福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今朝の理趣法での思い

2014-03-25 | 法話
今朝いつものように理趣法を修しているとある想念が浮かび上がってきました。
世界中で苦しみ悩んでいる人々がなぜなくならないのか、いままでも古今東西、聖人・名僧と謂われる人々がでても人々の苦悩は尽きないのはなぜか?ということです。そしてどこかで読んだ「空だからこそ愛おしい」という言葉を改めて思いおこしました。般若心経にも「照見五蘊皆空 度一切苦厄」とありました。一切は実体がないと覚れば苦厄はないというのです。実体がないものに悩み苦しんでいるのにすぎないから、それが哀れだ、それを分らせよ、というのです。しかし「露の世は露の世ながらさりながら」という一茶の句もあります。苦の真只中にいるときはそんな悠長なことは言ってられません。苦の瞬間は藁をもつかむ心境になります。そして加持祈祷による現世利益を祈ることもあります。ここで加持祈祷をする密教の基本は、「心が世界をつくり出している、時間・空間も無限に相互に入りこんでいる。」という華厳経の考えにもとずいています。全てが絡み合っていて時間空間を越えて一体であるというのです。すると今の一瞬をプラスに生きれば世界のすべては過去も未来も現在も好転に向かうことになります。自分の行動・心理状態をプラスにすれば全ては繋がっているので世界をも動かして良くすることができるのではないか、ということです。当然個々人の苦悩も救われます。以前行の指導を頂いたT師が「お互いいい行をしましょう。それがすべてです」ということをおっしゃったのは是だと思い当りました。行者はいい行をすることがすべてに繋がって全体を能くすることができるのです。行をしない普通の人も「いい瞬間」を積み重ねることにより世界を好転できるのです。
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