福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

昨日護国寺岡本貫首様の本葬

2019-11-30 | 講員の活動等ご紹介
昨日護国寺岡本貫首様の本葬に参列させていただきました。
岡本貫首様には当方も何十年もまえに奉鐘会で定期的に朝鐘を突かせていただいて以来ご縁を頂いてきました。法話も何度も拝聴しその温容に接するとき限り無く心が休まったのを覚えております。
昨日はその岡本猊下の高徳を讃えるかのように空は晴れ上がり境内は有縁の緇素で立錐の余地もないくらいでした。このような混雑はダライラマ法王の東日本慰霊祭以来でしょう。
関係者が続々と岡本貫首の功績をたたえていました。
教団の中の功績・地元に対しする功績・護国寺発展の功績など枚挙に暇ないのですが、きりがないので
特筆すべき二点を挙げれば
1、 チベット仏教を保護されたこと。
2、 常に「熙怡微笑」を絶やされなかったこと。
ではないかと思います。

1、チベット仏教への支援は「岡本貫首は相当な覚悟をもってされていた」とは昨日の豊山派宗務総長の弔辞にもありました。その関係で
ダライ・ラマ法王による東日本大震災犠牲者四十九日特別法要を催されたり


、最近でも毎年チベット僧によるチベットフェスチバルを開催し苦難のチベットを支援されていました。
誠に尊いことでした。

2、岡本猊下の功績をしのぶために当日桂昌殿に猊下の生前のご活動を偲ぶ写真展がありました。その入り口に猊下の「熙怡微笑」(きいびしょう)という字が大書されていました。
この岡本猊下の揮毫の「熙怡微笑」は理趣経からとったものです。
 理趣経に「時薄伽梵一切 如來大 乘現 證 三 麼耶一切 曼荼羅 持金 剛勝薩垣 。 於三 界 中。 調 伏 無餘 。 一切義成就 。 金剛手菩薩摩訶薩。 爲歓重顯明此義故 。 熙怡微笑。 左手作金剛慢 印 。 右手抽擲本初大金剛。 作勇進勢 。 説大樂金剛不空 三 麼耶心」((理趣釈による訓読) 「時 に 婆伽梵一切 如 來 の 大 乘 を も て現 に 三 昧 耶一切 曼茶羅 を 證 せ る 持 金 剛 勝 薩垣 三 界 の 中 に 於い て調伏 して餘 り無 か らしむる。 一 切義成就金剛手菩薩摩訶薩重ねて 此 の 義 を 顯 明 せ ん と欲うが 爲 の 故 に熙怡微笑 して 左 の 手 に金 剛 慢 印 を作 り、右 の 手 に 本初 の 大金剛 を抽擲 して 、 勇進 の 勢 を作 し、 大樂金剛不 空 三 昧耶 心 を説 く」)とあります。
ここで「熙怡」とは「ひかり・よろこぶ、こと」と松永有慶「理趣経講讃」にあります。
まさに岡本猊下の和顔は「ひかりよろこんで」おられるお顔でした。しかしこの語をわざわざ揮毫されているというのは岡本猊下が常日頃強く意識されて「熙怡微笑」に努められていたことを物語るのでしょう。私も拳拳服膺すべきと思いました。
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