弘仁十四年823四月二十四日は大師(50歳)が「天長皇帝の即位を賀したてまつる表」をお書きになった日です。大師は天皇陛下とも近しい関係であられましたが、当然満濃池や四国88所の開創など庶民の救済にも大尽力されています。現代人は権力に近ずくのをよしとしませんが、大師は密厳国土の創出・庶民救済のためにも天皇とも近しい関係となられています。
「天長皇帝の即位を賀したてまつる表
沙門空海言す。空海聞く、四序代謝(四季がめぐる)して日月穹隆に斡り、五才更生して(五行が循環して)万物盤薄に成る(万物が生成する)。かるがゆえによく青昊黄軒(伏羲と黄帝)時に乗じて震に出て、雙瞳八彩(二重瞼の舜と八の字眉の堯)揖譲して相推ゆずる(堯と舜は天下を譲り合った)。万方心を宅おき(すべての方角の人々は安心し)四海腹を撃つ。蕩蕩の称(天下泰平の誉れ)千古これを仰ぐ。
伏して惟んみれば皇帝陛下、道善貸に超へ、徳は洪鑪(天地)に均し。簡えらび堯心に鐘り、位舜宝を握る(堯のような嵯峨帝は舜のような淳和帝を選ばれた)。天兄天弟として前皇後皇あんり。仁は往帝よりも高く儀は後辟を凌ぐ。明才の詩(名君であると讃える詩)巷に満ち、何力の頌、期しつべし。幽顕歓を俱にし、動植恵に憑る。いはんや微僧において誰か手足に任へむ。鳬藻(ふそう・鴨が藻をたのしむ)の至りに任へず。謹んで奉表陳賀以聞す。軽々しく宸厳を黷す。伏して深く戦越す。沙門空海誠惶誠恐謹言。
弘仁十四年四月二十四日 沙門空海進つる。」
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