大覚寺で5月13日(月)迄「奉祝 皇位継承記念平成31年春季名宝展『天皇と大覚寺』」が行われています。 「国宝や重要文化財に指定された歴代天皇の宸翰や肖像画などを特別に公開展示するとともに、旧嵯峨御所大覚寺に伝わる2組の五大明王像はじめとする密教彫刻の重宝を一堂に集めて出陳している。」ということです。特に「今から1200年前の平安時代、弘仁9年(818)の春、大旱魃から全国に疫病が蔓延したことに対し、嵯峨天皇は「朕の不徳にして多衆に何の罪かあらん」と、離宮嵯峨院(後の大覚寺)で斎戒沐浴され弘法大師の勧めにより般若心経を写経されると、霊験あらたか疫病はたちまちに治まり、大いなる功徳を得られました。以来、この嵯峨天皇宸翰の般若心経は霊経と崇められ、60年に一度しか開封できない勅封心経として大覚寺の勅封心経として奉安されてきました。」という勅封般若心経の模写が展示されているということです。大師の「般若心経秘鍵」にはこの間の消息が以下のように書かれています。「時に弘仁九年春、天下大疫す。ここに帝皇自ら黄金を筆端に染め、紺紙を爪掌に握って般若心経一巻を書写し奉りたもふ。予購読の撰に範って、経旨の旨をつつ゛る。いまだ結願のことばを吐かざるに蘇生(そしょう)の族(やから)道に亍(たたず)む。夜変じて日光赫赫たり。是れ愚身が戒徳にあらず。金輪御信力(きんりんぎょしんりき)の所為なり。但し神舎に詣(けい)せん輩(ともがら)は此の機鍵を誦し奉るべし。昔予鷲峯山の寧むしろ)に陪(はん)べって、親(まのあた)り是の深文(じんもん)を聞きき。豈其の義に達せざらんはまくのみ。」
入唐沙門 空海上表」
入唐沙門 空海上表」