不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

摩訶般若波羅蜜經大明品第三十二

2021-07-21 | 諸経

摩訶般若波羅蜜經大明品第三十二

摩訶般若波羅蜜經卷第九・後秦龜茲國三藏鳩摩羅什譯 大明品第三十二

爾時、佛、釋提桓因に告げて言く「若し善男子善女人有りて是の深般若波羅蜜を聞き受持親近讀誦正憶

念し薩婆若心(一切智)を離れずば、兩陣戰ふ時、是の善男子善女人は般若波羅蜜を誦するが故に軍陣中に入るも終に失命せず、刀箭傷けず。何以故。是の善男子善女人は長夜に六波羅蜜を行じ、自ら婬欲の刀箭を除き亦た他人の婬欲の刀

箭をも除き、自ら瞋恚の刀箭を除き、亦た他人の瞋恚の刀箭をも除く。自ら愚癡の刀箭を除き亦た他人の愚癡の刀箭をも除く。自ら邪見の刀箭を除き亦た他人の邪見の刀箭をも除く。自ら纒垢の刀箭を除き亦た他人の纒垢の刀箭をも除く。自ら諸結使の刀箭を除き亦た他人の結使の刀箭をも除く。憍尸迦、是の因縁を以て是の善男子善女人は刀箭の傷つくる所とならず。復た次に憍尸迦、是の善男子善女人は是の深般若波羅蜜を聞き、受持親近讀誦正憶念し薩婆若心を離れずば、若しは毒藥を以て熏ずるも、若しは蠱道を以てするも、若しは火坑を以てするも、若しは深水を以てするも、若しは刀殺せんと欲するも、若しは其毒を與ふるも、如是の衆惡は皆な傷くること能はず。何以故、是の般若波羅蜜は是れ大明呪、是れ無上明呪なればなり。若し善男子善女人、是の明呪中において學べば、自ら身を惱さず亦た他を惱さず亦た兩つながら惱まさず。何以故。是の善男子善女人は我を得ず、衆生を得ず、壽命を得ず、乃至知者見者皆な不可得なり。色受想行

識を得べからず、乃至一切種智も亦た不可得なり。不可得なるを以ての故に自ら身を惱さず亦た他を惱さず亦た兩つながら惱さざるなり。是の大明呪を學ぶが故に阿耨多羅三藐三菩提を得、一切衆生心を観て隨意に説法す。何以故。過去の諸佛も是の大明呪を學びて阿耨多羅三藐三菩提を得、當來の諸佛も是の大明呪を學びて當に阿耨多羅三藐三菩提を得べく、今現在の諸佛も是の大明呪を學びて阿耨多羅三藐三菩提を得ればなり。復次に憍尸迦、般若波羅蜜、若しは但だ經卷を書寫し舍に於いて供養するのみにして、不受不讀不誦不説不正憶念なるも是の處、若しは人、若しは、其の便を得ること能ず。何以故。是の般若波羅蜜は三千大千世界中の四天王諸天乃至阿迦尼吒諸天子及び十方無量阿僧祇世界中の諸四天王天、乃至阿迦尼吒諸天の守護する所なるが故に、是の般若波羅蜜の所止する處は諸天皆來りて供養恭敬尊重讃歎禮拜し已りて去る。是の善男子善女人は但だ般若波羅蜜経巻を書写し舍に於いて供養するのみにして、不受不讀不誦不説不正憶念なるも今世に如是の功徳を得。譬へば若しは人、若しは畜生、來りて菩提樹下に入るが如し、諸邊内外、設ひ人有りて惡意を持ちて來るも、其の便を得ること能はず。何以故。是の處は過去諸佛、中において阿耨多羅三藐三菩提を得、未來の諸佛・現在諸佛も亦た中に於いて阿耨多羅三藐三菩提を得、佛を得已りて一切衆生に無恐無畏を施、。無量阿僧祇の衆生をして天上人中の福樂を受けしめ、亦た無量阿僧祇衆生をして須陀洹果を得、乃至阿耨多羅三藐三菩提を得しむ。

般若波羅蜜力を以ての故に是の處に恭敬禮拜花香瓔珞搗香澤香幢蓋伎樂もて供養せらるるを得」。

釋提桓因白佛言「世尊、若し善男子善女人、般若波羅蜜を書寫し花香瓔珞乃至伎樂もて供養すると、若し人有りて佛

般涅槃後、若しは舍利を供養し、若しは塔を起して供養恭敬尊重讃歎花香瓔珞乃至伎樂供養すると、是の二は何れの者か福を得ること多きや」。佛告釋提桓因「我還って汝に問はむ、隨意に我に答へよ。汝の意において云何。佛の一切種智を」得、及び是の身を得るが如きは何の道より學して是の一切種智を得、是の身を得たるや」。釋提桓因白佛言「佛は般若波羅蜜中より學びて一切種智及び相好身を得たまへり」。佛告釋提桓因言「如是なり如是なり憍尸迦、佛は般若波羅蜜

中より學びて一切種智を得たり。憍尸迦、この相好身を以て名けて佛と為さず。一切種智を得るが故に名て佛と為す。憍尸迦、是の佛の一切種智は般若波羅蜜中より生ず。是の故を以て憍尸迦、是の佛身は一切種智所依の處にして佛は是の身に因りて一切種智を得る。善男子よ、當に是の思惟を作すべし。是の身は一切種智所依の處なりと。是の故に我れ涅槃後に舍利當に供養を得べし。復た次に憍尸迦よ、善男子善女人若し是の般若波羅蜜を聞き書寫受持親近讀誦正憶念花香瓔珞搗香澤香幢蓋伎樂もて恭敬供養尊重讃歎せば、是の善男子善女人は則ち一切種智を供養すと為す。是を以ての故に憍尸迦、若し善男子善女人有りて是の般若波羅蜜を書し、若しは受持親近讀誦説正憶念恭敬尊重讃歎花香瓔珞乃至伎樂もて供養すると、若しは復た善男子善女人有りて佛般涅槃後舎利を供養し塔を起し恭敬尊重讃歎し香花乃至伎樂をもてすると、若しは善男子善女人有りて是の般若波羅蜜を書持し供養恭敬尊重讃歎花香瓔珞乃至伎樂もてするもの、是の人、福を得ること多し。何以故。是の般若波羅蜜中に五波羅蜜を生じ、内空乃至無法有法空四念處乃至十八不共法を生じ、一切三昧一切禪定一切陀羅尼門、皆な般若波羅蜜中より生じ、衆生を成就し佛國土を浄むるは皆な般若波羅蜜中より生じ、刹利大姓婆羅門大姓居士大家、皆般若波羅蜜中より生じ、四天王天乃至阿迦尼吒天須陀洹乃至阿羅漢辟支佛諸菩薩摩訶薩諸

佛諸佛一切種智、皆な般若波羅蜜中より生ずればなり」。

爾時釋提桓因白佛言「世尊。閻浮提の人は是の般若波羅蜜を供養せず、不恭敬不尊重不讃歎なり。供養せば利益する所多きことを知らずと為す耶」。佛告釋提桓因言「憍尸迦、汝の意に於いて云何。閻浮提中幾所の人か佛を信じて壞せず、法を信じて壊せず、僧を信じて壞せざるや。幾所の人か佛に於いて無疑、法に於いて無疑、僧に於いて無疑なるや。幾所の人か佛に於いて決了し、法に於いて決了し、僧に於いて決了するや」。釋提桓因白佛言「世尊、閻浮提の人、佛法僧に於いて不壞信を得る者少く、佛法僧に於いて無疑にして決了するもの亦た少し」。「憍尸迦、汝の意に於いて云何。閻浮提に幾所の人か三十七品三解脱門八背捨九次第定四無礙智六神通を得るや。閻浮提の幾所の人、三結を断ずるが故に須陀洹道を得、幾所の人、三結を断じ亦婬瞋癡を薄うするが故に斯陀含道を得るや。幾所の人か五下分結を断ずるが故に阿那含道を得るや。幾所の人、五上分結を斷ずるが故に阿羅漢道を得るや。閻浮提の幾所の人、辟支佛を求め、幾所の人、阿耨多羅三藐三菩提心を発すや」。釋提桓因白佛言「世尊、閻浮提中の少所の人、三十七道品を得、乃至少所の人、阿耨多羅三藐三菩提心を発すのみ」。佛告釋提桓因言「如是如是。憍尸迦。少所の人、佛を信じて壞せず、法を信じて壞せず、僧を信じて壞せず。少所の人、佛に於いて無疑、法に於いて無疑、僧に於いて無疑なり。少所の人、佛に於いて決了し、法に於いて決了し、僧に於いて決了す。憍尸迦、亦た少所の人は三十七品三解脱門八背捨九次第定四無礙智六神通を得る。憍尸迦よ亦た少所の人は三結を断じて須陀洹を得、三結を断じて亦た婬瞋癡を薄うして斯陀含を得、五下分結を断じて阿那含を得、五上分結を断じて阿羅漢を得る。少所の人、辟支佛を求め、是の中に於いて亦た少所の人、阿耨多羅三藐三菩提心を発す。發心の中に亦た少所の人、菩薩道を行ず。何以故。是の衆生は前世に佛を見ず、法を聞かず、比丘僧を供養せず、布施せず、持戒せず、忍辱せず、精進せず、禪定せず、智慧無く、内空外空乃至無法有法空を聞かず、亦た四念處乃至十八不共法を聞かず修せず、亦た諸三昧門・諸陀羅尼門を聞かず修せず、亦た一切智一切種智を聞かず修せず。憍尸迦、是の因縁を以ての故に當に知るべし、少所の衆生は佛を信じて壞せず、法を信じて壞せず、僧を信じて壞せず、乃至少所の衆生は辟支佛道を求め、是の中に於いて少所の衆生は阿耨多羅三藐三菩提心を発し、發心中に於いて少所の衆生は菩薩道を行じ、是の中に於いて亦た少所の衆生は阿耨多羅三藐三菩提を得る。憍尸迦、我れ佛眼を以て見るに東方無量阿僧祇の衆生、阿耨多羅三藐三菩提心を発し、菩薩道を行ず。是の衆生は般若波羅蜜方便力を遠離するが故に、若しは一、若しは二、阿惟越致地に住し、多くは聲聞辟支佛地に堕す。南西北方四維上下も亦復た如是なり。是を以ての故に憍尸迦、善男子善女人の發心して阿耨多羅三藐三菩提を求める者は應に般若波羅蜜を聞き、受持親近讀誦し説き正憶念。受持親近讀誦説正憶念し已らば當に經卷を書し恭敬供養尊重讃歎し花香瓔珞乃至伎樂すべし。諸餘の善法もて般若波羅蜜中に入る者も亦た應に聞きて受持乃至正憶念すべし。何等か是れ諸餘の善法なるや。所謂檀那波羅蜜・尸羅波羅蜜・羼提波羅蜜・毘梨耶波羅蜜・禪那波羅蜜、内空外空乃至無法有法空、諸三昧門諸陀羅尼門、四念處乃至十八不共法大慈大悲なり。如是等の無量の諸善法は皆な般若波羅蜜中に入る。是れ亦た應に聞きて受持乃至正憶念すべし。何以故、是の善男子善女人は當に如是に念ずべければなり。佛、本と菩薩たりし時、如是に行じ如是に學す。所謂般若波羅蜜禪那波羅蜜毘梨耶波羅蜜羼提波羅蜜尸羅波羅蜜檀那波羅蜜、内空乃至無法有法空。諸三昧門諸陀羅尼門。四念處乃至十八不共法大慈大悲なり。如是等の無量の諸佛法、我等も亦た應に隨ひて學すべし。何以故。般若波羅蜜は是れ我等の尊ぶ所、禪那波羅蜜乃至無量諸餘の善法も亦た是れ我等の尊ぶ所、此は是れ諸佛の法印、諸辟支佛阿羅漢阿那含斯陀含須陀洹の法印なればなり。諸佛は是の般若波羅蜜を學し乃至一切種智をもて彼岸に度すことを得、諸辟支佛阿羅漢阿那含斯陀含須陀洹も亦た是の般若波羅蜜を學し乃至一切智もて彼岸に度ることを得たり。是を以ての故に憍尸迦、若し善男子善女人、若しは佛在世、若しは般

涅槃後、應に般若波羅蜜に依止すべし、禪那波羅蜜毘梨耶波羅蜜羼提波羅蜜尸羅波羅蜜檀那波羅蜜、乃至一切種智にも亦た依止すべし。何以故。是の般若波羅蜜乃至一切種智は、是れ諸の聲聞辟支佛菩薩摩訶薩及び一切世間天人阿修羅の依止すべき所なればなり。憍尸迦、若し善男子善女人有りて、佛般涅槃後に佛を供養せんが為の故に七寶塔の高さ一由旬をつくり、天香天花天瓔珞天搗香天澤香天衣天幢蓋天伎樂をもて供養し、恭敬尊重讃歎せば、憍尸迦よ、汝の意に於いて

云何。是の善男子善女人は是の因縁に依りて福を得ること多きや不や」。釋提桓因言「世尊、甚だ多し、甚だ多し」。佛言はく「是の善男子善女人、是の般若波羅蜜を聞き書寫受持親近正憶念して薩婆若心を離れず、亦た恭敬尊重讃歎し若しくは華香瓔珞搗香澤香幢蓋伎樂もて供養せんに、是の善男子善女人の福徳多きには如かず」。佛、憍尸迦につげたまはく「一七寶塔を置き、若しは善男子善女人、佛を供養するが故に佛般涅槃後に七寶塔を起こして閻浮提に満て、皆な高さ一由旬ならしめ、恭敬尊重讃歎し香花瓔珞幢蓋伎樂もて供養せば、憍尸迦、汝の意において云何。是の善男子善女人は福を得ること多きや不や」。釋提桓因言「世尊、其そ福、甚だ多し」。佛言「是の善男子善女人、前の如く般若波羅蜜を供養する其の福多きには如かず。憍尸迦、復た一閻浮提中に滿つる七寶塔を置き、若し善男子善女人有りて、佛を供養するゆえに

、佛般涅槃後に七寶塔を起こして四天下に満て、皆な高さ一由旬ならしめ、供養すること前の如くせば、憍尸迦、汝が意に於いて云何。是の善男子善女人は其の福多きや不や」。釋提桓因言「甚だ多し甚だ多し」。佛言「是の善男子善女人、般若波羅蜜を書持し恭敬尊重讃歎し花香乃至伎樂もて供養する、其の福甚だ多きには如かず。憍尸迦、復た四天下の中に滿る七寶塔を置き、若し善男子善女人有りて佛を供養するが故に佛般涅槃後に七寶塔を起こして小千國土に満たしめ皆な高さ一由旬ならしめ、供養すること前の如くせば憍尸迦、汝の意において云何。是の善男子善女人、其の福多きや不や」。釋提桓因言「甚だ多し」。佛言「是の善男子善女人、般若波羅蜜を書持し受持恭敬尊重讃歎花香乃至伎樂もて供養する、其の福甚だ多きには如かず。憍尸迦よ、復た小千國土滿中の七寶塔を置き、若し善男子善女人有りて、佛を供養するが故に、佛般涅槃後、七寶塔を起こして二千中世界に満て、皆な高さ一由旬ならしめ如前に供養する故に、般若波羅蜜を供養する其の福甚だ多きには如かず。復た二千中世界の七寶塔を置き、若し善男子善女人有りて佛を供養するが故に佛般涅槃後、七寶塔を起こして三千大千世界中に満て皆な高さ一由旬ならしめ、盡形壽に天華天香天瓔珞乃至天伎樂をもて供養せば、汝の意において云何。是の善男子善女人は福を得ること多きや不や。釋提桓因言「世尊、甚だ多し甚だ多し」。佛言「是の善男子善女人、是の般若波羅蜜を書持し受持恭敬尊重讃歎し香花乃至伎樂もて供養する、其の福甚だ多きには如かず。復た三千大千世界中に七寶塔を置き、若し三千大千世界中の衆生、一一の衆生、佛を供養するが故に、佛般涅

槃後、各の七寶塔を起こし恭敬尊重讃歎華香乃至伎樂供養するも、若し善男子善女人有りて、般若波羅蜜を書持し乃至正憶念し薩婆若心を離れず亦た恭敬尊重讃歎花香瓔珞乃至伎樂供養せば、是の人の福を得ること甚だ多し」。釋提桓因白佛言「如是なり如是なり。世尊、若し人是の般若波羅蜜を供養恭敬尊重讃歎せば則ち過去未來現在の諸佛を供養すると為す。世尊、若し十方如恒河沙等の世界中の衆生、一一の衆生、佛を供養するが故に、佛般涅槃後、各の七寶塔を起こし、高さ一由旬ならしめ、是の人若しは一劫、若しは減一劫、恭敬尊重讃歎花香乃至伎樂供養せば世尊、是の善男子善女人の福を得ること多きや不や」。佛言「甚多」。釋提桓因言「若し善男子善女人有りて、是の般若波羅蜜を書持し乃至正憶念亦

恭敬尊重讃歎花香乃至伎樂供養せば其の福、大に多し。何以故。世尊、一切善法は皆な般若波羅蜜中に入ればなり。所謂十善道四禪四無量心四無色定三十七品三解脱門空無相無作四諦苦諦集諦滅諦道諦六神通八背捨九次第定檀那波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪那波羅蜜般若波羅蜜内空乃至無法有法空、諸三昧門諸陀羅尼門、佛の十力四無所畏四無礙智、大慈大悲十八不共法、一切智道種智一切種智なり。世尊、是を一切諸佛法印と名く。是の法中、一切の聲聞及び辟支佛、過去未來現在の諸佛は是の法を學して彼岸に度ることを得」。(已上)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日は一粒万倍日 | トップ | 「業も苦も空である」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事