福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その149

2014-09-26 | 四国八十八所の霊験
・医経に「衆生病を得るに十因縁あり。一には久しく座して臥せず、二には食貸すことなし、三には憂愁、四には疲れ、五には淫逸、六には瞋恚、七には大便を忍ぶ、九には上風を制す、十には下風を制す。」

・涅槃経に「一切衆生に四毒箭あり。貪欲、瞋恚、愚痴、驕慢なり。もし病因あらばすなわち病生ずるあり。いわく、寒熱肺病、上気吐逆、皮体しゅうしゅう、その心悶乱、下痢噦咽、小便淋漓、眼耳疼痛、腹背脹満、顚狂乾消、鬼魅に着せらる。このごときの諸病諸仏世尊あることなし。」「二つの因縁あらばすなわち病苦なし。一には一切衆生を憐憫し、二には病者に医薬を給施す。」「もし仏子一切疾病のひとをみてはまさにつねに供養するところ仏のごとくにして異なることなかるべし。八福田(仏、聖人、和尚、阿じゃ利、僧、父、母、病人への供養)のなかに看病福田はこれ第一の福田ならん。」)とあります。

看病に関して言えば、大法輪平成10年7月号に「病気を悪とみない医療」と言う題で、ジャーナリストの小原田泰久氏が全国のヒーリングドクターと言われる人たち(埼玉県の帯津三敬病院、岡山市の三宅病院、愛知県の小沢病院など)を取材して共通点をまとめています。「人間を肉体のみの存在とみてないこと。病気を気ずきのチャンスと見ること。人間は死んだら終わりでなくいのちは永遠であると見ること。奇跡的な治癒は起こりうるとかんがえること。癒しは高い精神性を持った人のもとでおこること。」などがこれらのヒーリング病院の共通の考えとしてあげられると言っています。

しかし健康で幸せそうに毎日を過ごせる人がいる一方病苦に責め苛まれる人がいて割り切れない思いをしていることも事実です。なぜこういう不条理がおこるのか。

ヨハネ9章1-7節には、「イエスが道を通られているとき生まれつきの盲人を見られた。弟子たちはイエスに尋ねた。『先生、この人が生まれつき盲人なのは誰かが罪を犯したためですか、本人ですか、それともその両親ですか』イエスは答えられた。『本人が罪を犯したのでもなく、またその両親が犯したのでもない。ただ神にみわざが彼の上に現れるためである。」とあります。神のみわざが現れているとはすごいことばです。18年の遍路で土佐の遍路宿で同宿したレントゲン技師が子供のがん患者が可愛そうで仕方なかったが「こういう子たちは『仏様の仕事』をしているのです。」と言ったことを思いだします。
一方、経典には「代受苦の思想」というものが出てきます。
最近のリーダーは昔のリーダーと違いこの代受苦の思想が全く分からなくなっていますが悩みを抱えた遍路に千数百年間お接待を続けた四国の人々はこの関係をちゃんと判っていました。即ち病苦の原因はさまざまにあろうと苦難にあえぎ病苦に苦しむ人たちは我々の業を代わって引き受けてくださっている菩薩(代受苦の菩薩)であるという考えです。

聖武天皇の妃、光明皇后は病者に施浴しましたが、ライ病患者の膿を吸ってやったところ患者は阿閦(あしゅく)如来の姿を現したといわれています。

 四分律というお経では仏様が「人若(も)し我を供養せんと欲せばまず病人を供養すべし」とおっしゃっています。文殊師利般涅槃経には「(文殊師利菩薩は)自ら化身して貧窮孤独苦悩の衆生となって行者のまえにいたる」とあります。(佛告跋陀波羅。此文殊師利法王子。若有人念。若欲供養修福業者。即自化身。作貧窮孤獨苦惱眾生。至行者前。)
 華厳経(金剛幢菩薩十回向品)は 菩薩が「我まさに一切衆生のために無量の苦を受け諸の衆生をして解脱を得しむべし」といい、
 大宝積経には「我ことごとく代わって、諸の衆生をして(この世の)大地獄を出しめて、我代わって苦を受け・・・」とあります。
 大般若波羅密多経第四十七巻には「一切の地獄、傍生鬼界人天趣の中の有情の受くるところの苦悩、我当に代わって受け、彼をして安楽ならしむべし(地獄、餓鬼、畜生、人間界、天界などの生き物の苦悩を菩薩は代わって受けこれらのものを安楽にしてやる)」とあります。
 このほかの多くのお経にこの代受苦の思想は出てきます。
遍路道でであった多くの障害者とその家族はどうみても代受苦の菩薩そのものでした。

東日本大震災等での悲惨極まりない被災者の方達のお姿はまさに残されたものの無限の業を代わりに受けて下さった「代受苦の菩薩様」です。日本国民全員こぞって供養させていただかなければ罰が当たります。

 
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