今日は小正月です。先祖のミタマをわけていただく日です。
「続宗教と民族」(五來重)「注意深い人は正月の仏教行事が小正月といわれる十四日・十五日に集中していることに気つ゛くに違いない。結局正月といえども仏事はきわめて多いのであって、神事としての正月と、仏事としての正月は日がずれているにすぎないのである。しかも暦法の歴史は満月を以て月のはじめとしていたのが原始的な形であることを教えている。だから七月十五日を中元と呼ぶように正月十五日を上元と呼んだので、正月十四日と十五日は大晦日と元旦の関係にあることが分かる。・・とにかく小正月の十四日から十五日にかけては大和の法隆寺や長谷寺、大阪の四天王寺、備前の西大寺などをはじめとして、寺々の古風な修正会やオコナヒの結願が行われ、信者がこの夜、寺に参籠するのはちょうど年籠りに相当する。(後七日御修法も14日に結願します。長谷寺の修正会結願はいまでは七日、四天王寺では十四日がいまでも修正会結願で「どやどや」「とんど焼き」がおこなわれます。)
また小正月の行事としてどこにもあるトンド、左義長も一種の年籠りである・・しからば何故にこのような年籠りをするかといえば、平素の俗塵から遮断されたお宮やお寺の聖地できよらかな一夜を送り心身を清めて畏れ多い先祖のミタマの一部をこの身、この体に頒けていただくのがアラタマの年の始めになるからである。正月というのはこのようなアラタマをいただく祭りであるから、先祖のミタマのしずまります聖地霊場で年籠りしてむかえるのが本来の正月なのである。