福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

修験宗旨書等・・・16

2017-12-16 | 諸経
修験宗旨書・・・16
十界修行第十六(峰中で行われる10種の修行を十界修行という。《華厳経》に説かれている成仏過程である地獄,餓鬼,畜生,修羅,人,天,声聞,縁覚,菩薩,仏の10の段階のそれぞれに,修行者の五体が大日如来の五大と悟る座法である床堅(とこづめ),懺悔,修行者の犯した罪の重さを計る業の秤(はかり),水断,水汲みの作法である閼伽(あか),相撲,扇を以て舞う延年,護摩のための木をあつめる小木(こぎ),穀断(こくだち),金胎(こんたい)の秘印をさずける正灌頂の10種の修行を充当し,峰入りの期間中にこの10種の修行をおさめおわることによって即身成仏しうるとされた。)

夫れ従因至果の峰とは胎蔵十界の曼荼、従凡入聖の修行なり。所謂十界とは六凡四聖なり。六凡とは、十界修行のうち「業の秤」は地獄、「穀断」は餓鬼、「水断」は畜生、競争心をあらわす「相撲」は修羅、「懺悔」は人間だけができるから人道、扇を以て舞う「延年」は天道をあらわす。以上六凡修行とは大悲代受苦の前行なり。
次に四聖修行者とは
一、声聞修行とは、観苦集滅道四諦苦者、煩悩迷体集者、所滅煩悩者、能滅智道者、能所不二内証也。
二、縁覚修行とは、十二縁起流転観十二還滅なり、
三、菩薩修行とは、六波羅蜜なり。還六凡修行之を知るべき也、先達の秘伝にいわく、「(水汲の作法の閼伽は壇波羅蜜、山林抖櫢は戒波羅蜜、(護摩木を集める)小木は忍辱波羅蜜、採灯は精進波羅蜜、手一合は禅波羅蜜、手続は般若波羅蜜、以上六波羅蜜。済度六道、檀波羅蜜は餓鬼、尸羅波羅蜜は地獄、羼提波羅蜜は修羅道、毘梨耶波羅蜜は人道、禅那波羅蜜は天道、般若波羅蜜は畜生道、以上四佛界は一如来の宗旨無相の秘密灌頂是なり。已上四聖の修行也。先徳のいわく「六道は是懺悔滅道の道場、四聖は是妙法修行の道場」と。六凡とは事の修行也、四聖とは理の修行也。夫れ修験立行とは一切衆生に十如の妙理を備え、十界一如の故に六道四聖の當位を改めず、本有毘盧の覚体無相三峰の応用也。故に大日経には「一切衆生色心実相常に是れ毘盧遮那平等智身」と説く(大毘盧遮那成佛經疏卷第一入眞言門住心品第一にある)。能く能く之を観了すべし。當道修行の深意唯之にあるをや。

十界修行の表です。
地獄界・・業秤・・壇板・・地・・持戒・・山林抖擻
餓鬼界・・穀断・・柱源・・水・・布施・・閼伽
畜生界・・水断・・酒水・・風・・般若・・手続
修羅界・・相撲・・源盍・・火・・精進・・柴燈
人間界・・懺悔・・花曼・・空・・忍辱・・小木
天上界・・延年・・乳木・・識・・禅定・・手一合
声聞界・・比丘形・・四諦を観ず
縁覚界・・頭襟形・・十二縁起を観ず
菩薩界・・代受苦行・・六波羅蜜
仏界・・・正灌頂・・床堅)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 修験宗旨書等・・・15 | トップ | 修証義 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事