運命の確定していないものは般若波羅蜜多を読誦すれば好転する。
「問うて曰く、現に(般若波羅蜜を)受持し読誦することありて軍陣地に入るも刀兵のために傷つけられあるいは命を失ふに至る。又仏は業因縁は非空非海のなかにも免るる事を得る者あることなし、と説き給えり(法句経悪業品に「空中に在りても海中にありても・・罪業より脱すべき方所なし」)。この中に仏は何を以ての故に般若を読誦する者は軍陣中に入るも兵刃に傷つかず、また命を失はずと言まふや。
答えて曰く、二種の業因縁あり。一には必ずまさに報いを受くべし。二には必ずしも報を受けず。必ずまさに報いを受くべき者の為に法句の中に是の如く説き、これの中には(ここでは)必ずしも報いを受けざる者の為に般若を読誦すれば兵刃に傷つかず、と説く。
たとえば大逆重罪のまさに死すべき人は強力財宝ありても免れること得べからず。人有りて罪もて死の料理に入ると雖も救うに用いるべき力勢・財物あればすなわち命を救うことを得、救わざればすなわち死するが如し。善男子もまた是の如く若し必ず報いを受けることなくんば罪は死事きたること有といえども般若波羅蜜を読誦するに至れば則ち済度することを得る。若し読誦せざれば則ち死を免れず。大智度論巻五十七」
「問うて曰く、現に(般若波羅蜜を)受持し読誦することありて軍陣地に入るも刀兵のために傷つけられあるいは命を失ふに至る。又仏は業因縁は非空非海のなかにも免るる事を得る者あることなし、と説き給えり(法句経悪業品に「空中に在りても海中にありても・・罪業より脱すべき方所なし」)。この中に仏は何を以ての故に般若を読誦する者は軍陣中に入るも兵刃に傷つかず、また命を失はずと言まふや。
答えて曰く、二種の業因縁あり。一には必ずまさに報いを受くべし。二には必ずしも報を受けず。必ずまさに報いを受くべき者の為に法句の中に是の如く説き、これの中には(ここでは)必ずしも報いを受けざる者の為に般若を読誦すれば兵刃に傷つかず、と説く。
たとえば大逆重罪のまさに死すべき人は強力財宝ありても免れること得べからず。人有りて罪もて死の料理に入ると雖も救うに用いるべき力勢・財物あればすなわち命を救うことを得、救わざればすなわち死するが如し。善男子もまた是の如く若し必ず報いを受けることなくんば罪は死事きたること有といえども般若波羅蜜を読誦するに至れば則ち済度することを得る。若し読誦せざれば則ち死を免れず。大智度論巻五十七」