此義云何。一切心識の相は皆な是れ無明なり。無明の相は不離覺性なるをもって、壞すべきに非ず、壞すべからざるに非ず。大海の水の風によりて波動するとき、水相と風相とは相い捨離せざるも、而も水は動性にあらざれば、若し風止滅すれば動相則ち滅して、湿性は不壞なるがごとく、如是く衆生の自性清淨心も無明の風によりて動ずるとき、心と無明とは倶に無形相にして相い捨離せず。而も心は動性にあらざれば、若し無明滅するときは相續則ち滅す。智性は不壞なるが故に。(これはどういう意味か?一切の心の認識作用の姿は(迷いの姿は)皆根源的無知による。しかし根源的無知は覚りを離れてあるのではないから壊すべきともいえないし、壊すべきでないともいえない。たとえば大海の水が風によって波立つとき水と風とは切り離せない関係といえるが、水は風が止めば波は収まり本来の湿性に戻るようなものである。このように衆生の心は無明の風により迷うがそれが本来の姿ではないので、無明の風が収まれば心は本来の覚りの姿をとりもどすのである。)
不思議業相とは智の淨なるを以ての故に、能く一切の勝妙境界をなすをいう。所謂く無量功徳の相は常に斷絶することなく、衆生の根に随い自然に相應し種種に見じて利益を得せしむるが故に。(第二の佛の持つ不思議な働きとは衆生の智慧も本来浄いものでるから佛が智慧を浄化することにより能くすばらしい境地をつくり出すことができることをいう。無量功徳の相は断絶することなく衆生の機根に応じて自然に働きかけ仏身を示現して衆生を利益するのでこのようにいうのである。)
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