『四分律行事鈔』(南山道宣)に「五観の偈」というものがあります。高野山でむかし行をしていたときは食事の都度唱えました。念のため記しておきます。
一 計功多少量彼来処(ひとつには功の多少を計り彼の来処をはかれ)
二 忖己徳行全缺多減(二つには己が徳行の全か缺か多か減かをはかれ)
三 防心顕過不過三毒(三つには心をふせぎとがをあらわすは三毒にすぎず)
四 正事良薬取済形苦(四つにはまさにりょうやくをこととしてぎょうくをすくわんことをとれ)
五 為成道業世報非意(いつにはどうごうをじょうぜんためなりせほうはいにあらず)
意味は
一 この食事が調うまでの多くの人々のご縁に思いをいたします。
二 この食事をいただくにあたって自分の行いが供養に相応しいものであるかどうか反省します。
三 心を正しく保ち過ちを避けるために、貪りなどを持たないことを誓います。
四 この食事を、身体を養い力を得るための良薬としていただきます。
五 この食事を、仏道を正しく成し遂げるためにいただきます、ということです。
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2 コメント
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- Unknown (管理人)
- 2020-10-17 11:07:06
- コメントありがとうございました。古い記事までご覧いただき感謝です。またご感想をお寄せください。
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- 四分律行鈔 (まちこ)
- 2020-10-16 09:30:27
- 初めまして。朝のミニ旅番組で「暗闇なべ」というランチが紹介され、ご住職が、食事をするときはどこからその材料がここまで来たのかを考え、その食事に値する人間であるかどうかを考えなさい、とおっしゃって、その時四分律行鈔が注釈として画面に出ました。興味を持ちいろいろ調べているうちこちらのブログへ。あの言葉は「一 計功多少量彼来処二 忖己徳行全缺多減」のことをわかりやすくおっしゃったのですね。こちらはとても細かく説明されて勉強になりました。現代の私たちは食事前の「いただきます」ですべてを言い表しているのかもしれませんが、本当は非常に奥深いものだと感じました。うちは神棚と仏壇があり、毎朝感謝の御礼を欠かしません。そのせいかどうかはわかりませんが、大震災や家庭危機の時、摩訶不思議な体験をいたしました。すべての宗教は根本では同じところから来ていると思ってお参りしております。福聚講も初めて知りましたが、素晴らしいと思います。有難うございました。
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