第三節 真実のすがた
一、この世のすべてのものはみな縁によって現れたものであるから、もともとちがいはない。違いを見るのは人々の偏見である。
大空に東西の区別がないのに人々は東西の区別をつけ、東だ西だと執着する。
数はもともと一から無限の数までそれぞれ完全な数であって量には多少の区別はないのだが、人々は欲心からはからって多少の区別をつける。
もともと生もなければ滅もないのに、生死の区別を見、また人間の行為それ自体には善も悪もないのに善悪の対立を見るのが人々の偏見である。
仏はこの偏見をはなれて世の中は空に浮かぶ雲のような、また幻のようなもので捨てるも取るもみなむなしいことと見、心のはからいを離れている。
一、この世のすべてのものはみな縁によって現れたものであるから、もともとちがいはない。違いを見るのは人々の偏見である。
大空に東西の区別がないのに人々は東西の区別をつけ、東だ西だと執着する。
数はもともと一から無限の数までそれぞれ完全な数であって量には多少の区別はないのだが、人々は欲心からはからって多少の区別をつける。
もともと生もなければ滅もないのに、生死の区別を見、また人間の行為それ自体には善も悪もないのに善悪の対立を見るのが人々の偏見である。
仏はこの偏見をはなれて世の中は空に浮かぶ雲のような、また幻のようなもので捨てるも取るもみなむなしいことと見、心のはからいを離れている。