燃えるごみの収集日なのでゴミを持って外に出たくらいで、殆ど家に居ました。多少雨が上がっている時間があったかどうか、定かではありませんが、一日中雨が降っていたような気がします。
一か月位前にお願いしていた海苔が、今日やっと配達されました。
ちょっとしたお礼や手土産用に、海苔あると便利です。
わたし自身、焼き海苔は子供のころからよく食べていましたので、手元に無いと何となく心寂しい…。
今では見られない光景ですが、わたしが子供の頃、大森の家の周りは海苔屋さんが多く、畑にしている広い土地に海苔を干す為の杭を打ち、紙を貼っていない障子のような物をズラッと並べ、そこに海からとってきた海苔を機械で細かく切り、簀の子のような物に薄く広げ干していました。
海苔が濡れている時は、静かなのですが少し乾き始めるとパリパリ音がし始めるのです。乾くときの音なのですが、畑中に干してある海苔が一斉に音を発てるので、海苔が囁いているような気がして、海苔干場をあちこち歩き回り、耳を近づけ聞き入っていました。
その家のおばさんたちは、そんなわたしに”面白い子だね”と言われたものです。大分前に海苔が採れなくなり、広い海苔の干し場は、当初アパートになり今ではマンションになっています。当時の景色が懐かしいです。
海苔を採りに行った船で、海苔の網に掛かったワタリガニやシャコの収穫物を届けてくださいましたので、贅沢な物を食べていました。”ワタリガニは網を切るので困る”と言っていましたが、ブリキのバケツでワタリガニを頂くわたしたちは大喜びでした。
海苔を海に採りに行くのは寒い冬だけで、夏場は余り船を出しません。家の前の川に、船が何艘も止めてありました。その船でハゼ釣りに連れて行って頂いたり、引き潮の時間に行くといつもは無いのに島が出来ていて、そこで潮干狩りをしました。
アサリは勿論、ハマグリや赤貝も取れました。名前を忘れましたが、長ぼそくて黒い色をした貝も取った覚えが有ります。オーブンで焼き蛤にして食べましたし、あさりは佃煮にしていました。
最も、潮干狩りは今の大森海岸の競艇所辺りでも、びっくりするほど採れました。先日長女と当時の想い出話をしたからでしょうか、独りで昔々の世界に浸っていました。
雨降りの一日、再生するための衣類を解きながら、昔々の事を想い出していました。悲しいこともありましたが、こんなに幸せなことも有ったのです。イカが安かった時、イカを開いて干した物を焼いて、おやつに食べた記憶があります。柔らかくて美味しかったです。