玉城 康四郎は1915年7月29日 熊本市の浄土真宗の門徒の家に生まれています。東京大学教授、名誉教授、東北大学教授。『ダンマの顕現』『仏教の根底にあるもの』等自らの深い禅定体験に基つ゛き書かれています。
当方もT先生のお誘いで井之頭線沿線の玉城師の邸宅へお邪魔してことがありますが奥様が「(師は)いつも瞑想ばかりしておりました」とおしゃったのが印象的でした。奈良のT先生のご自坊には玉城師の遺骨の分骨と「不可思議の縁の海に 浮かびぬる ともに いのちの ともずなを 解く」という掛け軸がありました。
玉城 康四郎の言葉です。
「ヘドロもどろ、塵芥のような吾々が、覚れるのである。これにまさる奇跡があろうか」
「ダンマ・如来とは形なき『いのち』そのものであり、言葉をこえた純粋生命である。業熟体とは、限りない以前から、生まれ替り死に替り、死に替り生まれ替り、輪廻転生しつつ、その間にあらゆるものと交わりながら、いまここに実現している私自身の本質であり、同時に宇宙共同体の結び目である。もっとも私的なるものであると同時に、もっとも公的なものである。それは私自身でありながら、その根底は、底知れぬ深淵であり、無明であり、無智であり、黒闇であり、あくた、もくたであり。黒々とつらなっていく盲目の生命体である。それは私自身であると同時に宇宙共同体である。
このような業熟体にこそ、ダンマ・如来、形なき『いのち』そのものが顕わになり、通徹し続ける。それはあらゆる形を超えながら、あらゆる形を包み込む永遠の働きである。その働きの真っ只中で、その働きに全人格体を打ち任せながら禅定を行ずる。ブッダはそう教えてくれるのである。」(ダンマの顕現)
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玉城先生の『正法眼蔵』現代語訳は、諸本の中でも白眉ですね。
以前、今般休刊した『大法輪』の特集で紹介させていただきました。