弁惑指南巻一
「実相とは、阿字の実義なり。
その実義を云はば、
大日経に、阿字諸法本不生と説いて、有としあらゆる、天地の間の万物、地獄、鬼、畜、修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏の十界までも、咸くみな本来本有にして始めもなく終わりもなし。
今はじめて生ずるに似たれども、実に生するにあらず。今はじめて滅するに似たれども、実に滅するにあらず。
又、昔曽、生ぜるにもあらず。未来に生ぜるにもあらず。未来に滅すべきにもあらず。畢竟常住にして動転することなく、変遷することなしと知る。
是を本不生の実義と云なり。・・・」
「実相とは、阿字の実義なり。
その実義を云はば、
大日経に、阿字諸法本不生と説いて、有としあらゆる、天地の間の万物、地獄、鬼、畜、修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏の十界までも、咸くみな本来本有にして始めもなく終わりもなし。
今はじめて生ずるに似たれども、実に生するにあらず。今はじめて滅するに似たれども、実に滅するにあらず。
又、昔曽、生ぜるにもあらず。未来に生ぜるにもあらず。未来に滅すべきにもあらず。畢竟常住にして動転することなく、変遷することなしと知る。
是を本不生の実義と云なり。・・・」