福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

中臣の祓

2014-02-14 | 諸経
中臣祓なかとみのはらへ

高天原たかまのはらに神留坐かむづまりまします 皇親すめむつ神漏岐かむろぎ神漏美かむろみの命みことを以もちて 八百万やほよろづの神等かみたちを 神集かむつどへに集賜つどへたまひ 神議かむはかりに議賜はかりたまひて 我あが皇孫尊すめみまのみことをば 豊葦原とよあしはらの水穂みずほの国くにを 安国やすくにと平たひらけく所知食しろしめせと事依ことよさし奉まつりき
如此かく依よさし奉まつりし国中くぬちに荒振あらぶる神達かみたちを 神問かむとはしに問賜とはしたまひ 神掃かむはらひに掃賜はらひたまひて 語問こととひし磐根いはね樹きの立草たちくさの垣葉かきはをも語止ことやめて 天磐座あめのいわくら放はなち 天あめの八重雲やへくもを伊豆いづの千別ちわきに千別ちわきて 天降あまくだし依よさし奉まつりき
如此かく依よさし奉まつりし四方よもの国中くになかに 大倭おほやまと日高見ひたかみの国くにを安国やすくにと定さだめ奉まつりて 下津したつ磐根いはねに宮柱みやはしら太敷立ふとしきたて 高天原たかまのはらに千木ちぎ高知たかしりて 吾あが皇孫尊すめみまのみことの美頭みづの御舎みあらかに仕奉つかへまつりて 天あめの御蔭みかげ日ひの御蔭みかげと隠坐かくりまして 安国やすくにと平たひらけく所知食しろしめさむ国中くぬちに成出なりいでむ 天あめの益人等ますひとらが 過あやまち犯おかしけむ雑々くさぐさの罪事つみごとを
天津罪あまつつみとは 畦放あはなち 溝埋みぞうめ 樋放ひはなち 頻蒔しきまき 串刺くしさし 生剥いけはぎ 逆剥さかはぎ 屎戸くそへ 許々太久ここたくの罪つみを天津罪あまつつみと宣別のりわけて
国津罪くにつつみとは 生膚断いきはだだち死膚断しにはだだち 白人しらひと胡久美こくみ 己おのが母はは犯罪をかせるつみ己おのが子こ犯罪をかせるつみ 母ははと子こと犯罪をかせるつみ子こと母ははと犯罪をかせるつみ 畜けもの犯罪をかせるつみ 昆虫はふむしの災わざはひ 高津神たかつかみの災わざはひ 高津鳥たかつとりの災わざはひ 畜けもの仆たふし蟲物まじもの為せる罪つみ 許々太久ここたくの罪つみ出いでむ
如此かく出いでば 天津あまつ宮事みやごとを以もちて 天津あまつ金木かなぎを本打切もとうちきり末打断すゑうちたちて 千座ちくらの置座おきくらに置おき足たらはして 天津あまつ菅曾すがそを本苅断もとかりたち末苅切すゑかりきりて 八針やはりに取辟とりさきて
天津祝詞あまつのりとの太祝詞事ふとのりとごとを宣のれ 如此かく宣のらば
天津神あまつかみは天あめ之の磐門いはとを押開おしひらき 天あめ之の八重雲やへぐもを伊豆いづの千別ちわきに千別ちわきて所聞食きこしめさむ 国津神くにつかみは高山たかやまの末すゑ短山ひきやまの末すゑに登坐のぼりまして 高山たかやまの伊穂理いほり短山ひきやまの伊穂理いほりを撥別かきわけて所聞食きこしめさむ
如此かく所聞食きこしめしては 罪つみと云いふ罪つみは不在あらじと 科戸しなどの風かぜの天あめの八重雲やへぐもを吹放ふきはなつ事ことの如ごとく 朝あしたの御霧みきり夕ゆふべの御霧みきりを朝風あさかぜ夕風ゆふかぜの吹掃ふきはらふ事ことの如ごとく 大津辺おほつべに居をる大船おほふねの舳へ解放ときはなち艫とも解放ときはなちて大海原おほわだのはらに押放おしはなつ事こと如ごとく 彼方をちかたの繁木しげきが本もとを焼鎌やきがまの敏鎌とがま以もて打掃うちはらふ事ことの如ごとく 遺のこれる罪つみは不在あらじと 祓賜はらひたまひ清賜きよめたまふ事ことを 高山たかやま之の末すゑ短山ひきやま之の末すゑより 佐久那太理さくなだりに落おち瀧たきつ速川はやかはの瀬せに坐ます瀬織津比せおりつひめと云いふ神かみ大海原おほわだのはらに持出もちいでなむ 如此かく持出もちいで往いなば 荒塩あらしほの塩しほの八百道やほぢの八塩道やしほぢの塩しほの八百会やほあひに坐ます速開都比はやあきつひめと云いふ神かみ 持もち可可呑かかのみてむ 如此かく可可呑かかのみては 気吹戸いぶきどに坐ます気吹主いぶきどぬしと云いふ神かみ 根国ねのくに底国そこのくにに気吹いぶき放はなちてむ
如此かく気吹いぶき放はなちては 根国ねのくに底国そこのくにに坐ます速佐須良比はやさすらひめと云いふ神かみ 持佐須良比もちさすらひ失うしなひてむ


如此かく失うしなひては 自以後きょうより始はじめて罪つみと云いふ罪つみ咎とがと云いふ咎とがは不在物あらじものをと 祓賜はらひたまひ清賜きよめたまふと申まをす事ことの由よしを 八百万やほよろづ神等かみたち諸共もろともに左男鹿さをしかの八やつの耳みみを振立ふりたてて所聞食きこしめせと申まをす
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