華厳経から・・２９

華厳経巻十明法品第十四
「・・・佛子よ、菩薩摩訶薩は是のごとく諸波羅蜜を清淨にし、諸波羅蜜を滿足し、諸波羅蜜を不捨し、大莊嚴に乘じて悉く能く請う所の衆生を度脱し、一切を教化して善行を修習せしめ、悉く一切をして惡道を永離し、勤修精進して衆難を超出せしむ。

貪欲多き者には離欲觀を教え、瞋恚多き者には平等觀を教え、邪見多き者には因縁觀を教う。欲界の衆生には欲恚惡不善法を離るることを教え、色界の衆生には増上觀を教え、無色界の衆生には、細微智慧を教え、聲聞縁覺をねがうものには寂靜行を教え、大乘を樂う者には十力をもって大乘を莊嚴することを教ふ。

初發心の時の如きは衆生の諸惡道に堕するを見て大師子吼していわく、『我當に其心の病を知り、諸の法門を以て之を濟度すべし』と。菩薩は此のごとくの智慧を具足して、皆な能く一切衆生を度脱す。・・」