『類聚三代格』によれば、天平13年(741年)2月14日に聖武天皇から「国分寺建立の詔」が出されています。聖武天皇の時代、八世紀前半も対外関係が緊迫していました。渤海と唐・新羅が対立関係にある中、渤海が山東半島の海上交通路を制圧したり日本に接近策をとったことで唐、新羅が日本を攻めるのではないかとおそれられていました。「国分寺建立の詔」です。「朕、薄徳を以って忝くも重き任を承たまはる。政化弘まらず・・・経(金光明最勝王経)を案ふるにいわく『若し有らむ国土に、この経王を講宣し読誦し恭敬供養し、流通せしむときには、我等四王(四天王のこと)、つねにきたりて擁護せむ。一切の災障も皆消殄せしめん。憂愁・疾疫をも亦除差せしめむ。所願心に遂げて恒に歓喜を生ぜしめむ』といへり。天下の諸国をして各七重の塔一区を敬ひ造らしめ、あわせて金光明最勝王経、妙法蓮華経一部を写さしむべし。朕またべつに擬りて金字の金光明最勝王経を写し、塔毎に各々一部を置かしめむ。ねがわくは聖法の盛、天地とともに永く流り、擁護の恩、幽明を被りて恒に満たむことを。その造塔の寺は兼ねて國華とせむ。かならず好き処を択びて実に久しく長かるべし。・・・僧寺は必ず廿僧有らしめよ。其の名は金光明四天王護国之寺とせよ。尼寺は一十尼。其の名は法華滅罪之寺とせよ。・・・」
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