福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

大乗起信論・・・その19

2023-08-19 | 諸経

問て曰く。若し心滅すれば云何が相續するや。若し相續すれば云何が究竟して滅すと説くや。
答曰く。所言る滅とは、唯だ心相のみの滅にして心體の滅に非ず。風は水によって動相あるも若し水滅すれば、則ち風相は斷絶して依止するところなし。水は滅せざるを以て風相は相續し、唯だ風滅する故に動相は隨って滅するも是れ水が滅するには非ざるがごとし。無明もまた爾なり。心體によって動ずるも、若し心體滅すれば、則ち衆生斷絶して依止するところなし。體は不滅なるを以て心は相續することを得る。唯だ癡のみが滅する故に心相は隨って滅するも心智は滅するに非ざるなり。(問う、迷う心がなくなると心の持続性は保てるのか?答え、心がなくなるといったのはただ迷う心がなくなるといったまでである。心そのものがなくなるわけではないのである。譬えてみると、風の動きは水の様子で知ることができるが、もし水がなければ風の様子を知ることはできないようなものである。しかし水はなくなることはないので風の動く様子をひきつつ゛き見ることができるのである。風が止めば水も動かないが、水そのものがなくなっているわけではないのである。無明もこれと同じで、無明によって心そのものが動くのではあるが、心そのものがなくなるわけではなく、迷いの心がなくなるだけであり、迷いの心はなくなっても(本来の)智慧の心は残るのである。)


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