福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)39

2019-10-09 | 諸経
善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)39

丗八番目、閻浮提の摩竭提国 開敷樹華(かいふじゅけ)夜神(女神)
開敷樹華夜神も同じ説法の会座におられるのですぐに善財はお会いすることが出来ました。この神様は男神・女神と諸説ありますが前世の記述の所から推測するに女神と思われます。「彼の夜天を見奉るに衆寶香樹楼閣の内にいまして寶樹の下の獅子座に処し百万の諸天眷属に囲繞せられたまえり」とあります。善財が「天神よ・・云何が菩薩の行を学び菩薩の道を修し、薩薩若に趣くや」とたずねると、開敷樹華夜神は、「我已に【無量歡喜知足光明法門】(衆生に限りない満足を与える歓喜光明の法門)を成就せり」といい「夕暮れに衆生が家路に急ぐのも自分の威神力によるのだ。精神の迷えるものには禅定を修めさせ、三界の火宅にさ迷う者には願波羅蜜に住することを教え、業に苦悩する者には力波羅蜜を教え、無智の者には智波羅蜜に安住させる。自分は広大な喜びを生み出す歓喜の光明という境地を会得している。」といいます。

「善男子。我日沒に於いて優鉢羅・鉢曇摩華、皆な悉く還合す。若し諸人衆の園觀に遊ぶ者は縱逸を廢捨して其家に帰る時、爲に光明を放て險しき徑に在る者には照して平路を示し、彼をして專ら一切智の道を求めしめ、若し於山巖・深水・曠野に於いて如是等の種種の難處に在らば悉く光を放ちて照し、衆苦を免れ安隱樂を得さしむ。又善男子よ、若し諸衆生、五欲に放逸ならば其が為に老病死苦を顯現して悉く覩見して放逸を捨離し善根を修習せしむ。慳貪者の為には布施を讃歎し、若し犯戒者には淨戒を安立し、瞋恚者の為には大慈を讃歎し忍辱に安立す。若し懈怠者には教えて菩薩精進を修行せしめ、若し亂心者には教えて諸禪三昧を修習せしめ、若し愚癡者には其をして深く般若波羅蜜に入らしむ。小法をねがふ者には教ふるに大乘を以てし、三界に著する者には菩薩圓滿無著諸波羅蜜に住せしめ、若し諸衆生の功徳羸弱にして衆の結業に逼迫せらるる者の為には菩薩の力波羅蜜に住せしめ、無智に順う者には菩薩の智波羅密に住し癡闇を捨離
せしめん 。
善男子。我已に【無量歡喜知足光明法門】(衆生に限りない満足を与える歓喜光明の法門)を成就せり。」

これは菩薩五十二位の下から丗七番目、十地の下から七番目ということで「華厳五十五所絵巻」にはここは「第七遠行地」と書かれています。 遠行地とはウキぺデア等によれば「方便波羅蜜を成就して修惑を断じ、大慈悲心を発し二乗の自度を遠離し重々無尽の境地に入る。この位は第二阿僧祇劫の行を終ている」。

昔小学校5年生の時母親が亡くなり父親独りで私と当時幼稚園だった妹を見ていましたが、お盆の時期などはどうしても夜まで父は帰ってこれません。そこで近所の浄土宗の寺に我々兄妹は預けられていました。此のお寺のご住職は父と仲が良く親切にしてくれました。我々も遅くまでその寺で過ごしお月さまが出ているのを見た記憶があります。開敷樹華夜神は夕暮れに衆生が家路に急ぐのも見守ってくれているというのです。このご住職も開敷樹華夜神だったかもしれません。

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