福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は秋篠寺善珠の遷化された日

2023-04-21 | 法話

「本朝高僧傳」

「秋篠寺善珠傳。釈善珠。姓阿刀氏、南京の人。或曰、藤太皇后の孽子也。早歳に興福寺に入り玄昉に従ひて法相を習ふ。天性神悟、勉学輟す。溽夏に属して頭熱瓜の如し、鬚髪判落し確乎撓まず。未だ弱冠に至らざるに博く三蔵を該し唯識に通貫す。尤も因明に精し。君臣欽尚、四衆称奉。睿山根本中堂落慶供養の日、伝教大師、珠を請ひて導師と為す。初め早良太子、藤黄門種継と郤(げき・仲違)有り。竊に近臣に命じて種継を射殺す。天皇大に怒り、太子を将に殺さんとす。太子、諸寺に使を遺り豫め冥福を修す。諸寺皆拒む。珠独り使いを納れて曰く、太子宿殃を以て厳譴を受く、今幸に債を還す、怨みを結ぶ勿れ矣。論弁激切、使者反命す。太子喜んで曰く、我、師の言を聞き忍辱の衣を披る。逆鱗怕ず。既に淡路を講ず。遂に中路に於いて食を断ちて殂す。延暦十六年早良の霊、皇子を逼悩す。毉巫効無し。珠に勅して持念、珠、霊に告げて曰く「昔貧道言を聞く、已に忍辱の衣を披ると。今何ぞ怨みを為す乎」。般若経を講じ皇子病瘳ゆ。天皇大悦、擢んで僧正に為す。是の年四月某日(扶桑抜粋・僧綱補任、俱に四月廿一日丙子と作る)。化す。壽七十有五。臘若干歳。珠常に弥勒を念ず。時の人、僉曰く、兜率に上生すと。是より先誤ちて僧房の壁に唾す。黜下衣鉢を鬻ぎ、奇香を買ひ、煎洗して志を遂ぐ。珠、滅後、数十年を歴て壁に香気あり云々。撰述甚だ多し・・」

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