憎い人の幸せを祈ると必ず相手が変わること・・6
さらに密教的にもこれは証明されています。那須政隆師(大正大学学長・真言宗智山派管長)も「人間お互いの間でさえ、身口意の三密が一致相応すれば感応道交の事実が発現される」と説いておられます。
「・・我々が加持感応の原理を理解するにはまず真言教学の世界観を思い出さねばならない。無限なる宇宙を一大曼荼羅とし現象の萬物を宇宙曼荼羅の顕現とすることはすでに述べたとおりであるが、このように世界が一大曼荼羅であるとすれば萬物は互いに相通じる間柄にあるとしなければならない。それを三密平等という。自分の三密と如来の三密と一切衆生の三密と、この三者の三密は互いに融合し、本来一如平等のものである。この三密平等の事実こそが加持感応の根本原理をなすものである。・・元来真言宗においてはいつの場合も真言を念誦することになっておるが、この真言念誦には三通りの仕方がある。第一は、真言の文字の形を観じるもの(真言の身密観)、第二は真言の示す音を観じるもの(口密観)、第三は真言の示す真理的実相を観ずるもの(意密観)。このように真言そのものに三密観がある。それから念誦する修法者そのものにもまた三密がある。修法者の体を身密と観じ、唱える音声を真言の口密と観じ、心に観じる真理的実相を真言の意密と観ずるのである。更にこれに加えて、宇宙法界の体を真言の身密と観じ、宇宙法界に発せられる一切の音声を真言の口密とし、宇宙法界が示す宇宙的真理を真言の意密とするのである。このように一切を真言陀羅尼とする真言教学に依って、いわゆる真言の三密と、修法者を真言とした場合の三密と、また宇宙法界を真言とした場合の三密と、がありその三種の三密は結局宇宙曼荼羅の上では融会一体のものでると深く観念を凝らし、万法一体の境地に住するわけである。このように修法者は万法一如である宇宙曼荼羅の境地に入り、宇宙法界の大真言をもって真言独自の秘法を修するからそこに加持感応の妙用が発揮されるのである。「至誠天に通ず」「壮烈鬼神をなかしむ」という常用語の味から推して真言の加持感応を味得されたい。人間お互いの間でさえ、身口意の三密が一致相応すれば感応道交の事実が発現されることをおもえば、真言秘法における加持感応もほぼ察知されるのである。」(那須政隆「那須政隆全集」)
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