・十三佛は自己曼荼羅を導く究極の密教曼荼羅であること・・16
第二節、横説平等囲繞門
古い十三佛曼荼羅に虚空蔵菩薩を中心としてその周囲に十三佛を囲繞せしめて一円相をなした図がある。これは胎蔵界中台八葉院に象ったもので中台八葉院は八尊すらなきに隅方の一尊を二尊として計十二尊を周囲に描いたのである。
弥勒 薬師 観音
地蔵 勢至
普賢 虚空蔵 阿弥陀
文殊 阿閦
釈迦 大日
不動
この図は横平等の流現で不動明王が浅略で大日如来が深秘というわけではない。全く平等平等である。普通には観音菩薩は阿弥陀如来の眷属であるが、興教大師の五輪九字秘釈には観音菩薩を中心として阿弥陀如来を眷属として配置したる観音曼荼羅がある。この十三佛もこれと同一思想である。