福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金光明最勝王經・全訳・・32/32

2020-02-01 | 諸経
金光明最勝王經・全訳・・32/32

金光明最勝王經・付囑品第三十一(お釈迦様が無量の菩薩・人天に対してこの経の広宣流布を命じられた。)

(大師の「金勝王經祕密伽陀・付屬品五言(付屬品第三十一)では
「大寶空しく授けず 人に由ちて道は則ち傳ふ 文殊は顧囑に膺あたり 綴集して全篇を為す 金仙影を滅すと雖も 玉偈廣く流宣す 虚空は質礙と成る 此法豈に能く遷んや

至心懺悔
我無明妄三業に由りて 夢裏に衆多の惡を造作す 乘覺思惟するに作者無し 我心は空の如し罪何んぞ住せんや 三業は畢竟して無所有なり 十惡卽是十善等 善惡二法は無自性なり 無染無淨にして平等如なり 如如も亦た空、空も亦た空
空空大空は卽ち大覺なり 我等空王の前に奉對し 不懺にして懺す哀んで攝受したまへ

至心發願
願くは我妙經王を演說せむ 一一の聲字は皆實相なり 實相は三世間に周遍して 平等平等無偏黨なり 所生の功徳は無限量なり 願くは國王五大類(上界天・虛空天・地居天・遊虛空天・地下天)と共に 十方衆生海を窮盡し 平等に一如の宮に證入せん。

經中每品頌等に若し歸命を用いば皆先稱し、弟子厶甲等歸命盡十方最勝業遍智に歸命すと、といひ、末後に

大覺牟尼尊に帰命頂礼すといふべし。若し發願を用ふるならば先ず誦して、弟子厶甲等至心發といひ、末後に發願し已りて歸命頂禮大覺牟尼尊といふべし。
若し懺悔勸請迴向等を用ひば隨宜便通用せよ。皆悉く如是に作物して後、詞を增加せん耳。」)



爾時世尊、普く無量菩薩及び諸人天一切大
衆に告げたまはく「汝等當に知れ、我無量無數大劫より、勤修苦行し甚深法・菩提正因を獲て已に汝が爲に説く。汝等誰か能く勇猛心を發し恭敬守護し我涅槃後に此法門に於いて廣宣流布し、能く正法をして世間に久住せしめん」。爾時、衆中に六十倶胝諸大菩薩・六十倶胝諸天大衆ありて異口同音に如是語を作す「世尊。我等咸く欣樂之心有り。佛世尊の無量大劫に勤修苦行して所獲の甚深微妙之法・菩提正因に於いて、恭敬護持し不惜身命ならん。佛涅槃後は此法門に於いて、廣宣流布し、當に正法をして久住世間ならしめん」。爾時諸大菩薩は即ち佛前において伽他を説て曰く
「世尊眞實語は 實法に安住す
彼の眞實に由るが故に 此經を護持す
大悲を甲冑と為し 大慈に安住し
彼の慈悲力に由りて 此經を護持せん
福の資糧は圓滿し 智の資糧を生起す
資糧滿つるに由るが故に 此經を護持す
一切魔を降伏し諸邪論を破滅し
惡見を斷除するが故に 此經を護持す
護世(四天王)并に釋梵 乃至阿蘇羅
龍神藥叉等 此經を護持す
地上及虚空 久しく斯に住する者は
佛教を奉持するが故に 此經を護持す
四梵住(四無量心)は相應し 四聖諦は嚴飾し
四魔を降伏するが故に 此經を護持す
虚空は質礙(有形物)と成り 質礙は虚空を成ずとも
諸佛の護持する所 能く傾動する者無からむ」

爾時四大天王は佛の此の妙法護持を説くを聞きて、各の隨喜して正法を護る心を生じ、一時に同聲に、伽他を説ひて曰く
「 我今此經において 男女眷屬に及び
皆一心に擁護して 廣く流通するを得しめん。
若し持經者ありて 能く菩提因を作せば
我常に四方に於いて 擁護して承事せん。
爾時天帝釋、合掌恭敬して伽他を説いて曰く
「 諸佛此法を證す 報恩を欲するが為の故に
菩薩衆を饒益し 出世して斯經を演のぶ
我、彼の諸佛に於いて 報恩し常に供養し
如是の經及以び持經者を護持せん」

爾時、覩史多天子は合掌恭敬して伽他を説て曰く
「 佛如是經を説く 若し能く持つ者有らば
當に菩提位に住し 覩史天に來生せん
世尊、我慶悦し天の殊勝報を捨て
贍部洲に住し 是經典を宣揚せん」
爾時、索訶世界主梵天王は合掌恭敬して伽他を説ひて
曰く
「諸靜慮無量 諸乘及び解脱は
皆な此經より出る 是故に斯經を演(の)ぶ
若し是經の説く處 我れ梵天樂を捨てて
如是の經を聽んが為に 亦た常に擁護を為さむ」
爾時魔王子、名て曰く商主は合掌恭敬して伽他を説きて曰く
「若し此の正義相應の經を受持するものあらば
魔の所行に随はず 魔惡業を淨除せん
我等此經に於いて 亦た當に勤て守護し
大精進の意を發して 隨處に廣く流通せしめん
爾時魔王、合掌恭敬して伽他を説て曰く
「若し此經を持するものあらば能く諸煩惱を伏せん
如是の衆生類 擁護して安樂ならしめん
若し是經を説くあらば 諸魔は便を得ること能わじ
佛威神に由るが故に 我當に彼を擁護すべし。
爾時、妙吉祥天子は亦た佛前において伽他を説て曰
「諸佛妙菩提 此經中に於いて説く
若し此經を持つ者 是は如來を供養するものなり
我當に此經を持して 倶胝の天の為に説かん
聽聞する者を恭敬して 勸て菩提處に至らしめん」
爾時慈氏菩薩、合掌恭敬して伽他を説て曰く
「若し菩提に住する者を見ば 與に不請の友となり
乃至身命を捨つるとも 爲に此經王を護らむ
我如是の法を聞く 當に覩史天に往き
世尊の加護に由りて 廣く人天の為に説くべし」
爾時上座の大迦葉波は合掌恭敬して伽他を説て曰く
「 佛は聲聞乘に於いて 我智慧鮮すくなきを説く
我今自力に隨ひて如是の經を護持せん
若し此經を持する者あらば 我當に彼を攝受して
其の詞辯力を授けて 常に隨て善哉と讃ずべし」
爾時具壽(弟子)阿難陀は合掌して佛に向て伽他を説て曰く
「我親しく佛に従って無量衆經典を聞くも
未だ曾って如是の深妙法中王を聞かず
我今是經を聞き 親しく佛前に於いて受く
諸の菩提を樂ふ者は 當に爲に廣く宣通すべし
爾時世尊、諸菩薩人天大衆各各發心し
此經典において流通擁護・勸進菩薩・廣利衆生するを見たまひて、
讃て言く「善哉善哉。汝等能く如是の微妙經王に於いて
虔誠けんじょう流布し乃至我が般涅槃後に於いて、散滅せしめず。
即ち是れ無上菩提正因にして所獲の功徳は恒沙劫において説くとも盡すこと能わず。若し苾芻・苾芻尼・鄔波索迦・鄔波斯迦及び餘の善男子善女人等、供養恭敬し書寫流通して人の為に解説せば所獲の功徳は亦復た如是なり。是故に汝等應に勤修習すべし。」爾時、無量無邊恒沙大衆は佛説を聞き已りて皆大歡喜し信受奉行せり。
金光明最勝王經卷第十終わり
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