フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

読書会の報告が遅れました。

2006-05-26 18:53:53 | 読書会
5月から読書会は弟2水曜日になりましたが間違わずに集会出来ました。

今月は飢餓海峡(水上勉著)を読みました。
上下巻ですから、結構読むのに時間が掛かるかと思ったけど、
ドンドン読んでしまった、と言うのが皆さんの意見でした。

終戦直後の北海道、青森に実際あった事件をヒントに、著者が作品に
したと言っていますが、戦後の貧しい農村のこと、北海道の炭坑のこと、
村の生活習慣、村の貧困状態など詳しく描かれていますが、
どれも現在の生活からは想像も出来ない事ばかりです。

この小説の始めに起きた犯罪も、刑務所から出所した時に渡されるお金が
少なすぎたこと、出所するときの衣服も何年か前に刑務所に入ったときに
着ていた血のついた儘の物だったことが、原因していると書かれています。

出所して、すぐに何もお金がない、迎えに来る人も居ない。
彼らがまずは強盗をしてお金を作る。そこから作品は始まっていく。
そしてこのことがずっと尾を引き、登場人物の絡みあいが始まる。

身を売って生活している八重という女性が、明るく親切で、誠意があり
更にあか抜けした色白と、良いところばかりに描かれている。
水上勉さんのマドンナなのよね、と言う意見に納得。
水上勉さんの作品は常に弱者に対しての心遣いが見られる、
と言う意見にも納得。

水上勉作品は女性に人気があります。
この作品で、もう推理小説は書かないと言い切っているのに
興味が湧きました。
それだけ人物、推理性のストーリーに情熱を注いだのでしょうね。

6月14日(水)は新田次郎著「アラスカ物語」を読みます。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする