平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第33回 「仁義なき戦い」~日本はオリンピックでない権威に接触した。政治的圧力をIOCは認めることはできない!

2019年09月02日 | 事件・出来事
 オリンピックの政治利用。
 これに異を唱える人たちがいた。

 イタリアのIOC委員ボナコッサ。
「不本意ながら、イタリアの票は東京に投じる」
 最後にはムッソリーニの圧力に屈したが、「不本意ながら」という言葉をつけ加えた。

 IOCの会長ラトゥールは激怒して、
「日本はオリンピックでない権威に接触した!」
「ここは国際連盟ではない!」
「政治的圧力をIOCは認めることはできない」

 ラトゥールもボナコッサも『オリンピックの政治からの独立』を主張しているんですね。
 オリンピックやスポーツは政治から切り離されなくてはならない。
 田畑政治(阿部サダヲ)ふうに言えば、
「オリンピックは2週間かけてやる大運動会」

 いいですね、ラトゥールやボナコッサのように信念をもった人。
 こういうふうに政治的な圧力に抵抗する人こそ、素晴らしい。
 現在は政治で、日韓関係がメチャクチャだけど、民間はしっかり交流していきましょう。
 韓国でおこなわれているU18の野球W杯も成功させましょう。
 愛知トリエンナーレで、政治家が芸術に干渉することを否定した大村愛知県知事も偉いねえ。

 しかし、政治・権力の世界はドロドロしている。
 ムッソッリーニが東京にオリンピックを譲ったことは、「サムライ精神」でもなければ、副島道正(塚本晋也)が「300本注射を打ったから(笑)」でもなかったらしい。
 河野一郎(桐谷健太)の分析に拠れば、
「ムッソリーニとヒトラーが日本に恩を売り、貸しをつくりたかった」から。

 まさに政治ですね。
 ラトゥールたちがどんなに抵抗しても、オリンピックが政治利用されている。
 ………………

 その他は登場人物たちの動き。

 美川秀信(勝地涼)再登場!
 ゴキブリのようにしぶとい!(笑)
 満州でも、たくましく生きてほしい。

 金栗四三(中村勘九郎)は東京へ。
 相変わらず四三もフラフラしているなあ。
 オリンピックやマラソンへの情熱は燻り続けていた。

 杉村陽太郎(加藤雅也)は、嘉納治五郎(役所広司)と比較して、自分の人望のなさを自覚した。
 理詰めで考える、頭のいい人には限界があるんですよね。
 世の中を切り拓くのは、田畑や四三や治五郎のような、ちょっと抜けたエネルギーの塊のような人。

 そして次回は2・26事件か。
 ムッソリーニも登場したし、壮大な近代史のドラマですね。


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4 コメント

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仁義なき戦いですな。 (ロギー)
2019-09-02 19:22:05
今晩はコウジ様。

ムッソリーニに譲ってくれと考えたのは無能な迷惑爺の治五郎爺さんですがね(あの爺さん、政治とオリンピックは癒着してはいかんといったのにあほですか)でも、彼がスピーチをしていたら、ラトゥールIOⅭ会長や委員の方々を納得させたでしょうね。
しかし、理詰めで挫折を知らないエリートの杉村氏では彼らが納得せんのは解ります。
杉村氏は基本的には官僚ですから、ラトゥール会長の嫌悪するオリンピックと権力の癒着を連想させてしまいますからね。

今回、一番つらい思いしたのはマーちゃん(政治)ですかね。
自分が奔走してロス五輪は日本はメダルラッシュで、日本を少しでも明るくしようとする目的は達成しましたけど。
そのせいで、オリンピックは国家の威信をかけたプロジェクトになったことを河野とマリーに指摘されてショックを受けるマーちゃんの辛さは同情します。

今回の四三はすこしひどいですね。
嫁のスヤに相談せず弟子の勝を連れて治五郎爺さんのいる東京へ行くなんて、勝手ですよ。
しかし、綺麗な嫁さんと可愛い子供に囲まれて裕福な暮らしを送れて郷土の英雄として世間でもてはやされて地元の名士となった四三ですけど。
自由は無いんでしょうね。

次回は226事件でマーちゃんは一気に絶望を知りますが、ここから彼の本当の戦い何でしょうね。
予告で会社が軍に占拠されたシーンなど、激動ですな。
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国家の前には個人は無力 (コウジ)
2019-09-02 21:53:54
ロギーさん

いつもありがとうございます。

確かに、ムッソリーニ利用の言い出しっぺは治五郎先生でしたね(笑)
治五郎がIOC総会に行っていたら、どんな対応をしていたんでしょう?
政治家でも官僚でもない治五郎が、この政治案件をどう扱ったのか?
興味深いですね。

ボナコッサもそうですが、マーちゃんは結局、『個人』なんですよね。
『個人』では『国家』や『時代の流れ』というものに抗しきれない。
最終的には流されてしまう。
ここに田畑政治の苦悩があるんですよね。

四三に関しては、
妻や子を捨てるくらいの常識知らずでないと、大事をなし得ないということでしょうね。
これを「ひどい」と取るか、「魅力」と取るかは、視聴者の人生観に拠る。
僕は「天才」や「特異な才能の持ち主」を常識という枠にはめてはいけないと思っています。

2・26では朝日新聞が占拠されるんですか。
予告を詳細に見ていませんでした。
どんな2・26が描かれるのか、楽しみです!
返信する
五輪 (TEPO)
2019-09-06 00:34:14
ちょっと出遅れ気味ですが出張から戻り、今録画を見ました。

杉村、副島、そして政治という「奇妙な三人組」の奮闘はそれなりのドラマでした。
しかし、私個人は
「ムッソリーニとヒトラーが日本に恩を売り、貸しをつくりたかった」から。
と分析する河野一郎に近い思いで見ていました。

女優さん目当てで見ている私としては、美川同様スヤさんの変貌に驚きました。
すっかりと「どっしりとした」おかみさんでしたね。
四三が「家出」した時の置き手紙、猫が悪さしないかちょっと心配です。

おそらく、五りんの父親小松勝のアスリートとなる夢は挫折して彼は満州に散るのでしょうね。
関東大震災で遭難した祖母シマと相俟って、五りんは五輪の夢叶わなかった一族の代表ということなのでしょう。

今後、一旦は招致が成功する東京オリンピックは結局幻に終わります。
成功者を描かないのが宮藤官九郎氏のスタンスなのかもしれませんが、視聴率はとれないでしょうね。
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見えてきた五りんの心の中 (コウジ)
2019-09-06 09:30:13
TEPOさん

いつもありがとうございます。
出張お疲れ様でした。

河野一郎の見解。
僕は、香港の行政長官が一昨日、逃亡犯条例を撤回した時に、同じではないか、と思いました。
撤回は、周庭さんらデモが勝ち取ったものでなく、習近平とトランプの駆け引きの結果おこなわれた?
周庭さんらは結局、トランプと習近平の手のひらの上で踊らされているだけ?

スヤさん、確かに。
自転車を快走させるスヤさんの回想シーンがありましたが、あの頃のスヤさんはもういない。
これが夫婦生活なんですよね。

猫についても同じことを思いました。
猫がいることで視聴者をちょっと不安にさせる。
芸が細かいですね。

五りんが落語でオリンピックを語っているのは、亡き祖母や父の思いや願いを表現したいからなんでしょうね。
やっと五りんの心の中が見えてきましたね。

視聴率は大河最低記録を更新して5%になったようですね。
前回も書きましたが、こんなに面白いのにどうして? と思ってしまいます。
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