福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q,オウム信者は「救済のためには何をしてもよい」と教わったと云いますが?

2015-03-20 | Q&A
Q,
オウム裁判で、オウム信者は「救済のためには何をしてもよい」と教わっていたと云いますがそういう教えはありますか?

A,結論は
「戒律を完全に守っている者のみに殺人も許される、しかしどの戒律にも最初に「不殺生戒」があるから実際には殺人など論理的にも許されるわけがない」ということです。

たしかに、大日経疏巻17には「若害之能利多人。或令彼有出離因縁。寧自入惡道。謂將護彼。以大悲心而加害之。此即方便。(その者の出離の為になるならば害してもよい、これは方便である)」とあり、理趣経には「設害三界一切有情 不堕悪趣(三界の一切の有情を殺害しても地獄には落ちない)」とあります。

 一方、四重罪の最初も不殺生(不偸盗・不邪淫・不妄語)であり十善戒の最初も不殺生戒です。 
ここで大日経疏や理趣経の「殺害を許す」という表現はあくまで仏様の世界の比喩であり、「(実際に呪殺の儀礼等が許されるのは)比丘の戒律をすべて守っている者のみに許される儀礼である」(松永有慶「理趣経講讃」)のです。
さらいいえば、此の「一切の有情を害する」という意味は「一切の有情の煩悩を殺すこと」ととるべきとされてもいるのです。
 
「救済のための殺害」などどということがあり得るわけはありません。
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