福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

金山穆韶『大日経綱要』の要約その7

2014-10-28 | 諸経
第二章大日経の梗概、
第二序文について
經を釈するとき、序文、正宗分、流通分の三段とするのは晋の道安以来のならいとなっている。
序文は經のおこる因縁を説くもの。
正宗分とは本経の所説。
流通分とは本経を未来に流通し衆生に信受奉行させるための功徳をあかすもの。

 序文にはさらに、通序と別序がある。通序はどの經でも五成就を説く。五成就とは、信成就(かくのごとくわれ聞く)、時成就(一時)、如来(教主成就)、住所成就(某処において)、眷属成就(某々の弟子らの為)である。
別序とはその經の起こるゆえんを明かす。

まず大日経の通序について。(参考までに序文を出しておきます「入眞言門住心品第一
如是我聞。一時薄伽梵。住如來加持廣大金
剛法界宮。一切持金剛者皆悉集會。如來信
解遊戲神變生大樓閣寶王。高無中邊。諸大
妙寶王。種種間飾。菩薩之身爲師子座。其金
剛名曰虚空無垢執金剛。虚空遊歩執金剛。
虚空生執金剛。被雜色衣執金剛。善行歩執
金剛。住一切法平等執金剛。哀愍無量衆生
界執金剛。那羅延力執金剛。大那羅延力執
金剛。妙執金剛。勝迅執金剛。無垢執金剛。
5刃迅執金剛。如來甲執金剛。如來句生執金
剛。住無戲論執金剛。如來十力生執金剛。無
垢眼執金剛。金剛手祕密主。如是上首。十
佛刹微塵數等持金剛衆倶。及普賢菩薩。慈
氏菩薩。妙吉祥菩薩。除一切蓋障菩薩等諸
大菩薩。前後圍繞而演説法。所謂越三時如
來之日加持故。身語意平等句法門。時彼菩
薩普賢爲上首。諸執金剛祕密主爲上首。毘
盧遮那如來加持故。奮迅示現身無盡莊嚴
藏。如是奮迅示現語意平等無盡莊嚴藏。非
從毘盧遮那佛身或語或意生。一切處起滅
邊際不可得。而毘盧遮那。一切身業一切語
業一切意業。一切處一切時於有情界宣説
眞言道句法。又現執金剛普賢蓮華手菩薩
等像貌。普於十方。宣説眞言道清淨句法。所
謂初發心。乃至十地次第此生滿足。縁業生
増長有情類業壽種除。復有牙種生起」)
大日経の通序に「如是我聞」とある。これは金剛薩埵が大日如来からこの経を聞いたことをあらわし、「一時」とあるのは、すでに教主が大日如来であるから説時も三世常恒の時であって世間の時日を超越している。(べつのところで「三時を超えたる如来の日、加持の故に」とその説時を明かしている。)大日経疏はこれを説いて、大日経は過去現在未来の三世超えた常住円明の如来の日、而も如来の神力によって、長い無量劫の時間を一念に短縮させ又一念の時間をも無量劫の長時間に思わせ、衆生の機情によって常住の時を延促自在ならしめる加持日において説かれたといっている。
次に教主を「薄伽梵」といっている、これは翻訳して世尊ともいい、あらゆるものの本体である大日如来である。










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