今朝、数日ぶりに国立駅前の溜まった落ち葉やごみを清掃しました。しかし着いてみると昨夕あったゴミ屑がなくなっているのです。夜、誰かが掃除したのだと思い感心しながら溝にたまった落ち葉をかき集めていると向こうの方で箒で掃くサラサラという音がします。みると老年の御婦人がバス停をはいているのです。「ご苦労様です。近くの方ですか?」と声をかけると「私はここのドコモの者です」と謂います。たしかに駅前にはドコモショップがあります。そこの清掃の方でした。しかし自社の前だけでなく、駅前一帯を掃いているのです。道理で夕方ゴミだらけだった駅前も朝は綺麗になっていたのです。みるとやはりどことなく福相なお顔です。必ずこういう方には福が巡ってくると思いました。なおも一橋の方を掃いて戻ってくる途中こんどは素手でゴミを拾って來る中年男性がいます。「ご苦労様です。お疲れさまです」と声をかけると恥ずかしそうに頷いて去っていきました。先日も御婦人が駅前を掃いているので声を掛けるとそのかたは聾唖の方だったことがありました。こうして最近、駅前を清掃している名もなき市井のひとたちがかなりいるのだということがわかりました。こういう多くの人たちが毎朝人知れず陰徳を積んでいる事が分って、今迄ピンと来なかった「徳弧ならず、必ず隣有り」ということばがやっと腑に落ちました。「無財の七施」のうちの「身施」もこういうことだったのです。
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