっしゃるように、そもそも人間の個性のばらつきの方が大きいです。

野口さんですが、こういった文化人的な人の影響力は大きいので困ります。
ネット動画でも、最初から愛国や反東アジア諸国を謳っている「赤・黒・黄色」の派手な動画はすぐ判別がつくのでいいのですが、日本国内を巡るほのぼの紀行もの動画かと思っていると「日本の文化のよさをしみじみ思います。それに比べて近隣東アジア諸国の連中は」といった悪口に突然切り替わるタイプの動画もあって、愕然とすることもあります。
正直なところ「ネット愛国」はここまで来たかと思いますし、こうなるとなかなか防げません。もはや定着しつつあると感じます。
2000年代や2010年代くらいまでは、こういった極論を言う人は、引きこもり系も多かったのですが、最近は「新自由主義な改革遂行こそが愛国」と叫ぶ風潮と結びついて、経済的にそこそこ成功しているような知恵のありそうな人でも「反東アジア」を唱える人は増えています。
ところが、こういう「反東アジア系」の人って、日本も東アジアということをすっぱり忘れているんですよね。
しかも人口あたりのクリスチャンは、C国やK国の方が日本より多いという説もあるくらいで、実は欧米西側諸国と文化的な親和性があるのは、C国やK国かもしれないわけですね(C国の場合は隠れクリスチャンでしょうか)。
つまり、日本が西側諸国というのは、実は幻だったかもしれないわけですwww
返信する
中国の愛国教育 (コウジ)
2024-09-24 08:32:07
2020-08-15 21:49さん

いつもありがとうございます。

中国の愛国教育(転じて反日教育?)。
この件、すこし掘り下げました。
今年1月に成立した「愛国主義教育法」。
NHKニュースに拠れば、以下のような内容の様です。
『主な教育内容として、
▽中国共産党の歴史や、
▽習近平国家主席の指導思想、
▽優れた伝統文化などを列挙し
「偉大な祖国や中華民族、中国共産党などへの思い入れを高める」などとしています』(NHKニュース)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231026/k10014237691000.html

そして、その一貫として、戦前の日本の侵略行為を教材にして愛国心を高めるという意図はあるとか。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/02b182db4391aa603ff6bddffe40f87a5f846496

どこの国でも為政者は同じことを考えるものですね。
まあ、この筆者が挙げているのは、2000年の教育要綱なので(笑)、今はどうかはわかりませんが。

もし2020さんが「中国の愛国教育」について別の情報をお持ちでしたら教えて下さい。

ちなみに以前も書きましたが、僕の基本スタンスは、岸田文雄、バイデン、習近平、プーチンも金正恩もネタニヤフなど、あらゆる権力者を疑い、批判するというスタンスです。
………………………………………………

>「新自由主義な改革遂行こそが愛国」
まさに安倍晋三氏の思考ですよね。
これに「アメリカ追従」が加わります。
安倍晋三氏の登場で、今まで引きこもっていた言論が市民権を得て来たんですよね。

本来、「保守」と「新自由主義・アメリカ追従」は相反するものなんですけどね。
これがいっしょになってしまう所が面白い。

おそらく野口健氏は、頭のおかしい中国人に拠る日本人殺害には怒るが、沖縄の米兵による暴行事件には怒っていないでしょう。
返信する
上の意図通りに下は動かない (2020-08-15 21:49)
2024-09-25 06:49:58
>もし2020さんが「中国の愛国教育」について別の情報をお持ちでしたら教えて下さい。

ズバリ、特別な情報はないです(笑)。
多分愛国教育(反日教育)的なものはあったでしょうし、今もあるかもしれません。
ただいえるのは、権力を持った上の人たちが、自分好みの国民をつくろうとあれこれ頑張ってみても、下々は意外に染まらないものです(これは中国に限らず、世界共通かもしれません。
戦時中の日本もそうだったわけで、米英撃滅や大東亜共栄圏を言いながら「金鵄上がって十五銭」なんて陰では歌っていたわけです。
本当に愛国(反日?)的な刷り込みが成功していれば、日本に観光や留学に来ないと思います。ネット情報でも人づてに聞いた話でも、在日本の中国人留学生の多くが、日本での就職を希望しているといいます。
この「日本での就職や定住を希望」を取り上げて「日本乗っ取り計画」といったことを言うネット愛国の人もいますが、それは違うような気がします。前にもコメントしましたが、ギラギラした競争が嫌いで、のんびりした日本が暮らしやすいと思う人が日本に来るという傾向はあるわけなので。

それから、このYahooリンク先にある遠藤さんですが、よく分かりません。
研究データベースで調べてみると、文部省の科研費の補助を受けて、流体力学か何かの分野で論文を書いていらしたようですが、その後は「来日したアジア系留学生の教育効果」といったテーマで共同研究論文の執筆に携わったようです。
その後「大地の子は取材が雑だ」と批判するような文章を書き、それから今のような感じ(HANADA系?)になっているようです。
経歴では中国生まれとなっているようですが、ちょっと判断材料がないというのか、コメントしづらいです。



>おそらく野口健氏は、頭のおかしい中国人に拠る日本人殺害には怒るが、沖縄の米兵による暴行事件には怒っていないでしょう。

沖縄で事件が起きたら「不用心な沖縄県民はテーゲーだから、身のまわりの警戒もしなくて自己責任だ!」「ニッポンのお国を守ってくださる兵隊さんだから多少のご乱行は我慢しろ」という愛国コメントって、多いですよね。
もし暴行の犠牲者が本土人の観光客でも、そう言えるのかどうか、なんですけどね。
返信する
人間の認識能力 (コウジ)
2024-09-25 08:23:43
2020-08-15 21:49さん

そうなんですよね。
愛国教育を受けたとしても全員がそうなるわけではありません。
現に例にあげていらっしゃったように、バス事件で日本人母子を助けて命を落としたのは中国の方でした。
中国の方による献花も1000を超えました。

全員が同じ思考になってしまうのは、統一教会のようなカルト宗教なんですよね。
「日本はサタンの国」と教える統一教会の支援を受けるインチキ保守の自民党。

遠藤誉氏。
政治的な文章を読む時は筆者の立ち位置を確認する必要がありますよね。
ひとつの事例を自分に都合のいいように極大解釈する言論人には注意したいですよね。
返信する
Unknown (象が転んだ)
2024-09-25 15:48:00
この事件で真っ先に思い浮かべたのが
6月に上海の蘇州市で起きた、日本人の母子を刃物で狙った襲撃事件でした。この時は母子を守ろうと中国人女性が犠牲になり死亡しました。同じ6月には、吉林省で米国人講師4人が刃物で刺され負傷する事件もありました。
今回の広東省で起きた事件では、10歳の男児が刺殺され、事件が起きた9/18は日中戦争の引き金となった柳条湖事件(1931)が起きた日ですが、それを指摘する声もあります。

今回のニュースはBBCや香港などでも大きく報じられ、色んな見方がなされてます。
福岡市でも、2003年に中国人留学生3人による一家4人殺害が起きてますが、この時も反日教育とか色々と噂され、結局は窃盗目的の凶悪殺人との結論に至りました。
ただ、長い間、歴史的問題や領土問題で険悪な関係にあった日中関係も、経済的には良好でしたが・・・
一方で、国際的なハイテク都市・深圳という比較的裕福で安全な地区で起きたという事実は、様々な物議を醸し出しそうですね。
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