「一人の人間の過去世に積み上げた遺骨は毘富羅山より多い・・」という趣旨の句が長阿含経、涅槃経にあります。涅槃経の句を簡単に言うと、我々はは色・香・味・觸に惑い、過去世より無数の生死を繰り返して苦悩を受けてきている。その骨は王舎城側の毘富羅山のようであり、飲んだ乳は四海の水より多く、長した血も四海の水より多い。父母兄弟妻子の死に際して流した涙も四海の水よりおおく、持った父母は大地の草を短く切った数より多い。無始以来地獄餓鬼畜生となって受けてきた苦悩は数えきれない。こうした衆生の苦悩をみて菩薩は菩提心を忘れない・・・。という趣旨です。
「大般涅槃經卷第二十二
北涼天竺三藏曇無讖譯
光明遍照高貴徳王菩薩品第十之二
復次に善男子よ。菩薩摩訶薩、諸衆生を觀ずるに、色・香・味・觸の因縁を為すの故に、昔より無數無量劫より來かた常に苦惱を受ける。一一の衆生の一劫の中に積むところの
身骨は王舍城毘富羅山の如し。飮む所の乳汁は四海の水のごとし。身より出すところの血は四海の水より多し。父母兄弟妻子眷屬の命終に哭泣して出す所の目涙は四大海より多し。盡地草木を四寸籌となし以って父母を数えるも亦た盡すあたわず。無量劫より來た、或は地獄畜生餓鬼にありて受くる所の行苦は稱げて計ふべからず。此の大地を揣じて棗等のごとくせんも、猶究極すべからず。生死盡すべからず。菩薩摩訶薩は是の如く深く一切衆生、欲の因縁を以ての故に苦を受けること無量なるを観ず。菩薩は是の生死行苦の故に念慧を失はず。」
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