11月11日、東京都千代田区のよみうりホール「禅をきく会」で作家の田口ランディさんは「2011年以降を生きるための仏教思想を求めて」と題して講演。うつ病で自殺した友人とのやりとりを振り返り、「人は頭の中でネガティブな考えを際限なく巡らせ、現実を誇張して自分が悲しいというストーリーを作り上げてしまう」と指摘されたようです。(中外日報記事より)私も以前重度うつ病の方の相談にのったとき同じ経験をしました。自分でマイナス思考の蟻地獄をつくりあげてしまうのです。全てが自己にとってマイナスに映るのです。こういう方に共通なのは、周りの人々の善意に全く反応しなくなっていることです。しかし私が以前相談に乗った人は、私の勧めに素直に従い病院のベッドで般若心経の写経を始めてプラス思考を取り戻し、医者にビックリされましたがすぐに回復して退院できました。いまは幸せに生活されています。此の人のように素直になれて周囲に感謝できるようになればすぐに病気も運命も好転するのですが、これがいざとなると多くの人はできないようです。田口ランディさんの云う通り、どうしても自分の悲惨な運命を誇張して自分で作り上げてしまうのです。之を防ぐためには常日頃から周囲のちょっとした心遣いにも感謝をする習慣をつける事がたいせつです。また人生の不条理にあっている最中でも、仏壇の前では今日まで頂いたお蔭に感謝し、お世話になった先祖や知人全てに感謝するという祈りを捧げることが大切です。それが「不条理」から脱出するきっかけとなります。最初は無理をして「形式的に」でも感謝の祈りをささげることです。
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