福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四魂

2016-09-29 | 法話
一霊四魂という神道の考えがあります。一霊四魂とは、直霊という一霊と荒魂・和(にぎ)魂・幸魂・奇(くし)魂の四魂を指します。
直霊は霊魂の内奥にある至善至美の純霊。
荒魂は荒ぶる勇猛さを示します。災害も起こします
和魂は和平をもたらします。修身斉家治国平天下の徳。
幸魂はこの世に存在するすべてのものに益を与えます。
奇魂は奇跡を起こします。


『日本書紀・神代』には以下のようにあります。
 (少彦名神が常世国に渡ってしまわれて、)これより後、国の中でまだできていないところは、大己貴神(大国主大神)が独りで巡ってよく国造りされた。ついに出雲国に至って言葉に出されて言われた「葦原中国(日本の国のこと)は元々荒れていた。岩や草木に至るまでことごとに暴れていた。しかし、私は既にくじいて皆従わないものはない。」そして、「今この国を治めるのは私独りだけだ。私と共に天下を治める者はいるだろうか。」と言われた。
 その時、不思議な光が海を照らし、突然浮かび上がってきたものがあった。そして、「もし私がいなければ、汝はどうやってこの国を平らげることができただろうか。私の存在があったから、汝は国造りの大きな功績をあげることができたのだ。」と言われた。この時に大己貴神は「それでは汝は誰だ。」と聞かれた。それに答えて「私は汝の幸魂奇魂だ。」と言われた。大己貴神は「了解した、汝は私の幸魂奇魂だ。今後どこに住みたいと思うか。」と聞かれると、「私は大和の三輪山に住みたいと思う。」と言われた。そしてそこに宮を作って住まわれた。これが大三輪の神である。
(夫カの大己貴命オホナムチノミコト、少彦名命スクナヒコナノミコトと力を戮アハせ心
を一にして、天下アメノシタを経営ツクりたまふ。(中略)自後コレヨリノチ、国の中に未イマだ成らざ
る所をば、大己貴神独り能ヨく巡り造りたまふ。遂に出雲国に到りて、乃スナハち興言コトアゲ
して曰ノタマはく、夫カの葦原中国アシハラノナカツクニは本モトより荒芒アラびたり。磐石草木イハネクサキに至及イタるまで、咸コトゴトく能く強暴アシかり。然れども、吾已に摧クダき伏せて、和順マツロは
ぬは莫ナしと。遂に因りて言ノタマはく、今此の国を理ヲサむるは、唯吾一身ヒトリのみなり。其
れ吾と共に天下アメノシタを理む可き者蓋ケダし有りやと。時に神光アヤシキヒカリ海ウナバラを照テラし、勿然タチマチに浮び来る者有り。曰イはく、如モし吾在アらずば、汝イマシ何イカにぞ能く此の国を
平コトムけまし。吾在るに由りての故に、汝其の大造之績オホヨソノイタハリを建つることを得たり
と。是コの時、大己貴神問ひて曰はく、然らば則スナハち汝は是れ誰タレぞ。対コタへて曰ノタマは
く、吾は是れ汝が幸魂サキミタマ奇魂クシミタマなり。大己貴神の曰はく、唯ウベ然シカなり、廼スナハ
ち汝は此れ吾が幸魂奇魂なりけりと知りぬ、今何処イヅコにか住ズむと欲オモふや。対へて
曰はく、吾は日本国ヤマトノクニの三諸山ミモロヤマに住まむと欲オモふと。故れ即ち宮を彼処カシコに
営ツクりて、就ユきて居マしまさしむ。此れ大三輪之神オホミワノカミなり。
 
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