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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

佛説大輪金剛總持陀羅尼經

2021-11-28 | 諸経

 

佛説大輪金剛總持陀羅尼經

如是我聞。一時、佛、王舍城耆闍崛山中にいまして大比丘衆千二百五十人と倶なりき。復た菩薩摩訶薩三萬六千ありて上首たり。爾時世尊、般涅槃に臨む後、佛法滅せんとする時、比丘比丘尼優婆塞優婆夷天龍八部、前後に圍遶し共に會して説法せんと。爾之時にあたり執金剛神ありて其の法要を問ふ、「世尊般涅槃後、總持の法

門云何んが受持せんや」。佛執金剛神に告げたまはく「善哉善哉。汝等金剛、能く末劫の衆生の為に、此の利益之事を問へり。善く之を思念せよ。吾當に汝が為に利益之事を分別解説して當に法要を説くべし」と。

佛執金剛神に告げたまはく「夫れ總持の法門を受持せんと欲する者は、及び經典を誦し坐禪せよ。種種の善法、第一、清淨、第二、常に決定して志誠なれ。第三、精勤にして不退なれ。第四、佛の慈恩を報ぜよ。第五、弘大誓を発して日夜精確にして師僧父母の恩を報ぜよ。第六、菩薩の恩を報ぜよ。第七、金剛の恩を報ぜよ。第八、三十三天の恩を報ぜよ。第九、四大天王の恩を報ぜよ。第十、持呪仙人の恩を報ぜよ。佛、執金剛神に告げて言はく「我滅度の後、末法之時、衆生薄福にして三災競ひ起る。吾が毒鬼神諸天魔等、南閻浮提振旦國中、諸惡鬼神及諸八萬四千天魔、一一の魔に五千の眷屬ありて、南閻浮提の衆生無量無數を殺害せむ。汝等金剛、今、此會において祕密之法を聞き、汝等金剛、持呪の方法を聞きて、速かに先ず大輪金剛陀羅尼神呪を誦せ。汝、此の法門を持せずんば一切の諸呪、縱ひ驗あらしめんも、猶ほ行僞盜ありて悉く安ならず。爾時世尊、即ち身呪を説きて曰く、

「那謨娑哆梨耶のうぼうしゃちりや地婆伽喃じびきゃなん怛他羯哆南たたぎゃたなん鳴𤙖うむ毘羅時毘羅時ふびらじふびら摩訶斫迦羅まきゃしゃから薩哆薩跢さたさた莎羅帝莎羅帝さらていさらてい哆羅曳哆羅曳たらいたらい毘陀摩儞びたまに三盤禪儞さんばんじゃに怛羅末儞たらまに悉陀羯梨怛焔しっだきゃりなんえん娑訶そわか」

大輪金剛陀羅尼心眞言に曰く

「南無悉咥哩耶もうぼうしっちりや墜尾伽南じびきゃなん怛他伽多南たたぎゃたなん唵おん尾羅時尾羅時びらじびらじ摩訶斫羯羅まかしゃから伐折梨伐折羅ばしりばさら薩跢薩跢さたさた娑羅帝娑羅帝さらていさらてい怛羅曳怛羅曳たらいたらい毘馱末儞びだまに三盤誓儞さんばんじゃに多羅末底たらまち悉陀阿羯哩底しっだあぎりち哩焔莎訶りえんそわか」

 

爾時世尊、即ち身呪を説きて曰く、

「那謨娑哆梨耶のうぼうしゃちりや地婆伽喃じびきゃなん怛他羯哆南たたぎゃたなん鳴𤙖うむ毘羅時毘羅時ふびらじふびら摩訶斫迦羅まきゃしゃから薩哆薩跢さたさた莎羅帝莎羅帝さらていさらてい哆羅曳哆羅曳たらいたらい毘陀摩儞びたまに三盤禪儞さんばんじゃに怛羅末儞たらまに悉陀羯梨怛焔しっだきゃりなんえん娑訶そわか」

大輪金剛陀羅尼心眞言に曰く

「南無悉咥哩耶もうぼうしっちりや墜尾伽南じびきゃなん怛他伽多南たたぎゃたなん唵おん尾羅時尾羅時びらじびらじ摩訶斫羯羅まかしゃから伐折梨伐折羅ばしりばさら薩跢薩跢さたさた娑羅帝娑羅帝さらていさらてい怛羅曳怛羅曳たらいたらい毘馱末儞びだまに三盤誓儞さんばんじゃに多羅末底たらまち悉陀阿羯哩底しっだあぎりち哩焔莎訶りえんそわか」

             

爾時世尊、此の呪を説き已って執金剛神及び持呪仙人に告げたまはく「比丘比丘尼等、先ず須らく新淨衣を著し燒香して樓至金剛を供養すべし。呪を誦すること七日七夜、唯だ燒香及び淨水をもって呪を誦すること十萬遍を満たせ。一切の呪法を成就したる以後は通じて一切印を用ひよ。夫れ一切呪を持せんと欲せば皆な成就することを得る。若し能く常に呪を誦せば命終之後速かに佛地に至らむ。

爾時金剛藏菩薩摩訶薩等、佛の持大輪金剛陀羅尼祕密之藏を聞き「我等金剛藏菩薩摩訶薩、各の百千恒河沙等の金剛を将ん。一一の金剛に各の百萬恒河沙の眷屬あり、一一に各の百千恒河沙等の藏神を将ん。一一の藏神又た各の四天を将ん。

滅度之後當に地獄に落ち、罪苦を受け已りて當に畜生道に落ちん。行僞の罪を獲ること是の如し。若し善男子善女人及び無量天仙金剛菩薩無量藥叉一切鬼神等ありて、善く吾を聽かば當に汝がために灌頂神呪を説かむ。二十一遍を誦せば能く一切の呪法を成じ善事速得に成就す。其呪は乃ち是れ過去十方一切諸佛之因なり。此の陀羅尼によりて悉く皆な成佛すし、一切菩薩は悉く佛道に至り、一切金剛は皆な不壞之身を得、仙人は悉く成就を得る。此の呪を誦する者は能く一切印法・一切壇法を成じ當に曼荼羅大壇に入るべし。事壇を用ひざれ。若し事壇を作らば種種の災ひ起る。天難地難王難賊難水難火難一切夜叉羅刹之難天龍鬼神難諸魔一切人の難あらむ。是の呪を誦すること七日七夜、清淨にして燒香し、尊像の前にて此呪を誦して三業一切諸罪を懺悔せば並に消滅を得む。一切の鬼神は皆な悉く歡喜し、身上の所有る一切の諸病は皆な除愈することを得ん。爾時佛、執金剛神無量天仙阿難比丘に告げたまはく「汝等善聽せよ。汝金剛呪を持さば、我汝が為に金剛天中において壇を結ばむ。汝菩薩呪を持さば、我汝の為に菩薩天中に於いて壇を結ばむ。汝、天呪を持さば我汝が為に天中に於いて壇を結ばむ。汝、龍天呪を持さば、我汝が為に龍宮中において壇を結ばむ。汝二十八部鬼神呪を持さば我汝の為に鬼神天中に於いて壇を結ばむ。汝夜叉羅刹呪を持さば、我汝が為に夜叉羅刹天中において壇結ばむ」。佛、執金剛神に告げたまはく、當に呪を説く之時、山河石壁一切は六種に震動す。一切の須彌山・諸天鬼神皆な悉く安かならず。一切龍王皆な大奔走し、雲雨三十三天、皆な珍寶及金剛山を下し佛に獻ず。願くは我等金剛藏菩薩摩訶薩、悉く佛地に至らば我等眷屬日夜歡喜せん。我等をして受持せしむれば、又燒香末香塗香幡花寶蓋百味飮食を世尊に奉げ上り、過去未來現在十方三世諸佛を供養せむ。

我等金剛藏菩薩摩訶薩、亦た末法衆生の為に呪を受持せんに、若し善男子善女人及比丘比丘尼優婆塞優婆夷有りて、此の大輪金剛陀羅尼を受持し、尊像前に於いて澡

浴し新淨衣を著し、燒香し三盤食を著し供養して具さに説く「我等無始の世界より已來、生死に流浪して劫數を知らず、聲聞人縁覺人辟支佛人佛乘人を毀謗し、獨覺人阿羅漢を毀謗し、大乘菩薩を謗り、正法を行ずる人を毀り、伽藍を汚泥し、寺塔を汚泥し、經書を汚泥し、戒行を破り、殺盜婬三業不善、佛身より血を出し、阿羅漢を殺し、常に顛倒を行じて正を持しては邪と為し、十惡不孝殺父害母、一切種種の造惡、頭數を知らず。今此の尊像前に於いて發露懺悔すること七日七夜、三

時に一百八遍陀羅尼神呪を誦し、澡灌三枚を用ひ、淨水を盛滿し、揚柳枝を挿し、三盤食及び酥蜜酪飵茶湯蜜藕種種の菓子を作り尊像前に於いて一地に火爐を穿ち、蓮花開敷に似たり。赤土を用ひ四面を摩拭し、方さに炭十斤を呪し、樹王木炭を用ふ、輪薑子木是也。別炭を用ひず。又、薫陸香三大兩・安悉香二大兩・白檀香二大兩・青木香二大兩・酥半升・蜜半升を用ひ、件の五種香を剉斫斬剪すること猶し巨類大の如し。一銅器中に於いて銅匙を用ひて和合し呪を誦すること一百八遍、此の酥蜜香等を呪し呪すること一百八遍。其の像の面は東に向け、行者の面を西に向く。跪合掌して供養印を作す。開敷蓮花相の如し。二大指相並べ怒して後に向へ二小指合怒して前に向へ六指を鉢に捧ぐる如くす。此を供養印と名く。          弟子某

甲等、厶州厶縣厶郷厶里、自ら姓名を称へよ。若し比丘比丘尼優婆塞優婆夷ならば、本僧尼名本寺名を称へよ。

「十方三世一切諸佛、過去一切賢聖冥官業道を啓白すらく、弟子厶甲等厶年厶月八日五更、初て懺悔して心を披き瞻を露はし、十方三世一切諸佛・過去一切諸佛現在一切諸佛當來彌勒尊佛、及び十二部經修多羅藏・諸大菩薩一切賢聖僧・一切金剛三十三天・四天王・帝釋天王・曹地府・日天・月天・星宿天・善惡童子・護戒善神、弟子の發露懺悔を證知して所有る罪障悉く消滅せしむ。弟子、無始世界より已來、六道に輪廻して生死に流浪し、善惡を識らず、未だ佛時佛邊を識らず、罪を造りて常に偸盜・飮酒・食肉・兩舌惡口の種種の鬪亂を行じて頭數を知らず、殺生無數

、邪行無數、妄語無數なり。今日今時發露懺悔して一懺して已後更に重ねて作さず。願くは弟子厶甲等、今十方諸佛前に於いて具さに罪禍を説く。破齋して夜食し、常に邪行を行じて六道の餓鬼畜生邊夷下賤に生ず。常に不善を行ずる之處、今日

今時發露懺悔して一懺已後復た更に重ねて作さず。若し善男子善女人、月の八日より十五日に至るまで。毎日供養して皆須く新食すべし。其の七日の内、呪を誦すること十萬遍に満たば境界有り。若し是れ上根人ならば夢に一切諸佛賢聖の摩頂受記を見ることを得、即ち佛藥を受けて以後、菩薩金剛地位を即證して佛を逐ふて去らん。若し是れ中根境界ならば、七日之内に前供養に準じて風雨靉靆として夢に金剛賢聖を見ん。若し是れ下根の衆生ならば、前の七日供養に準じて賢聖を見ず。七日之内に風雨あらず。幡花不動ならば此の人、前世に十惡五逆業を造作し、法と無縁なれば倍功懺悔し、一日一夜六時に懺悔せよ。我等即ち服香念誦すべし。

南無佛陀耶 南無達磨耶 南無僧伽耶 南無十二部經 南無金剛藏菩薩 南無文

殊師利菩薩摩訶薩 南無觀世音菩薩摩訶薩 南無大勢至菩薩摩訶薩 千手千眼觀

世音薩摩訶薩 十一面觀世音菩薩摩訶薩 救脱菩薩摩訶薩 定自在王菩薩摩訶薩

 地藏菩薩摩訶薩 藥王菩薩摩訶薩 藥上菩薩摩訶薩 彌勒菩薩摩訶薩

是の諸菩薩等、各の恒河沙眷屬を将ひて前後圍遶して佛に白して言さく「世尊、我菩薩眷屬。各の末香・塗香・幡花・寶蓋を以て十方諸佛を供養し末法衆生の為に大輪陀羅尼を修學して善福を資助す。善男子善女人比丘比丘尼優婆塞優婆夷婆羅門等、經典及祕密修多羅法門を修學して、持呪者及び下根の衆生をして速かに因果を證せしめん。我等諸菩薩衆、亦た印可せしめ、十方諸佛は摩頂受記して此の陀羅尼を誦せば、是れ過去無量諸佛の根本法門なり。此の呪を誦する者は能く一切罪障根本之罪を除き悉く消滅せしむ。若し下根の衆生、正月一日より尊像前に於いて此の神呪を誦すること十萬遍、則ち道場に入りて四大天王の幡四口を懸け、四方に各各金剛幡十二口を置き、菩薩幡八口を陽に當てて盧舍那像を鋪置し、前に於いて種種供養せよ。三面銅盤を用ひ、盤内に種種飮食を著し、銅垸を用ひて粳米乳酥飯を盛り、六垸一盤に垸飯銅匙佛筯羹種種供養を著け、像前に於いて地を畫して壇と為す、方圓四尺、香泥を上に塗り上に五色を以て書くこと一に本方の如し。各五寸なり。中間圓色に於いて上に向ひて新盤五枚に香水を滿盛し楊枝柳枝を挿す。其の壇の南面に地を穿りて火爐の方圓一尺五寸、一尺内に於いて蓮華形の如くす。赤泥を用ひ其内を摩拭すること前に准ず。五種香及酥蜜等銅器沙羅を用ひて、酥蜜及び香を盛り一處に相和す。一新銅匙を用ふ。此の香を呪すること一百八遍。其の壇に

五盞燈を安き、雜綵一尺五寸。毎月一日一夜、呪を誦すること一百八遍、前の供養に准ず。七日二十一迴、食を換ふるに七日已來、境界亦た風雨なく鬼神現れず、金剛菩薩不現ならば罪根深重なり。前の五種香を取り和合して搗き、蜜を和して丸と為す。呪を誦すること一千八遍、即ち此の香を服するに毎朝空腹なるとき二十丸を服す。井華水を用よ。下も喫藥を欲する毎に水を呪すること二十一遍、又た香水を呪し身體を沐浴し新淨衣を著す。呪を誦し供養すること四十九遍。其の内障は悉く除滅することを得ん。此の下根の衆生、無始已來、三寶物佛法僧物を用ひて常に

偸盜を行じ他を婬して、一切賢聖受罪無數なり。厶年厶月厶日。弟子厶甲。今尊像前・金剛菩薩聖僧前に於いて發露懺悔す。諸佛現前したまひ、天龍八部一切鬼神

供給驅使し、諸大菩薩は恒に伴侶と為らむ。持呪者は毎日一食齋に粳米乳酪飯を以てせば身力強健を得、去處通達し衆人恭敬、所出の言語を人皆な信受し、一切財寶

日夜増長す。若し此の陀羅尼祕密法藏を行ぜば常に信敬を生ず。一清淨空房に於いて念誦し日夜精懃して雜行を作さず、一心に受持し此一身を盡くさば更に胞胎四生を受けず。常に諸大菩薩と倶に一處に會す。若し善男子善女人比丘比丘尼優婆塞優婆夷婆羅門等、受持讀誦して他人の為に解説せば福無量を獲る。此の經は是れ末法時の衆生の福田なり。無量百千陀羅尼之法門に得入せば亦た是れ一切經藏なり。善男子善女人、受持讀誦して淨に尊像前脚底に於いて臥胝せば、即ち境界一切經藏及一切藏神・金剛菩薩・師僧・父母及び一切尊像を見る。此の人、會外より來りて此の相を見已らば、口を閉じて人に向ひて説く勿れ。若し人に向ひて説かば

戒行倶に破す。若し善男子善女人比丘比丘尼優婆塞優婆夷婆羅門等、經典祕密總持法門三種梵行を讀誦し口に經典を誦して惡言を説かず、心に悪を懷かず、身に五欲の染著無く、五種の氈陀羅女と同く共に一處に居住することを得ざれ。外道獵師五千の徒黨と載無數なることを得ざれ。婬女寡婦と同じく共に語言することを得ざれ。亦た沽酒家に止宿することを得ざれ。亦た外道と一切經典を戲論することを得ざれ。鬪亂諍競して正法を誹謗し及び一切利養することを得ざれ。若し善男子善

女人、尊像を供養して其の食を自ら喫することを得ず、戒行倶に破れんも、貧兒に施與すれば福を得ること無量なり。亦た在家人は出家人の殘食を食することを得ず。亦た五辛酒肉家食することを得ざれ。若し善男子善女人、此の食を食せば、受持讀誦戒行倶に破れて受持讀誦と名けず。神力倶に失して妄語罪を得ん。此の法を説く時、阿難比丘比丘尼四天王天龍鬼神八部乾闥婆伽樓羅緊那羅摩睺優婆塞優婆夷五百婆羅門及三十三天梵王帝釋四天王天竜鬼神八部乾闥婆迦楼羅緊那羅摩睺羅伽羅等及び轉輪聖王、佛所説を聞きて皆な大歡喜し悉く無生法忍を證し、

即ち阿耨多羅三藐三菩提心を得て悉く佛地を證す。

爾時世尊、畫像法を説きたまふ。過去未來現在十方三世一切諸大菩薩摩訶薩百千萬衆、倶に集會に来る。百千の金剛藏王倶に來集會す。 百千の二十八部藥叉天王倶に來集會す。 百千の香天王倶に來集會す。百千の天藥叉王倶に來集會す。 百千の師子天王倶に來集會す。 百千の聖僧倶に來集會す。 百千の持呪仙人倶に來集會す。 百千の帝釋天王倶に來集會す。 百千の轉輪聖王倶に來集會す。 百千の孔雀天王倶に來集會す。 百千の龍天王倶に來集會す。 百千の大風天王倶に來集會す。 百千の大雷天王倶に來集會す。 百千の四大天王倶に來集會す。 百千の大雨天王倶に來集會す。 百千の金翅鳥王倶に來集會す。 百千の白象王倶に來集會す。 百千の日天王倶に來集會す。 百千の月天王倶に來集會す。 百千の星宿天王倶に來集會す。百千の阿修羅王倶に來集會す。 百千の水天王倶に來集會す。 百千の火天王倶に來集會す。 百千の焔摩羅王倶に來集會す。 百千の大地王倶に來集會す。 百千の山神天王倶に來集會す。 百千の河神天王倶に來集會す。 百千の海神天王倶に來集會す。 百千の五穀善神倶に來集會す。 百千の舍宅神倶に來集會す。 百千の守門戸神倶に來集會す。 百千の園林花菓神倶に來集會す。 百千の戲食善神倶に來集會す。 百千の主七寶善神倶に來集會す。 百千の五種淨錢財天王倶に來集會す。 百千の修多羅王倶に來集會す。 百千の祕密藏天神王倶に來集會す。 百千の功徳天女倶に來集會す。 百千の比丘比丘尼倶に來集會す。 百千の優婆塞優婆夷倶に來集會す。 百千の乾闥婆迦樓羅緊那羅倶に來集會す。 百千の摩睺羅伽人等倶に來集會す。 百千の仙藥天神王倶に來集會す。百千の上妙四時衣服天王倶に來集會す。 百千の恒河沙數甘露天王倶に來集會す。 百千の天印大將護念一切衆生倶に來集會す。 百千の轉輪聖王倶に來集會す。

 

爾時世尊、此の畫像法を説きたまひし時、三千大千世界は六種に震動す。是時天、曼陀羅花を雨ふらし、香風四もに起り、幢幡は自ら動じて天鼓の如く自鳴す。十方三世の諸佛は大慈光を放ち、下は阿鼻地獄に至る。六趣の衆生は其の光色を見已りて皆な悉く念佛念法念僧して無上菩提を證し、結集衆會して願ひて三世諸佛の畫像之法を聞く。其の絹を取分けて四複と為し、各の長さ八尺なり。香汁を用ひて絹に塗る。膠汁を用ひて像を畫くこと得ざれ。其の像を畫く人は八戒齋を受けしめ、清淨食を與へ、澡浴して新淨衣を著し、一淨房に於いて燒香して一澡瓶を安じ、香水を滿盛して四方に灌げ。即ち結界畔と為す。先ず水池を畫きて池下に向かふこと二叉、其の池水中に蓮華を畫きて開敷す。不開の者あらば下に向へ。水池四邊に劍を安じ欄の石柱は悉く綵色を用て其柱を莊嚴す。頂上は開敷蓮華形に似る。其中に金剛珠を安ず。其柱一一に金珠を安じ、中心に一降橋を作り、亦た綵寶を用て莊嚴す。千の寶階を畫き上に五間門屋を畫作す。其の上は一に樓形の如し。上に向ひて七門屋を造り、上に鴟尾を安ず。其瓦一に碧流離色の如し。下に向ひて簷頭の一一

の口中より寶花を吐く。中に珠鐸を懸く。其七間樓に門及び窓を安じて正に中心門に當て、一大金鎖を安ず。諸門も亦た七寶綵畫して其樓を莊嚴す。下、心門にあたって一盧舍那像を畫作す。一ら佛の長短形像の如し。左右の阿難・伽葉及び觀世音菩薩・大勢至菩薩は悉く七寶を用ひて莊嚴せよ。左右に二金剛を畫き純金色と作す。手に寶杵を執ち威嚴あって降魔の勢なり。及び金剛の脚下に金山を畫作す。其の左右に下に向け又た二金剛形を畫作す。紅白色の如し。其金剛頂上に輪蓋を安んず。其手皆杵を把る。彩畫莊嚴。脚下還って金剛山を踏む。端正にして威嚴あり一は開口、一は笑脣。金剛の左右脚下に二師子を作る。擧頭して上を向き哮吼の勢を作す。其盧舍那佛像前の一大金香爐上に七寶蓋を安ず。香烟斷絶せしむる勿れ。其香爐前に一開敷蓮華を畫く。其花の中心より七寶花盤を化出す。其の盤中に七箇の金疊を畫作す。其疊中に金銀琉璃珊瑚眞珠を安ず。安悉香・薫陸香・牛頭旃檀香あり。供養盤前に四天王幡四口を畫く。金剛幡子十二口・菩薩幡十二口・龍王幡八口。一行者を作り一生褥子を作り、褥上に吉祥鳥草を畫作す。行者は䠒跪合掌して供養す。若し善男子善女人優婆塞優婆夷婆羅門等、各自本尊面貌を畫けば喜悦す。少年の形状は結跏趺坐せり。畫像法訖りぬ。

 

爾時世尊、

・作一切印法・法身印を説く第一。起立して脚を丁字に作して立つ。兩手を直に上に向け掌臂を合す。二中指を開き、八指は中節を相合し、二腕を屈して上に向かしめ頂上に上ぐ。此は是れ護身印なり。呪を誦すること一百八遍なり。

・降伏一切諸鬼神天魔印第二。八指相合。其二中指を開と為す。右は左を押す印を作す時、一切諸佛菩薩金剛天等は皆な悉く歡喜す。

・能消滅一切罪障印第三。八指の無名指二小指二頭指及二中指を開と為す。左は右を押し二肘を合せて胡跪し、誦呪一百八遍或は一千八遍す。若善男子善女人比丘比尼尼優婆塞優婆夷婆羅門等、所有る一切過去未來現在の一切の罪障、悉な皆く消滅して餘り無し。此印を作す時、常に一切諸佛菩薩及天龍八部の擁護を得る。此印を作し己れば行者心想は此印をもってせば身は金剛身の如し。其三道を供養する印を作す時は尊像前において洗浴し新淨衣を著し燒香して手を薫じ、百味の餅果を種種に供養す。其の作法の人は、過去未來十方三世一切諸佛天龍八部を啓請し、十二部經及修多羅藏を以て冥官業道に啓告し、我を證知せしむ。弟子厶甲等、所有る一切過去未來現在の一切罪業悉く滅することを得。其人此陀羅尼印中において金剛三昧を作すことを得。

 

・一切諸天魔及び一切惡鬼神蠱道精魅惡趣等を摧碎する印 第四。

地に起立し脚を丁字立に作し、左手向下し怒て指を立てて想へ、其の手中に器杖有りて出ずと。右手上に向けて想へ、其手中に杵有りて一切諸魔神及一切天魔を降伏し、降伏し盡くして其の人は大瞋威を作し齒は下唇を咬み、目を怒らし眉を動し、其の杵印掌中にて八指監文を拳にす。其の大母指節を屈し、頭指中節を捻じて心

中に想ひて自頂上に火輪有りて現に忿瞋を起こすと。想へ一切の天魔・一切の惡鬼蠱道魅鬼獸等類、一時に倶に死すと。上に向じて天を看れば虚空中の一切の飛鳥飛天夜叉一切の雜類等、一時に倶に死す。

 

降伏一切天魔鬼神斬頭印第五

兩脚を並べて丁字立に作し、左手は右手腕を把りて低げず、前拳を名けて金剛鉞斧印と曰ふ。此の印を作す時、一切の天魔鬼神、悉く皆な斬頭して一時に死す。

 

金剛刀印第六

右手無名指小指を屈して掌中に於いて大母指を以て二指甲上を押し、頭指中指を舒べて手を高擧するを名て金剛刀印と曰ふ。指を此の刀と想へば化して百千萬刀と作りて諸鬼神一切精魅一時に倶起す。

 

金剛火輪印第七

二大母指・二中指並び相ひ合せよ。其二頭指及び二無名指は相叉して掌中に入れ左は右を押し相鉤し二手腕を合わせ、上を怒り下に向ひて殺はなはだ怒ること猶し百千火輪の如し。其の作法の人、佛前に於いて結跏趺坐し、其の二肘を兩膝上に於いて心に其の火輪を想へ。十二輻有りて一一の輻中に復た百千の火兵有り。一一の火兵は化して百千の火兵と作り、各各無量の火神を驅使す。若し諸魔鬼神及び一切雜類鬼魅恒沙眷屬有りて衆生を惱亂せば、其の火輪は悉く能く降伏す。

 

金剛藏王降伏魔印第八

結跏趺坐し左右二手の頭指・中指・無名指の三指は舒べて左右の掌中に、右手三指は上に向へ左手掌中に舒べ左右相押せ。其の右手大指は左手小指を押し、右手小指

は左手大指を押す。名て大降天魔印といふ。其の印に二名あり。一は舊印の如し。左手を下に向け右手を上に向け相ひ叉へ前に準じて相ひ叉ふ。名て降伏一切魔印と曰ふ。

爾時如來、過去未來現在十方三世一切諸佛菩薩金剛・諸天龍八部・百千萬恒河沙諸佛と、菩提道場において此の印を説く時、復た三十六種の魔王・天魔・虚空魔及び十二魔王有りて、八萬四千の魔兵を領して以って眷屬となす。復た五百の天魔波旬有りて各の恒河沙の眷屬及び無量の惡鬼神兵を領して、衆生の血肉・一切精魅蠱道を食噉す。更に魔師を將ひて雲を興し雨を致す。非時に霜雹を下して一切苗稼を損す。復た貯ふる器伏を將ひて天下に病を行じ衆生を殺害し恒に將さに業と為して慈悲心無し。復た雜類鬼神有りて人の精氣を吸ふ。無量無邊の有形無形・有手無

手・有足無足、言はずして來り、來て言を作すものあり。目心與怒し諸の器杖を將與つ。復た鳥頭天魔・鼠頭天魔・猪頭天魔・鷄頭天魔・兎頭天魔・牛頭天魔、其の一切の天魔等、一切の器仗・弓弩・鉾楯・輪蓋・一切の衣甲を捨てて如來前に投じて乞命し如是の言を作す。「我等魔衆、如来に歸依したてまつる。我を損すること勿れ。我、一切佛法中に於いて常に擁護せむ。若し持誦經典者あらば一切の災難あることなし。其の善法をして日夜増長せしむ。一切の災難悉く滅して餘り無し。」と。

爾時世尊、諸魔に告げて言く「汝等復た能く菩提心を發す。即ち阿耨多羅三藐三菩提を得ん。若し善男子善女人、如來滅後において此の陀羅尼者を受持せば、此の人は即ち金剛藏菩薩之位を得證せむ。常に一切諸佛の加護する所を得、一切菩薩は恒に伴侶と為らむ。若し善男子等資糧乏少ならば常に豐足ならしむ。此呪を誦する者は身甘露の如く色力熾盛なり。若し比丘比丘尼優婆塞優婆夷婆羅門等の破戒者あらば、所有る一切の罪は並に除滅せらる。若し善男子善女人、此陀羅尼を誦し日夜増長精勤思惟せば一切衆生は枷鎖の苦を離れ、冥官業道に迴施すれば、一切鬼神及び阿鼻大地獄に受罪の衆生は悉く解脱せしむ。若し衆生sりて前世に一切惡業を造りて今人身を得て種種の疾病蠱道精魅顛癇狂走及び一切の災悔鳥鳴寒熱惡病、連年累月差へざる者も若し此陀羅尼一千八遍を誦せば、一切の災病悉く皆な除差す。若し薄福の衆生短命の者、此陀羅尼經四十九遍を誦せば即ち増壽を得る。若し産生難者あらば當に此陀羅尼經典四十九遍を誦すべし。災難消滅し平復すること故の如し。若し瘧病一日二日三日四日五日乃至七日半月を患ひ、或は一月を經、或は復た一年差(いゆ)るを得ざる者、井華水を取りて澡瓶に之を盛り尊像前に於いて水を呪すること一千八遍し此の患人に與へて三兩合して之を服せしめ、前香五丸を用ひて是を服せしめば即ち除愈することを得る。若し是日瘧病の者、刀を呪すること一百八遍し地を畫して方圓四尺と作し其の患人洗浴して新淨衣を著して中に坐し香を與へて之を服し誦呪一千八遍せば即ち除差を得ん。若し是れ多年差(いへ)ずして痩損なる者、臥著して誦呪し尊像前に地を畫して諸佛に「願はくは今救苦せよ」と啓告し、燒香し至心に百味飮食を著け、奉獻供養せば即ち除差するを得る。若し是れ一切精魅魍魎横鬼蠱道、衆生の心を食し上下出血して差へず或は年月を經るは、即ち尊像前に於いて前に準じて燒香し酥蜜乳酪穀稻華胡麻相ひ和し火中に之を燒き誦呪すること七日七夜、前に準じて供養し及び井華水を以て香丸を服せば即ち除差ゆことを得ん。若し人、癲痾病者、前に準じて供養燒香し、菓餅種種を飮食すること一七日二七日供養せば即ち除差するを得る。若し是れ天行病にして多月差へざる者は、水を呪し澡浴并びに服すこと四五合せば即ち除差するを得ん。若し人、一切瘡疥及五種加摩羅病を患ふ者は、水を呪し沐浴すること四十九日し及び香を服すること二十一九、兼て尊像前に於いて此の經典を誦すること四十九遍せば即ち除差することを得ん。若し是れ疥癬ならば乾濕を問はず、雄黄を碎こと一兩及び酥と相和して尊像前に於いて誦呪一千八遍し然る後に一切衆生に行施せよ。

爾時世尊、此の陀羅尼經を説きて金剛藏菩薩摩訶薩等及阿難比丘天龍八部に付囑したまふに前後に圍繞し恭敬禮拜信受奉行せり。

白粉を加持する眞言

唵掲那曳おんあぎゃのえい濕閉しへい駄夜莎訶だやそわか

赤粉を加持する眞言

唵掲那曳おんあぎゃのえい 阿羅馱夜莎訶あらだそわか

黄粉加持眞言

唵掲那曳卑馱夜莎訶びだやそわか

青粉加持眞言

唵阿掲那曳おんあぎゃのえい 可唎馱曳莎訶かりだえいそわか

黒粉加持眞言

唵阿掲那曳おんあぎゃのえい 君利瑟那夜莎訶くりしゅたやそわか

歸命陀羅尼、一切經藏功徳を所見し及び一切道場を見、皆此の眞言を誦すること七遍せば功徳不可思議なり。

南摸布哆耶倶羅尼なもぼだらやくたらに 南摸達摩耶哆以抳なもだらまたいに

喃摸僧訶耶摩帝なもそわかにてい   達哩じり鞞りひ 薩怛哩曩さたりのう喃謨                

大輪印 以左右手相叉入掌中。二大母指亦入掌中。將中印頂戴。以左脚安右脚上。誦呪二十一遍。向下放之。而散

 

大輪金剛稽首請偈

 南天竺三藏金剛智譯 

    稽首珠髻大華齒 力士密跡大輪王

    烏芻沙摩不動尊 火頭結界軍荼利

    或嗔或喚作威怒 移山轉海須臾間

    降伏羅刹衆毒心 聞説眞言皆怖畏

    摧滅十惡化含靈 超入如來功徳海

    爲護弟子持誦者 發心讃請應聲期

    願大金剛清淨衆 跋折羅杵自隨心

    於此道場禮念處 周匝圍繞作結界

于時寛延二己巳年秋七月穀旦

 vajrayana無等 

金剛輪總持陀羅尼經

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