福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

修験宗旨書・・・30

2017-12-30 | 諸経
修験宗旨書・・・30
笈秘訣第十通(笈は旅道具入れのリュックサック、胎蔵界・阿字を表す
夫れ修験所具の笈とはその形阿字の理体なり。萬法一致の内証なり。胎蔵理界の中に十界森羅の諸法を含蔵する義なり。阿字とは万法所帰の根源、十界一如の体性、法爾無作の玄極なり。たとえば悲母の胎内に衆生の体性を含蔵しこれを覆育てるがごとし。この如く行者の心蔵に阿字本不生の本理あることを示す、是則ち十界円備凡聖不二の表示なり。秘記にいわく、當道に笈とは悲母の体相を像る、行者これを負うこと、母の胎内に住する姿なり。是に皮・骨・肉あり。皮をもってこれを包むはすなわち皮なり、中に穀味を入れるは肉なり、是則ち悲母の嬰児を養育する乳味なり。笈の板は骨なり。上を八角に絡むは母胎八分の肉団、自性本分の心蓮なり。赤色の笈綱は五蘊和合の血脈を表す。壇の板は胎蔵界の曼荼羅阿字方壇の板、即大地なり。中に五穀の種子を納め仏性萌動の形五智円満の果実なり。裏書にいわく、笈の板は長さ一尺八寸は六根・六識・六境・十八界なり。横一尺二寸は十二因縁、右の足は仏界所具の十界なり。左の足は衆生所具の十界なり。両足各の五寸、あわせて一尺也(十界)。実に是衆生本有の内証、依正一体の深義なり。・・・

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