1、結論
華厳経では人生を大海に喩えています。深く無限で底には宝が眠っているというのです。以下華厳経入法界品の当該部分を抜き書きしておきます。これは人生の描写であると思った時、戦慄が走りました。
2、華厳経入法界品では善財童子が53人の善知識を尋ねますがその第三番目に南方海門国の海雲比丘を訪ねます。
善財童子は海雲比丘を尋ねると、海雲比丘はひたすら海を見続けています。そして海雲比丘は以下のように善財に語り掛けます。
3、「我、海門国に住すること十有二年、大海を境界として大浜辺簿海を観察せり。大海は無量無辺なることを思惟し、大海は甚深にして源底を得難きを思惟し、大海の漸漸に深広なるを思惟し、大海は無量の妙宝をもって之を荘厳せることを思惟し、大海は無量の水聚れることを思惟し、大海の水の色は種々不可思議なることを思惟し、大海は大身の衆生の依止する所なるを思惟し、大海は水性の所居なることを思惟し、大海は大雲彌覆せることを思惟し、大海は未だ曾って増減せざることを思惟せり。善男子よ、我かくの如く思惟せるとき、また是の念を作すらく、『世間にはもし更に法のこの大海よりも広く、この大海よりも深く、この大海よりも荘厳せられたるものありや、否や』と。
『我、仏の所において千二百歳、此の経(普眼経・仏の秘密の悟りの世界という意味)を聞受せり。・・たとえ人有りて大海に等しき墨と須弥聚の筆とを以て此の経を書写せんとするも一一の品、一一の法門、一一の方便、一一の生法門、一一の句の中の義味をも猶盡すこと能わじ。・・我ただこの一の法門を知るのみ・・』といいます。
4、この「大海」を「人生」に置き換えて読むと華厳経の言いたいことは明了です。『人生は甚深にして源底を得難き、人生の漸漸に深広なる、人生は無量の妙宝をもって之を荘厳せる、・・人生の水の色は種々不可思議なることを思惟し、人生は衆生の依止する所なるを思惟し、人生は大雲彌覆せることを思惟し、人生は未だ曾って増減せざる・・・。善男子よ、我かくの如く思惟せるとき、また是の念を作すらく、『世間にはもし更に人生よりも広く、人生よりも深く、人生よりも荘厳せられたるものありや、否や・・』
5、華厳は重々無尽縁起を説くお経ですが、つまるところ人生は重々無尽であると説いているのでしょう。
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