十三佛は自己曼荼羅を導く究極の密教曼荼羅であること・・15、
(以上のように)浅より深に進むのである。去りながら今まではバラバラに浅深を説いたのであるが、これを組織的に知らんと欲せば、発心・修行・菩提・涅槃の四転について説明せねばならない。
第一の不動明王は発心である。煩悩妄想を除いて各人が理想を認める境界である。
第二の釈迦如来より第十一の阿閦如来の十佛は是れ修行の位である。これらの十佛は十地十波羅蜜の修行である。(虚空蔵菩薩以前に十佛が)なぜに十波羅蜜の修行を要するやといえば、これにはすこぶる深義あることで、虚空蔵菩薩は福智二門の教主である。福智の二門を細分したのが十波羅蜜であるから胎蔵曼荼羅の虚空蔵院では十波羅蜜が虚空蔵菩薩の側に侍する。今の十三佛を胎蔵曼荼羅の虚空蔵院にならって排列せしむれば図のごとくになるのであるから、虚空蔵曼荼羅には十波羅蜜菩薩が付随することは明瞭になったであろう。しかしてなお注意すべきことは、十三佛を胎蔵曼荼羅の虚空蔵院の順に配列せしむれば、不動明王と大日如来と虚空蔵菩薩が大なる形となるのである。
虚空蔵院の諸尊を左から順に書くと以下の様になる。
千手千眼観自在菩薩(大) (十三佛を配置するとここは大日如来)
禅波羅蜜 (十三佛を配置するとここは弥勒菩薩)
精進波羅蜜 (十三佛を配置するとここは地蔵菩薩)
忍(辱)波羅蜜 (十三佛を配置するとここは普賢菩薩)
戒波羅蜜 (十三佛を配置するとここは文殊菩薩)
檀波羅蜜 (十三佛を配置するとここは釈迦如来)
虚空蔵菩薩(大) (十三佛を配置するとここは虚空蔵菩薩)
.般若波羅蜜 (十三佛を配置するとここは薬師如来)
方便波羅蜜 (十三佛を配置するとここは観世音菩薩)
願波羅蜜 (十三佛を配置するとここは勢至菩薩)
力波羅蜜 (十三佛を配置するとここは阿弥陀如来)
智波羅蜜 (十三佛を配置するとここは阿閦如来)
一百八臂金剛蔵王菩薩(大)(十三佛を配置するとここは不動明王)
この大なる三尊(大日・虚空蔵・不動)は密教の中で他の十尊のように顕教に関係を持たぬも、密教の極意を発揮する真意の存する所がうかがはるのである。
十三佛の第十二番目は大日如来であるがこれは四転の菩提の位で、ここに来たって仏果菩提を証するのである。
第十三番目の最後の虚空蔵菩薩は即ち究竟最極の位である。第十一番目を等覚の位とすれば第十三番目は妙覚の位とも配しうる(菩薩修行を五十二段階に分けたうち,最高の位が妙覚で次が等覚)。無浅深の間に浅深を立てて細論すればこの如く次第せらるるのである。十三佛曼荼羅のお掛け軸はこの意に従って描かれたもので第一の不動明王が一番下にあって第十三の虚空蔵菩薩が最上位に位せらるるのである。
(以上のように)浅より深に進むのである。去りながら今まではバラバラに浅深を説いたのであるが、これを組織的に知らんと欲せば、発心・修行・菩提・涅槃の四転について説明せねばならない。
第一の不動明王は発心である。煩悩妄想を除いて各人が理想を認める境界である。
第二の釈迦如来より第十一の阿閦如来の十佛は是れ修行の位である。これらの十佛は十地十波羅蜜の修行である。(虚空蔵菩薩以前に十佛が)なぜに十波羅蜜の修行を要するやといえば、これにはすこぶる深義あることで、虚空蔵菩薩は福智二門の教主である。福智の二門を細分したのが十波羅蜜であるから胎蔵曼荼羅の虚空蔵院では十波羅蜜が虚空蔵菩薩の側に侍する。今の十三佛を胎蔵曼荼羅の虚空蔵院にならって排列せしむれば図のごとくになるのであるから、虚空蔵曼荼羅には十波羅蜜菩薩が付随することは明瞭になったであろう。しかしてなお注意すべきことは、十三佛を胎蔵曼荼羅の虚空蔵院の順に配列せしむれば、不動明王と大日如来と虚空蔵菩薩が大なる形となるのである。
虚空蔵院の諸尊を左から順に書くと以下の様になる。
千手千眼観自在菩薩(大) (十三佛を配置するとここは大日如来)
禅波羅蜜 (十三佛を配置するとここは弥勒菩薩)
精進波羅蜜 (十三佛を配置するとここは地蔵菩薩)
忍(辱)波羅蜜 (十三佛を配置するとここは普賢菩薩)
戒波羅蜜 (十三佛を配置するとここは文殊菩薩)
檀波羅蜜 (十三佛を配置するとここは釈迦如来)
虚空蔵菩薩(大) (十三佛を配置するとここは虚空蔵菩薩)
.般若波羅蜜 (十三佛を配置するとここは薬師如来)
方便波羅蜜 (十三佛を配置するとここは観世音菩薩)
願波羅蜜 (十三佛を配置するとここは勢至菩薩)
力波羅蜜 (十三佛を配置するとここは阿弥陀如来)
智波羅蜜 (十三佛を配置するとここは阿閦如来)
一百八臂金剛蔵王菩薩(大)(十三佛を配置するとここは不動明王)
この大なる三尊(大日・虚空蔵・不動)は密教の中で他の十尊のように顕教に関係を持たぬも、密教の極意を発揮する真意の存する所がうかがはるのである。
十三佛の第十二番目は大日如来であるがこれは四転の菩提の位で、ここに来たって仏果菩提を証するのである。
第十三番目の最後の虚空蔵菩薩は即ち究竟最極の位である。第十一番目を等覚の位とすれば第十三番目は妙覚の位とも配しうる(菩薩修行を五十二段階に分けたうち,最高の位が妙覚で次が等覚)。無浅深の間に浅深を立てて細論すればこの如く次第せらるるのである。十三佛曼荼羅のお掛け軸はこの意に従って描かれたもので第一の不動明王が一番下にあって第十三の虚空蔵菩薩が最上位に位せらるるのである。