平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「最終回の奇跡」~神は細部に宿る。たった一コマのために3年間をかけた天才作家の物語

2015年12月10日 | 推理・サスペンスドラマ
 天才のこだわりというのは、すごいですね。
 マンガのたった、ひとコマをどう描くか、で悩み続ける。

 神社の階段から落ちるという事故に遭って無為におくった3年間。
 一般人はこれをムダと考えるが、天才漫画家・箱崎咲良(玄理)は違っていた。
 事故に遭ったことも、3年間のブランクも、納得のいくひとコマを描くために必要なことだったと考えた。
 だから、このせりふ。
「あの事故があったからこそ、私はあの最終回を描けることができた」
「あなたのおかげで、いい最終回が描けました」
 これらは決して犯人に対する慰めの言葉ではないだろう。
 箱崎咲良は本気でそう思っているのだ。

 こんな天才の創作への執念は誰も止められない。
 著作権管理をおこなうマネージメント会社の社長・原田良輔(内田健介)は商売のために、箱崎咲良を〝悲劇の作家〟として終わらせようとするが、逆に自分が殺されて、頓挫してしまった。
 神懸かりな天才作家・箱崎咲良にとっては、原田の死も〝天恵〟のように思えただろう。
 天はふたたび自分に描け、と命じている。
 こう考えたに違いない。
 小者・原田の浅知恵など、天才には通用しないのだ。

 最後に箱崎咲良は言う。
「これから、もっとすごいものを描きます」
 米沢さんではないが、納得のいく作品を描くために事故も3年間のブランクも必要だったと考える天才作家の作品を僕も読んでみたい。


※追記
 咲良の考えていることがわかる右京さん(水谷豊)も天才なのかもしれませんね。
 右京さんも「細部に神が宿る」ではないですが、「細かいことが気になるのが僕の悪い癖」と、よく言いますし。


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