今日は東寺御影堂の御本尊弘法大師像〈康勝作・現在は重文〉が安置された日です。
この大師像は左手膝上で掌を仰ぎ念珠(水晶製)を、右手屈臂して胸前で五鈷杵(木製)を執り、椅子に坐しておられるいわゆる真如親王様の弘法大師像です。数年前に御七日御修法のあと特別に拝させていただいたことがありますが黒光りしていて眼光鋭く大変な霊気を発しておられ思わず床に低頭して拝みました。これは『東宝記』によれば、天福元年(一二三三)十月十五日、親厳僧正(注)が「仁王経法」を修法して効験をあらわした恩賞として賜り安置したということです。(注、密教辞典によれば、親厳僧正(越後大僧正・随心院大僧正・唐橋大僧正)は1151年仁平元年より1236年嘉禎二年十一月二日。八十六歳。京都の人。唐橋中納言親光の息。法住寺で顕厳から伝法灌頂を受け瑜伽を修し法験にすぐれ、神泉苑に祈雨すること数度、また天変の御祈・中宮御産にも修法した。隋心院初代門跡、大僧正、東大寺別当。門下に厳海、俊厳、宣厳、親杲。)