漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1105

2022-11-08 06:20:01 | 古今和歌集

うきめをば よそめとのみぞ のがれゆく くものあはたつ やまのふもとに

うきめをば よそめとのみぞ のがれゆく 雲のあは立つ 山のふもとに

 

あやもち

 

 この世のつらい思いをよそ目に見ようと思って逃れて行くのだ。雲が沸き上がるように立っている山の麓へ。

 詞書には「そめどの あはた」、左注には「この歌、水尾の帝の、染殿より粟田へ移りたまうける時によめる 桂宮下」とあります。「そめどの(帝の離宮)」「あわた(地名)」を詠み込んだ物名歌で、第56代清和天皇が退位され、染殿から粟田へ移られた時に詠んだ歌。あった場所は「桂宮」を詠み込んだ 0463 の次、ということになりますね。
 作者のあやもちは不詳の人物。古今集への入集はこの一首のみです。 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。