実語教(傳、弘法大師作、寺子屋等で使用。「実語教註慈賢(鎌倉時代の天台座主)」「実語教諺解(覚賢慧空)」等より解説)解説・・・7
・財物は永くは存せず 、才智を財物となせ。 (孔子いわく「人は財の為に死す、獣は食の為に亡ず」「君子は才を食し、小人は力を喰す」)
・四大日々におとろへ 、心神は夜々にくらし 。(四大とは地水火風なり。円覚経によるに、毛・爪・歯・皮肉・筋・骨・髄脳・垢色は皆「地」なり、涙・膿・血・涎・痰・精気・大小便利のたぐいは「水」、身の温まりは「火」、動き働きは「風」なり。この四大各離れるときは妄身いずれのところにかあるべき、とみえたり。阿含句解十二因縁経に「人老いて識少なく、忘れ多し」と、識とは魂のことなり。天台摩訶止観に「四大身を成す」と、弘决の八にいわく「地水火風共に相残害す、猶し共に同じく一筐にあるが如し」。梵網經盧舍那佛説菩薩心地戒品第十卷下に、「一切の地水はこれ我が先身、一切の火風は是我が本体也」。千金方(唐の医書)に「地水火風和合して人となる、一気調わざれば百一の病生ず、四神動作すれば四百四病同時にともに発す」。勧身戒行の偈に「形日々に衰ふ、冬の草の如し、体夜夜に凋んで春の花に似たり」。)
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